SEO上級者なら必須の知識「HTTPステータスコードを検索エンジンがどう扱うか」【SEO情報まとめ】
あなたは、「グーグルがどのHTTPステータスコードをどう取り扱うか」正しく理解できているだろうか? ちょっとテクニカルだが、必須のSEO知識を確認しておこう。
今回はほかにもテクニカルな話題を中心に、最新のSEO情報をいろんな角度から集めている。
リダイレクト、FAQリッチリザルト、インデックス、CWV、さらにはトップニュース掲載や手動対策などなど、あなたのSEO知識に厚みを加えるネタをお届けする。
- リダイレクトには6種類ある! グーグルが推奨するやり方は?
- 「よくある質問」リッチリザルトのちょっとしたTIPS教えます
- 新しいページをグーグルに素早くインデックスさせる10のポイント
- パフォーマンス測定ツールのWebPageTestがコアウェブバイタルに対応
- グーグル、6月に続いて7月もコア アップデートを実施
- グーグルにサイトが表示されているか確認するためのチェックリスト
- nofollowはインデックス防止には使えない
- これはチャンスかも!? AMPじゃなくてもトップニュースに掲載される
- 手動対策とポリシー違反の注意点をグーグルが動画で解説
- コアウェブバイタルを測定するChrome拡張が大幅に機能改良
- 言語理解の新技術MUMがGoogle検索に初めて適用される、新型コロナワクチン関連の検索で
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SEO上級者なら必須の知識「HTTPステータスコードを検索エンジンがどう扱うか」
SEO上級者を目指すなら理解しておきたい (検索セントラル) 国内情報
Google検索に次のような技術が及ぼす影響を解説するドキュメントを、グーグルは検索セントラルサイトに新たに公開した:
- HTTP ステータス コード
- ネットワーク エラー
- DNS エラー
サーバー側の技術的なトピックなので、ちんぷんかんぷんだと感じる人も多いかもしれない。しかし、Web担当者でも教養として知っておいて損はない「HTTPステータス コード」について、少し補足しながら解説しよう。
「HTTPステータス コード」とは、ブラウザやクローラがサーバーにリクエストを送信した(≒アクセスした)ときにウェブサーバーが返す応答に含まれる情報だ(正確には「HTTP レスポンス ステータス コード」という)。
「ステータス コード」というぐらいなので、その役割は、要求されたページや画像などの「状態」を表すことだ。状態とは、たとえば「OK」「みつからない」といったものなのだが、HTTPステータスコードはその状態を番号(コード)で表現している。
HTTPステータスコードはサーバーからブラウザなどに送られてくる情報だ。しかしブラウザはページ上にはHTTPステータスコードを表示しない。そのため、HTTPステータスコードを確認するには、Chromeのデベロッパーツールなどを利用する必要がある。
HTTPステータスコードは、大きく次の5種類に分けられる:
- 100番台(100~199): 情報を表す
- 200番台(200~299): 成功を表す
- 300番台(300~399): リダイレクトを表す
- 400番台(400~499): クライアント側のエラーを表す
- 500番台(500~599): サーバー側のエラーを表す
「番台」というのは、下2桁に複数の種類があることを意味する。たとえば、200~299の範囲には「200」「201」「202」など10種類の番号が標準で定義されているのだが、それらをまとめて「200番台」と呼ぶのだ(慣用的に「2xx」と表現することがある)。
HTTPステータスコードは、インターネット(ウェブ)の仕様で定義されている。技術的には番号によって表す意味は異なるのだが、グーグル検索においては各番台はどれも同じように扱われる(一部例外あり)。
たとえば、301と302はどちらもリダイレクトを意味するが、厳密には次のような違いがあり、HTTPステータスコードの仕様に忠実に従うのであれば使い分けるべきだ:
- 301: 永続的なリダイレクト
- 302: 一時的なリダイレクト
ところが、グーグル検索においては、最終的には301も302も同じ扱いになる。302を返すリダイレクトであっても、301リダイレクト相当として結局は処理されるのだ(ただし処理が完了するまでの時間は長くなる)。301と302に限らず、3xxはすべて同じ扱いになるというわけだ。
グーグルが公開した技術ドキュメントでは、次のようなことを解説している:
- Googlebotが受信したHTTPステータスコードで最も多い上位20の意味
- それらのHTTPステータスコードに対するグーグル検索での扱い
SEO上級者を目指すのであれば、HTTPステータスコードの理解は必須だ。難しく感じるかもしれないが、それでも非常によくまとまっている。入念に読むことを推奨する。
HTTPステータスコードについてさらに詳しく知りたい人は、次に示す公式のドキュメントも参考にするといいだろう:
グーグルの技術ドキュメントでは、あわせて、ネットワーク エラーとDNSエラーに関しても説明している。こちらにも目を通しておこう。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
グーグル検索SEO情報①
リダイレクトには6種類ある! グーグルが推奨するやり方は?
刷新したドキュメントで詳しく説明 (検索セントラル) 国内情報
リダイレクトに関する技術ドキュメントをグーグルが刷新した。
- リダイレクトの種類
- グーグルがサポートするリダイレクトの構成
を詳しく説明している。
リダイレクトには、大きく分けて次の2種類がある。
- 永続的なリダイレクト ―― 検索結果にリダイレクト先URLの情報を表示
- 一時的なリダイレクト ―― 検索結果にリダイレクト元URLの情報を表示
それぞれのリダイレクトを実装するための方法は、推奨される順に次のとおりだ:
- 永続的なリダイレクト
- サーバー側のリダイレクト
- meta refreshリダイレクト
- JavaScriptリダイレクト
- Cryptoリダイレクト※
- 一時的なリダイレクト
- サーバー側のリダイレクト
- meta refreshリダイレクト
各リダイレクトの詳細はドキュメントで確認してほしい。実装する際のコードの例も掲載している。
- すべてのWeb担当者 必見!
