日本俳優連合が「インボイス制度」のストップを要望、「施行できる状態ではない」

映像作品の二次使用料分配で「課税事業者と免税事業者を分ける費用や周知時間がない」

俳優・声優らが所属する協同組合、日本俳優連合(西田敏行理事長)は、2023年10月予定の「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」の施行ストップを要望する声明を11月15日に出した。7月4日の声明に次ぐもので、低所得者層に大きな経済的打撃と事務的負担を課すため施行できる状態ではなく、年収1000万円以下の免税制度の継続を訴えている。

日俳連は、映像作品の二次使用料を徴収して出演者に分配している。対象作品の数が膨大で対象者は毎年延べ数万人に及び、組合員を課税事業者と免税事業者に分ける新たな費用と時間が必要になる。税務署に対応を相談したが回答には1カ月かかり、税務署の回答を待って対象者に周知して手続きを済ませるには時間がなさすぎるという。

また、インボイスの課税事業者検索サイトで「課税事業者番号」を検索すると、芸能人や文筆家、スポーツ選手など屋号を用いる職業の本名が分かるため改善を要望したが、システム改修後もデータのダウンロードが可能だ。屋号から登録番号は検索できるが本名は検索者に分からないシステムが必要で、現在のシステムでは不十分と指摘する。

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