サイト改善案を「この広告は止めてOK」「このリンクを強調して」と提案するアクセス解析「DuraSite-Analyzer+」をアクセリアがリリース

サイトの改善方法をシステムが自動的に提案する「コンシェルジュ機能」を搭載したアクセス解析ツール

アクセリア株式会社は、Webサイトの改善方法をシステムが自動的に提案する「コンシェルジュ機能」を搭載したアクセス解析ツール「DuraSite-Analyzer+」のサービス提供を8月3日に開始したと発表した。

改善提案してくれるアクセス解析「DuraSite-Analyzer+」

「DuraSite-Analyzer+(デュラサイト アナライザー プラス)」は、同社が2009年11月から提供しているアクセス解析サービス「DuraSite-Analyzer」に、コンシェルジュ機能を追加してバージョンアップしたもの。

今回搭載された「コンシェルジュ機能」は、アクセス解析のデータをもとに「コスト」「集客」「動線」の3つの視点で改善ポイントを提案するもの。問題が指摘されたページでは、自動的にDuraSite-Click!(後述)と連動してヒートマップを表示する。

Web担当者は、コンシェルジュ機能が提案した改善ポイントの提案理由やヒートマップのデータを参考にサイトを改善していくことで、時間やコストを大幅に軽減しながらも、効果的なサイト改善が行えるとしている。

コスト最適化:広告やリスティング広告の効果を解析し、7種類の改善案を提示	継続的に直帰率の高い広告やリスティングキーワード	自然検索による流入がリスティング広告を大幅に上回るキーワード	コンバージョン率が継続的に低いキーワード	興味をもたれているキーワードやコンバージョン率が高いキーワード
集客の最適化:LP(入り口ページ)の効果やユーザのアクセス導線を解析し2種類の改善案を提示	コンバージョン率が継続的に高い入り口ページ	ユーザがサイト平均よりも多くのページを継続的に見ているページ
アクセス導線の最適化:ユーザのアクセス導線を解析し5種類の改善案を提示	継続的に離脱が高く離脱時の滞在時間が10秒以内が多いページ	ページを改善することによりコンバージョン数をあげられるページ	コンバージョン率が継続的に高いリンク
「この経路は継続的にコンバージョン率が高いようです。このリンクを目立たせることにより、より多くのコンバージョンにつなげられる可能性があります」
「このリスティング効果は効果が出ておりますが、自然検索による流入もその10倍以上あるため、流入数増大を見込んだものであれば、廃止しても同等の流入数を見込める可能性が高いと考えられます」
「この入り口ページはサイト平均と比べ継続的にコンバージョン率が2倍以上である傾向があります。広告や外部リンクにてこのページに集客することをお勧めいたします」
このリスティング広告は直帰率が継続的に高いようです。直帰率が高い原因は、誘導先のページの内容とキーワードがあっていない可能性があります。リスティングのワードを変更するか、誘導先を変更するか本広告自体を廃止されてはいかがでしょうか

これらの改善に関して、管理画面から対応状況を入力していくことで、履歴を追って改善効果を検証し、評価してくれる。また、この履歴は、担当の引き継ぎ時などにも有効に利用できる。

施策結果を自動検証	施策ごとに異なる指標で施策を検証	効果をはっきりと提示	導線の改善時は施策後もヒートマップを自動で取得
過去の施策が一目瞭然	担当者が変わっても過去の対策とその効果が分かる
「○年○月○日の施策は 効果が出ています!CV数が○○増加」

現時点では、システムが提案する改善案は上記の14種類だが、これは今後も追加されていく予定だという。

コンシェルジュ機能を利用するために、Web担当者はコンバージョンURLを事前に指定しておくが、指定しなくても、「ユーザーが興味をもっているページ」は提示される。また、リスティング広告の分析のためには、利用している広告システムごとに、判別パラメータをDuraSite-Analyzer+の管理画面で登録しておく必要がある。

DuraSite-Analyzer+は、PCサイト向けだけでなく、モバイル解析にも対応するアクセス解析サービスで、PC向けはビーコン型、モバイル向けはログファイル解析型となる。Google Analyticsと同様に、ブラウザで管理画面にアクセスして利用するSaaS型のサービス。

