
グーグル検索結果CTR調査【最新版】―― 1位CTRは19%~38%と業界格差が拡大【SEO情報まとめ】
「グーグル検索1位のCTRは何パーセント?」あなたは答えられるだろうか。業種や検索意図によって違うSERPでの順位ごとCTRを、アドバンスト・ウェブ・ランキングの調査データで学んでおこう。
ほかにも「生成AIの平凡コンテンツに埋もれる」「404→トップページにリダイレクト」「robots.txt再入門」や3月のコアアップデート情報など、あなたのSEO力向上に貢献するネタを、今週もまとめてお届けする。
- グーグル検索結果CTR調査【最新版】―― 1位CTRは19%~38%と業界格差が拡大
- あなたのコンテンツが、生成AIによる「平凡コンテンツ」の大量生産で埋もれてしまう!?
- 404ページをすべてトップページに301リダイレクト ← これアリ・ナシ?
- 【robots.txt再入門】 グーグル検索セントラルブログがrobots.txtを学べる新シリーズを開始
- グーグル、2025年3月のコアアップデートを実施
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今週のピックアップ
グーグル検索結果CTR調査【最新版】―― 1位CTRは19%~38%と業界格差が拡大
第3四半期の3倍 (Advanced Web Ranking) 海外情報
グーグル検索のクリック率(CTR)を2024年第3四半期と2024年第4四半期とで比較分析した結果を、Advanced Web Ranking(アドバンスト・ウェブ・ランキング)が公表した。
検索結果ページでの順位別CTRは、検索によって異なる。そのため調査では、業種や検索タイプでセグメントを分けて傾向を示している。
業種間でのギャップが広がる
CTRの傾向は業界によって大きく異なった。たとえば、次の2業種では1位のCTRに顕著な差が現れた:
- 「科学」分野での1位のCTR ―― 19.06%
- 「法律、政府、政治」分野での1位CTR ―― 38.45%
この例に見られるように、業界間のCTRギャップが大幅に拡大している。前出の2業界間のギャップは、前四半期には5.96パーセントポイント(pp)だったのに対して、2024年第4四半期では19.39パーセントポイントとなっており、3倍以上に拡大している。
※以下、「pp」としてしているのはパーセントポイント。CTRが50%だったのが40%になった状態を「10ppの低下」と表す。
全業種の全体的なCTRに関しては、次の変化にレポートは言及している:
- デスクトップの1位は1.15pp増加
- モバイルの2位は1.22pp減少
インフォメーショナルクエリではAIOの影響でCTR減少か
情報検索クエリでのCTRは、PC検索の上位4位で合計7.31パーセントポイントの減少を示した。この減少は、「グーグル検索結果におけるAI Overview(AIによる概要)の普及率が第3四半期から第4四半期にかけて平均8.83pp増加した(33.68%から42.51%に)」ことと一致している。AI OverviewがPCでの情報検索のオーガニッククリック率に影響を与えている可能性を示唆している。
一方で、商業系検索クエリでのCTRに関しては、1位は大きな変動がなかった。2位のPCランキングのみがわずか1.06ppの減少を経験した。
地域系検索でのCTRも、1位の変動は最小限だったが、デスクトップでの2位で2.10pp、と3位で1.25ppという減少だった。
検索需要の増減も業種による
冒頭で触れたように、CTRの傾向は業界によって異なった。変動は多くの場合、検索需要の変化にも関係していると思われる。
検索需要が増加した業界の一部は次のとおりだ:
- キャリア:
- 検索需要が急増: +334.36%
- PC検索で上位3位のCTRが低下: -4.34pp
- モバイル検索で1位のCTRが増加: +1.46pp
- ショッピング:
- ブラックフライデーとホリデーショッピングにより、検索需要が増加: +142.88%
- 需要の増加にもかかわらず、CTRは低下:
- PC検索で1位のCTRが低下: -1.39pp
- モバイル検索で1位のCTRが低下: -1.96pp
- 法律、政府、政治:
- 検索需要が増加: +68.66%
- CTRが増加(全体のなかで最大の変化):
- PC検索で1位のCTRが増加: +7.39pp
- モバイル検索で1位のCTRが増加: +6.96pp
検索需要が減少した業界の一部は次のとおりだ:
- 科学:
- 全体的な検索需要減少: -37.63%
- PC検索で1位のCTRが低下: -6.03pp
- テクノロジー&コンピューティング:
- 検索需要が減少: -20.05%
- PC検索で1位から3位までのCTRが低下: 合計-5.26pp
- 健康&フィットネス:
- 検索需要が減少: -7.20%
- PC検索で1位と2位のCTRが低下: -3.06pp
- モバイル検索で1位のCTRが増加: +1.67pp
この調査を通じた全体の変化を、Advanced Web Rankingは次ように考察している:
業界間のCTRの差は拡大し続けており、法律や政治など一部の業種では大幅な成長が見られる一方で、科学やテクノロジーなどでは減少している。
AI Overviewは情報検索クエリに影響を与えており、上位のオーガニックCTRの低下につながっていそうである。
検索需要が増加している業界は、必ずしもCTRが高くなるわけではなく、競争やSERPの変更が可視性に影響を与えている可能性がある。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報①
あなたのコンテンツが、生成AIによる「平凡コンテンツ」の大量生産で埋もれてしまう!?
