働き方改革でかえってストレス増えた！　過半数が「働きやすくなったと感じない」【Dクリニック調べ】

Dクリニック東京 メンズおよびDクリニック大阪 メンズ（医療法人社団ウェルエイジング）の男性更年期専門外来は、「働き方改革と健康に関するアンケート」の結果を発表した。働き方改革がなされている会社に勤務する20代～50代男性500名から回答を得ている。

2019年から、「働き方改革関連法案」の一部が施行されたが、実際に働きやすくなったのか、ストレスは減ったのかなどについて、改めて質問を行った。

長時間労働是正や有給推進、具体的に改善されたのにストレスは増えた

まず「現在勤めている会社で、どのような働き方改革がされたか」を聞くと、「有給休暇取得の推進」62.7％、「長時間労働の是正」62.0％がツートップ。やや数字が離れて「ノー残業デーの導入」44.4％が代表的な施策と言える。

続いて「働き方改革以降で、逆に残業時間が増えましたか」「働き方改革により、正直働きやすくなったと感じますか」と、赤裸々な実状をストレートに聞くと、残業時間については「どちらかというと減った」「とても減った」の合計が73.0％に達したが、働きやすさについては「働きやすくなったと感じない」が半数以上の53.8％と上回った。感覚的には、働きやすさを実感できるまでには至っていないようだ。

働き方改革以降、仕事で感じるストレスについても、「とても増えた」11.6％、「どちらかというと増えた」38.4％で、半数がむしろストレスを増加させている。年代別では30代の「とても増えた」が目立つ。

機能していないノー残業デー、翌日のしわ寄せに3人に1人が不満

そこで、労働時間、システム・制度、業務量、給与のそれぞれに対するストレスを、具体的に聞いた。

「労働時間に関して感じるストレス」を具体的に聞いてみると、「ストレスを感じていない」23.2％が存在する一方、「ノー残業デーの翌日、そのしわ寄せがくる」36.4％という意見が、それを上回った。「仕事の自宅持ち帰り」や「タイムカード打鍵後の残業」など、旧態依然とした不満も多い。自由意見では、「サービス早朝出社をしている」「監視状態になっている」といった声もあった。

一方「システム・制度に関して感じるストレス」では、「ストレスを感じていない」38.8％方が多数派。「導入したシステムが煩雑でかえって時間がかかっている」26.8％がそれに続いた。

 「業務量に関して感じるストレス」では、「残業ができないのに業務量が変わらない」46.4％が断トツで、“残業規制をするだけではかえってストレスの元になりかねない”という現場の切実な実状がうかがえる。

そして「給与に関して感じるストレス」では、「残業時間が減ったので残業手当がつかない」43.6％、「税金が上がったのに残業時間で残業代が稼げず、生活が窮屈に感じる」35.6％が上位となった。

個々人への影響はおおむね良好、しかし悪影響では“男性更年期障害”の可能性も!?

こうした働き方改革の影響を、「心」「身体」「家庭」それぞれで尋ねると、

• 「心」へ　「良い影響があった」26.4％、「悪い影響があった」24.8％
• 「身体」へ「良い影響があった」28.2％、「悪い影響があった」18.8％
• 「家庭」へ「良い影響があった」28.2％、「悪い影響があった」11.6％

だった。いずれの面も「よい影響があった」の回答数が多く、働き方改革は個々人への影響はおおむね良好といえる。

なお、国際的に用いられる男性更年期障害のセルフチェック「AMSスコア」にも同時回答してもらった結果、「軽度・中等度・重度の男性更年期障害の可能性」があるのは57.6％と、半数を超えていた。「中等度・重度の男性更年期障害可能性」41％を当てはめると、日本国民の20代～50代男性は3,130万人（総務省調べ）であるため、約1,200万人超に、男性更年期障害の疑いがあるという。同調査では、「働く男性の“働き方改革副作用”とも言える現代ならではのリスクが見える」と指摘している。

調査概要

• 【調査対象】20代～50代の男性社員
• 【調査期間】2019年10月18日～20日
• 【回答者数】500名（一般社員250名、役職者250名）