デジタル広告の透明性、人材育成、働き方改革など、JAAが2019年度活動方針を発表
日本アドバタイザーズ協会(以下、JAA)は、4月16日(火)に都内で事業報告会を行い、2019年度の活動方針や各委員会による2018年度の活動報告が行われた。
JAAでは、2019年度活動方針を次のように掲げている。
- 関係者顕密なコミュニケーションによる連携強化
- デジタル広告における課題の抽出と解決に向けた取り組み
- グローバル視点の強化
- 人材育成と知見の共有
事業報告会に先立ち、JAA 理事長の伊藤氏(味の素)から挨拶があった。
伊藤氏は、「地上波テレビの広告費、1兆7,848億円(前年比98.2%)とインターネット広告費、1兆7,589億円(前年比116.5%)が並んだ」ことに言及。また、「日本の総広告費は、6兆5,300億円(前年比102.2%)で7年連続でプラス成長である」と述べた。
総広告費が伸長する一方で、デジタル広告の透明性に関しては課題があると指摘。日本インタラクティブ広告協会(以下、JIAA)とも連携を図りながら、インターネット広告の価値向上、従来のマス4媒体の視聴価値向上などの活動を進めていくとした。
デジタル広告に関する活動を行っている、デジタルメディア委員長の山口氏(パナソニック)からは、以下、3点について活動報告が行われた。
1 デジタル広告取引の透明化
デジタル広告の透明性を阻む問題として、アドベリフィケーション、ブランドセーフティ、アドフロード、ビューアビリティがある。現時点で、広告主側の意識調査を実施し、その結果を基にセミナーなどの活動を通じて啓もう活動を図るという。
2 Global Media Charterの日本語版作成
「Global Media Charter(グローバルメディアチャーター)」という原則をWFA(世界広告主連盟)が発表した。これは、デジタル広告における諸問題を、広告主だけでなく、プラットフォーマーが守るべき原則として示したパートナーシップの8大原則である。
日本版は、2018年6月に発表され、JAAのサイトでダウンロードできる。
http://www.jaa.or.jp/wp-content/uploads/2018/08/711d336a3f25e8cf0579aeb39cd0bd541.pdf
パートナーシップの8大原則を紹介すると、以下の通り。
- アドフラウドへの断固たる対応/不正行為には返金を要請
- 厳格なブランドセーフティ基準の確立
- より高いビューワビリティ基準を目指す
- サプライチェーン全体の透明性の確保
- 信頼性確保のためのメディアの検証と測定は第3者が原則
- 「ウォールド・ガーデン(注)」内のオーディエンスデータの開示
- オーディエンスデータ利用の透明性の基準向上
- デジタル広告の消費者体験の満足度向上を目指す
3 広告効果測定の可視化
JAAでは、テレビCMとデジタル広告とを一括把握できる新指標を開発した。流通企業との商談用の共通指標として活用してもらうことを目的としている。現在、JAAのサイトで、会員限定でダウロードが可能となっている。
「延べCM表示回数」推計ツール利用規約
http://www.jaa.or.jp/grp/calc/index.html
さらに活用されるように、啓もう活動を行うほか、広告効果を正しく評価する方法を模索していくとした。
本事業報告会には、JAA理事長の伊藤氏の他、各委員会の委員長らが出席。各委員長より活動報告が行われた。
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