iOS 14の「ATT」に関するレポートが公開、オプトイン率は4割超に【AppsFlyer調べ】

ATT導入によりアプリインストール広告費やゲームアプリの収益が減少傾向。

AppsFlyerは、Appleの「iOS 14」と「ATTフレームワーク」に関するレポート「ATT Dashboard」を発表した。

「ATTフレームワーク」(App Tracking Transparency Framework)は、2021年4月26日公開の「iOS 14.5」と同時に導入された管理機能。ユーザーの個人情報保護を目的としており、広告識別ID(IDFA)の取得など、アプリごとにユーザーが許諾を行わないと、クロスサイト・クロスアプリのトラッキングが行えないようになった。

なおiOSの最新版については、セキュリティ面での問題を解消した「iOS 14.8」および「iPadOS 14.8」が9月13日より公開中だ。また「iPhone 13」の発売に合わせ、「iOS 15」が9月21日に公開された。

参考About the security content of iOS 14.8 and iPadOS 14.8 - Apple サポート (日本) https://support.apple.com/ja-jp/HT212807
参考iOS 15 - Apple(日本)

ATTオプトイン率は、世界で47%、日本で43%

それによると、8月24日までに「iOS 14.5」にアップデートしたユーザーは、世界で71%、日本で85%だった。ATTフレームワークを実装したアプリデベロッパーは、世界で41%。そのうちATTを全面的に実装しているデベロッパーは約59%、部分的に実装しているデベロッパーは約41%だという。

ポップアップでアプリによるトラッキングを許可したユーザーの割合を示す「ATTオプトイン率」は、世界で47%。日本は43%とさらに低い水準だった。

世界・アプリ全体のデータ
日本・アプリ全体のデータ

なおiOSにおけるアプリインストール広告費は、直近約2か月間は大きな変化がないものの、ATTフレームワーク導入前(4月26日前)と比較して、世界全体で18%減少したという。アップデートの増加にともない、アプリインストール広告費を減らした企業が多かったとみられる。

また過去1か月間において、iOSのゲームアプリの収益がATT導入前と比較して約30%減少していた。特に、カジュアルゲームジャンルが60%減少しており、ATTフレームワークやAppleが提供する計測ツール「SKAdNetwork」に順応できていないためと考えられる。

調査概要

  • 【調査ジャンル】全体(全アプリジャンル)、ゲーム(サブジャンル別)、ショッピング、ファイナンス、ソーシャル、エンターテイメント、写真、フード&ドリンク、ライフスタイル、トラベル、ヘルス&フィットネス、教育
  • 【調査対象国】米国、英国、ドイツ、フランス、ロシア、トルコ、日本、韓国、オーストラリア&NZ、中国、インド、ベトナム、ブラジル、メキシコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦
  • 【調査時期】2021年3月12日~8月24日
  • 【アプリデータ】3,000以上
データサンプルについて
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