品質分布のベルカーブの変化から見えてきた現状 (SEO for Google News) 海外情報
生成AIが「オンラインコンテンツの品質分布」をどのように変化させているかについて考察した記事を紹介する。Googleニュースを専門にするSEOコンサルタントのバリー・アダムス氏によるものだ
生成AIが登場する前、オンラインコンテンツの品質は標準的なベルカーブ(正規分布)の分布を示していた:
左側は、質の低いコンテンツ(主に検索エンジンを騙す目的で機械的に生成されたもので、実際に人間が読むことを想定していない)
中央の膨らみが、平凡なコンテンツ。多くはここに分類される(低賃金のフリーランサーが制作した、特に深い洞察のないもの)
右側が、質の高いコンテンツ(通常、高い権威性を持つウェブサイトで公開されたもの)
しかし、生成AIが平凡なコンテンツを大量生産することで、この分布が大きく変わっていく:
大規模言語モデル(LLM)は、利用可能なウェブコンテンツ全体を定性的なフィルタなしで学習する
これらのモデルは、低品質から高品質まであらゆるコンテンツを吸収するが、内容の質を見極める能力はない
LLMは意味を理解せず、新たな洞察を生み出すこともできないため、出力されるコンテンツは本質的に平凡なものになる
その結果、ベルカーブは変化し、平凡なコンテンツが分布の大部分を占めるようになる
このように変化した環境では、次のような現象が起こるとアダムス氏は言う:
低品質のコンテンツは、平凡な生成AIコンテンツに置き換えられる
ベルカーブの「平凡なコンテンツ」の膨らみが拡大し、「低品質コンテンツ」の領域をほぼ飲み込む
人間が作成したものであれ、AIが生成したものであれ、インターネット上の大部分のコンテンツが平均的な水準にとどまる
もはや「それなりに良い」コンテンツでは競争に勝てない
では、いずれそうした状況になることをふまえ、ブログやメディアを運営している人はどうすればいいのだろうか。アダムス氏は次のように主張する:
パブリッシャーは、この「平凡なコンテンツの洪水」のなかで目立つために、より一層努力する必要がある
注目を集めるには、ベルカーブの右端に位置するような高品質なコンテンツを作る必要がある
「より優れたコンテンツ」「より強い情報価値を持つコンテンツ」ほど成功しやすい
「卓越したコンテンツ」を作ることは難しいし、高いコストがかかる。しかし、新しい情報を発掘し伝えていく努力が不可欠となる
生成AIの普及で、そこそこのコンテンツ作成が容易になっている。生成AIには作成できない付加価値のあるコンテンツがさらに重要になってきているということだ。
- すべてのWeb担当者 必見!
404ページをすべてトップページに301リダイレクト ← これアリ・ナシ?
ナシ、存在しないなら404を返すのは当然 (Google Search Central on YouTube) 海外情報
404ページをすべてトップページに301リダイレクトすることは、検索ランキングやウェブサイト全体のパフォーマンスに悪影響を与える可能性がありますか?