- 技術がわかる人に伝えましょう
「よくある質問」リッチリザルトのちょっとしたTIPS教えます
2件表示への対応 (Brodie Clark Consulting) 海外情報
グーグルの検索結果ページには、「よくある質問」タイプのリッチリザルトが表示される。このリッチリザルトに関する、ちょっとしたTIPSを紹介する。
TIPSの前にグーグルの動きを解説しておく。というのも、この掲載数が1か月ほど前に2件に減ったのだ。以前は3件以上掲載され、「すべて表示」で展開すればマークアップしているすべての質問とその回答を表示できた。2件表示が最も適切だと判断したための変更とのことである。
さて、検索結果に表示される2件のよくある質問はどのように決まるのだろうか? 言い換えると、検索結果に表示したい質問がある場合、どうすればリッチリザルトとして表示させられるのだろうか。
ほとんどの場合、先頭から1つ目と2つ目が選ばれるとの分析を、ブロディ・クラーク・コンサルティングが公開している
つまり、検索結果でユーザーが興味をもつだろう「よくある質問」は、ページ内で構造化マークアップして掲載するうちの最初の2項目にもってくるのがベストと言えるだろう。必要であれば掲載の順番を変更したほうがいいかもしれない。
なお、よくある質問のリッチリザルトに関しては、次のようなことも知っておくといいだろう:
- 1ページ内に2つ以上の項目を構造化マークアップしていないとリッチリザルトとして表示されない
- リッチリザルトは検索結果1ページ目でないと表示されない
- よくある質問のリッチリザルトを導入しているすべてのWeb担当者 必見!
新しいページをグーグルに素早くインデックスさせる10のポイント
グーグル社員が直々にアドバイス (#AskGooglebot on YouTube) 海外情報
グーグルのジョン・ミューラー氏が、新しいページのインデックスに関して動画でアドバイスした。
ミューラー氏は、10個のポイントを次の3セクションで解説している:
- インデックスに関して理解しておくべき基本的なルール
- 新しいページがインデックスまでにかかる時間の基礎情報
- 新しいページがインデックスされるまでの時間を短くするための施策
“言うは易し行うは難し”だが、ちゃんと理解したうえで、ミューラー氏のアドバイスに従ってSEOに取り組んでいこう。
インデックスに関して理解しておくべき基本的なルール
どんなページでもグーグルがインデックスするとは限らない。
たとえば「重複コンテンツのページ」「ユーザーの目にまったくとまらないページ」はインデックスされない。
いったんインデックスされてもユーザーが検索しなければ、インデックスから削除されることがある。
新しいページがインデックスまでにかかる時間の基礎情報
通常は数時間から数週間。
良いコンテンツであればたいていは1週間以内。
技術的な問題やグーグル側の問題で長くなることもある。
新しいページがインデックスされるまでの時間を短くするための施策
サーバーが高負荷にならないようにする。
サーバーの反応が遅くなるとGooglebotはクロール速度を落としてしまう。
新しいページへの内部リンクを目立つ場所に置く。そうすることで、その新しいページが重要だとグーグルが認識できる。
たとえば、ECサイトならば、新商品のページにはトップページからリンクする。
不必要なURLを作らない。重要なページをグーグルが見逃してしまうからだ。
「不必要なURL」とは、たとえば次のようなものだ:
- 文明が起こった紀元前数千年前まで遡れるようなカレンダー
- 絞り込みのパラメータがたくさん付いたECサイト
新しいページのURLをグーグルに伝える。
利用できる手段は次のどちらかだ:
- サイトマップ ―― 複数のURL用
- URL検査ツール ―― 単独のURL用
高品質なサイトに保つ。ユーザーの役に立つコンテンツをグーグルは優先してクロール・インデックスする。
- すべてのWeb担当者 必見!
パフォーマンス測定ツールのWebPageTestがコアウェブバイタルに対応
PSIよりも高機能 (Rick Viscomi on Twitter) 海外情報
ページの表示速度を計測するツールのWebPageTest(ウェブページテスト)がコア ウェブ バイタルに対応した。
トップページで「Web Vitals」タブを選択し、対象のURLを指定して[Start Test→]で検証を開始する。
しばらく時間が経つと結果が表示される。
CLSの値が大きい場合、どこのレイアウトにずれが生じているか赤く示してくれる。
WebPageTestは非常に多くの指標でページパフォーマンスを検証できるのが特徴だ。検証条件も細かく設定できる。グーグルが提供するパフォーマンス測定ツールのPageSpeed Insightsよりもずっと高機能だ。より多くのデータを取得できる。その分上級者向けではあるのだが、コア ウェブ バイタル改善に徹底的に取り組むなら利用するといい。
ただし、WebPageTestのコア ウェブ バイタルの測定(シミュレーションによるラボデータ)は、米ヴァージニア州からのやや旧式のスマホでの検証になるので、日本のサイトはスコアが悪くなる傾向にあるかもしれない。
気になるようならば、トップページで[Web Vitals]ではなく[Advanced Testing]を選び、測定場所を指定するといい(テスト結果が表示されたら上から2つ目のブロックで[Summary]ではなく[Web Vitals]タブに切り替える必要がある)。
- CWV改善がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
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