初期費用はPC向けが5万円、モバイル向けが5万円。利用料はPV数に応じた月額料金制で、月額15万円から(月間100万PVまでの場合)。

セグメント化や時系列で見られるヒートマップ「DuraSite-Click!」

さらに同社は、ヒートマップ機能も大幅に機能を拡張し、今回新たに「DuraSite-Click!(デュラサイト クリック!)」としてサービスを開始した。

「DuraSite-Click!」は、ヒートマップ(サイト訪問者がページ内のどこをクリックしたかをサーモグラフィ風に可視化するツール)。クリック状況を新規ユーザーとリピートユーザーなどの属性で絞り込んだり、クリックされた時間に従ってクリックをアニメーションで再現したりできる。

DuraSite-Click!の実装している機能や特徴は次のとおり。

  • フィルタ機能
    • ユーザー属性(訪問回数やゴール到達者に限定)
    • 訪問間隔(訪問間隔をグルーピング)
    • 誘導経路(流入経路を色分け:今後実装予定)
  • 比較機能
    • 期間比較(対前週、前年同月、月での変遷)
    • 広告誘導比較(広告出稿先ごとなど広告別にヒートマップで比較)
  • シミュレーション機能
    • 時刻シミュレーション(いつクリックされたのか)
    • クリックシミュレーション(ページ表示から何秒後にクリックしたか)
    • 期間指定コントロール(期間指定や期間合算)
  • その他
    • 印刷
    • 定量データ(ドラッグした枠内に何クリックあったかの数をカウント)
    • 拡大・縮小・濃さ・透明度
    • どのページでヒートマップを取得するかをWebの管理画面からON/OFF管理

こうした機能により、社内外に対して説得力のあるレポート作成したり、広告効果測定の新たな指標として利用したり、Webページ改善の検証をしたり、ページ表示時点から時間で動的に変化するページの解析(動画、Flashなど)などに利用することを想定しているという。

DuraSite-Click!もビーコン型だが、DuraSite-Analyzer+のタグを挿入済みであれば、特別にサイト側にタグを追加することなく解析が可能。

初期費用は9万8,000円、月額料金は19万8,000円から(100URLまでの場合、インプレッション数にかかわらず)。DuraSite-Analyzer+の契約利用者は、3URLまで無料でヒートマップを表示可能。

HARMONY石井氏が監修した「答への道を示す」システム

アクセリア株式会社 代表取締役社長 牧野 顕道氏
アクセリア株式会社 代表取締役社長
牧野 顕道氏

同社 代表取締役社長の牧野 顕道氏によると、DuraSite-Analyzer+は、「解析してサイトを改善していかなければいけないことは理解しているが、Google Analyticsからデータを分析していくのは厳しい人」に向けた、新しいタイプのアクセス解析サービス。

アクセリアは、負荷分散ネットワーク網サービスによって大量のWebコンテンツを高速かつ安定的に配信するCDN(コンテンツ配信ネットワーク)システムを中心としたサービスを提供してきている企業。データ解析をより高速に行うと解析ツールとして2009年11月にDuraSite-Analyzerをリリースし、当初からヒートマップ機能を搭載するなどしていたが、「解析ツールは分析するだけでは意味がない」として、今回さらに機能を追加したもの。

同社では、従来のアクセス解析システムの課題として、

  • 多くのデータが表示されており、どのデータを改善に活かせばいいかがわからない
  • 複数のデータを組み合わせて有効な情報を作り出す必要がある
  • サイト改善に有効な情報が埋もれてしまっている

といったものがあり、アクセス解析を熟知している担当者でなければデータを読み解けず、アクセス解析が難しいものになってしまっていると判断。そこで、今回のDuraSite-Analyzer+では、

  • 必要な情報をいかに簡単に取得できるか
  • 情報をいかに理解しやすくするか

を主軸として開発したため、面倒なドリルダウンなどの作業をせずとも深い分析が可能になっているという。また、解析結果をわかりやすく視覚化するために、経路図やポートフォリオズをビジュアルに表示するとともに、DuraSite-Click!(ヒートマップ機能)を統合している。

今回の機能改善においては、HARMONY社の協力を得ており、アクセス解析業界で古くからコンサルティングや解析サービスを行っている石井 研二氏が監修している。

また、同社の得意とするコンテンツ配信ネットワーク(CDN)の技術により、DuraSite-Analyzer+のビーコンサーバーは負荷分散されており、応答速度や耐障害性は高いレベルで確保されていることも、サービスの特徴となっている。サービス利用者向けのSLA(サービスレベル契約)は設定されていないが、データセンター内の監視システムでは、応答時間が10ミリ秒を超えると警告が発せられるレベルでのパフォーマンス管理がなされているということだ。

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