グーグルのマーティン・スプリット氏がこの質問にショート動画で回答した。
404ページをすべてトップページにリダイレクトすると、以下の2点で問題になる可能性がある:
- 検索に悪影響を与える場合がある
- ユーザーをイラつかせることにもなる
404は、「リンクが間違っている・壊れている」「そのURLがもはや存在しない」ことを示す非常に明確なシグナルだ。製品が存在しなくなったか、ウェブサイトの動作が変更された可能性がある。
ページにアクセスしようとして404エラーが(わかりやすく)表示されたら、ユーザーは自分がどういう状況にあるかがわかる。しかし、トップページにリダイレクトされてしまったら、ユーザーはとまどってしまうだろう。
いっぽうクローラーの観点でみると、404はクローラーにとっては「行き止まり」を意味する。
クローラーは通常、まずサイトのトップページに行き、そこからリンクをたどってウェブサイトをクロールし、コンテンツを見つけていく。最終的に、存在しないURLに遭遇すると、そのルートの探索を終えて他の場所に移動する。
しかし、404ページをリダイレクトしていると、末端ページまでいったクローラーがリダイレクトされて、また最初からやり直すことになる。クローラーにとっては、このリダイレクトは何の役に立たない。
ユーザーに対しても、「そのURLのコンテンツは(何らかの理由で)存在しない」ことがわかるようにすることが重要だ。そうすれば、コンテンツが削除されたのか、どこか別の場所に移動したのかだとわかる。
もし「どこか別の場所に移動」したのなら、リダイレクトを使用するといい。だけど、「コンテンツを削除」したのなら、トップページや最も近いと思われる場所にリダイレクトしてはいけない。もはやそこにないのなら、「ない」ことを示すのがいい。
404を返すことは、クローラーに対して「そこにクロールの労力を費やして無駄にしないように」指示するための明確なシグナルだ(もちろんユーザーに対しても同じ役割を果たす)。
存在しないものは、そのまま404にしておくのがいい。
存在しないURLにアクセスした場合に404を返すのは定められたウェブの仕様だ。むしろ、存在しないのに404以外を返すことが規則に沿っていないとも言える。
ただし、HTTPステータスコードで404を返したうえで、404を発生させたURLに応じてユーザーに代替案を提示するのは、悪くない。リダイレクトするのではなく、「そのページはもう存在しない」ことを明示したうえで、「でも、こちらはいかが?」という提案だ。
- 廃盤になった商品のURLならば、近い商品を提案する
- カテゴリが再編されているならば、近いカテゴリを提案する
などなど、UXを改善するためにできることは、いろいろあるだろう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
【robots.txt再入門】 グーグル検索セントラルブログがrobots.txtを学べる新シリーズを開始
SEO初級者にもわかりやすく (グーグル 検索セントラル ブログ) 国内情報
robots.txtについて学ぶ新シリーズが、グーグル検索セントラルブログで始まった。もちろん日本語だ。
導入編に続く(実質的な)1回目の記事では、robots.txtの記述方法の基本を学べる。
robots.txtの詳細は技術ドキュメントにも解説があるが、初級者にとって技術ドキュメントは難しく感じられるかもしれない。ブログ記事で少しずつ学んでいくと理解しやすいだろう。
robots.txtの利用は遅かれ早かれサイト管理で必要になってくる場面が訪れる。「自分はrobots.txtに精通している」と胸を張って言える自信がない限りは、このシリーズで学習しておきたい。
- robots.txtに詳しくないすべてのWeb担当者 必見!
- 技術がわかる人に伝えましょう
グーグル、2025年3月のコアアップデートを実施
クリエイター尊重の取り組みを継続 (Google Search Central on LinkedIn) 海外情報
グーグルは、2025年3月のコアアップデートを3月13日に開始した。2025年1回目のコアアップデートだ。展開の完了までには最長で2週間程度かかる。
アップデートの中身については特筆すべき点はない。通常のコアアップデートだ。次のようにグーグルは述べている:
これは、あらゆる種類のサイトからの検索者に関連性が高く、満足度の高いコンテンツをより適切に表示するために設計された定期的なアップデートです。
通常のコアアップデートではあるが、アナウンスとともに発せられた次のメッセージには注目したい:
一連の改善を通じて今年は、クリエイターからのより多くのコンテンツを表示するための取り組みも継続しています。すでに実施されたものもあれば、今後追加されるものもあります。
グーグル検索はここ数年ブラント偏重だとの批判を集めている。小規模、独立系サイトはコンテンツ品質にかかわらず受難の時代に突入している。
そこで、「サイトの規模や有名度に左右されることなくコンテンツクリエイターを尊重し、ユーザーにとって本当に役に立つコンテンツを平等に評価できる」ように検索システムの改良にグーグルは取り組んでいるのだ。今年こそはグーグルに期待したい。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
ソーシャルもやってます!