デジタル庁が、9月1日に発足した。初代デジタル相に就任した平井卓也氏は1日、デジタル庁Webサイトに公開したメッセージで、「『誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化』を目指し、継続的にデジタル改革を推進して世界に誇れる日本の未来を創造していく」と抱負を述べている。国や地方公共団体、民間事業者、世界中の関係者を巻き込みユーザーの体験価値を最大化するスタートアップのような組織を目指す。
メッセージでデジタル庁は、①行政のデジタル化②医療・教育・防災、産業社会全体のデジタル化③誰もが恩恵を享受できるデジタル化――の3つの柱に重点的に取り組む、と表明した。役所に行かなくてもスマートフォン1つであらゆる行政の手続きがオンラインでできる社会を作るため、システムの統一・標準化とデジタル化の基盤となる「マイナンバーカード」の普及を推進する。
また、オンライン医療・教育を実現して暮らしを便利に変え、公的機関に登録・公開された基本データの「ベースレジストリ」を広く共有して新しい雇用や投資を生み出し、成長する経済社会を作る。年齢や地域、経済状況によらず全国民が情報にアクセスして恩恵を享受できるようにする。日本流のデジタル化を武士道になぞらえて「デジ道」と呼び、「職員一人ひとりがデジタルで人助けするデジ道に忠実に課題解決に取り組む」とした。
9月1日にリモートで行われたデジタル庁発足式で菅義偉首相は「新型コロナ感染症への対応の中、行政サービスや民間のデジタル化の遅れが浮き彫りになった。強力にリードする司令塔が必要との思いでデジタル庁の創設を決断した。行政サービスの電子化の遅れ、バラバラな国と自治体のシステムなど課題がたくさんある。行政のみならず、我が国全体を作り変えるくらいの気持ちで知恵を絞っていただきたい」と述べている。
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