株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインにおけるWebマーケティングの現場 (1/3) -ECサイトのKPIについて-
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Webインテグレーション事業を展開する株式会社マイクロウェーブが、大手Webサイトご担当者様と対談を行い、Webサイト運用における成功事例や失敗事例、今後の取り組みについて語ります。
EC市場の伸びが注目されるなかで、220万人の会員を誇るゴルフ業界の最大手ECポータルサイト(※)を運営する株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン(以後、GDO)。
リテールビジネス、ゴルフ場ビジネス、メディアビジネスの3つの事業から成り立つ同社は、「GDOトライシクルモデル」という独自のビジネスモデルを構想し、2000年設立当初より常に革新的な取り組みを行いながら、ゴルフライフのトータルサポートを目指しサービスの提供を行っています。
インターネットでゴルフのワンストップ・サービス(知る、買う・売る、予約する、学ぶ、楽しむ)を実現し、競合も多い中で業績の伸びが続く同社のリテールビジネスユニット 総合戦略部 部長の寺岡 様に、Webだけでなくリアルも含め収益を上げていくための運営ノウハウについてお伺いしました。
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【対談index】
第1回: ECサイトのKPIについて
第2回: 新規獲得のための施策について
第3回: 既存育成のための施策について
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1.ECサイトのKPIについて
寺岡様の業務内容について
――まずは、寺岡様の業務内容についてお伺いできますでしょうか。
私が所属するリテールビジネスユニットでは、新品・中古品のゴルフ用品販売を主に行っています。 私のミッションは、主に新品ゴルフ用品販売において、P/L管理や、集客・販売戦略などのマーケティング戦略立案、商品を仕入れる際に誰に何をどのように販売していくかという方針を元にMD計画の立案を行っています。
また、急速にシェアが拡大しているスマートフォンユーザー向けの戦略マネジメントや、ビジネスユニット全体運営に関わる業務設計、組織設計などの業務も行っています。
――様々な業務を横断的に行っていますね。
部門としては、私が担当している総合戦略部と商品部に分かれていますが、あまり組織に縛られることなく、横断的に業務を行っています。
商品部はメーカーとのリレーションをうまく取りながらビジネス推進することに軸足を置いていますが、現時点の事業規模では、総合戦略部と商品部が横断的に連携する方が業務スピードも保てますし、GDOのスタイルとしても合っていると考えています。
ECサイトのKPIについて
ページビュー(以後PV)、ユニークユーザー(以後UU)は週次、月次で追っています。特に最近は、スマートフォンのシェアが急激に伸びてきているため、スマートフォン、ガラケー、PCなど端末別の傾向についても見ています。
また、コンバージョンレートを高める施策検討に向けたKPI(重要業績評価指標)の整備も行っています。どの導線の流入が一番多いか、どこがボトルネックとなっているかなどといった分析モデルを再構築し、新たにデータを取り直し、得られた知見を元に、四半期から半年くらいのスパンでサイトの開発改修に取り組んでいます。
――LTV(顧客生涯価値)という指標は追っていますか?
LTVではないですが、年間の平均購買単価を追っています。
本来はLTVを踏まえた上でのマーケティング設計が必要だと考えていますが、生涯期間で見るのか、ゴルフ用品の新商品投入周期である2,3年で切っていくかなどの定義も含めて、今後の検証項目に入れていきたいと考えています。
――確かに定義が難しいですよね。ゴルフ商材独自の期間設定が明確化されると、御社独自の強みになるんでしょうね。
会員の離反が多くLTVが低い会社では、LTV最大化のために会員の離反防止施策も重視して行っているところもありますね。
弊社は会員の離反は比較的少なくLTVも高めであると感じています。他社様ではどのようなことを行っているのでしょうか?
――例えばEC専業会社でもメルマガだけでなくDMを扱っている企業もあります。ある雑貨系ECサイトの運営会社様は、RFMの上位層に対して、特別感、限定感を演出したDMを四半期に1度のペースで配信して送付しています。
一回送ると1億の売上に繋がると聞いています。休眠顧客を引き上げるよりも、強い層を更に伸ばすという戦略です。
店舗と比較したGDOの強みについて
――大手量販店などの店舗と比較したGDOの強みはどのようなところだと捉えていますか?
「価格競争力」と「品揃えの豊富さ」であると考えています。
価格については、震災後、量販店も含めた価格競争が激化しているということもあり、単純な値下げだけではない価値提供についても検討しています。品揃えについては、取扱いブランドの網羅性だけでなく、取扱商品のサイズや色展開についても気を配っています。
比較的ニッチなブランドも取り扱いさせていただいており、ロングテールニーズにお応えできると良いなと考えています。
部門体制とスタッフ構成について
――設計したKPIをもとにアクセス解析を行う部門は別にいらっしゃるんですか?
情報活用推進部という部門が、ログ解析ツールの設計を行っており全事業のログデータ・購買データなどの蓄積、活用を推進しています。
解析作業自体は各ビジネスユニット主体で行っています。
――ビジネスユニットの部門構成をお伺いしてもよろしいでしょうか。
EC運用、総合戦略部、商品部、中古品販売の各部門から成り立っています。
職種としては、企画職と運用と半々程度です。運用は主に派遣スタッフで物流作業は外注で行っています。サイト制作のディレクター、企画もかけるプロデューサー、バイヤーなど様々なミッションを持ったスタッフがいます。
――ゴルフプレイヤーはどの程度いらっしゃるのですか?
ゴルフプレイヤーは社員の7割以上です。
プレイヤーはプレイにおける具体的な視点やニーズを理解していますし、プレイヤーではない場合でも、ビジネスを客観的に見て推進することができるため、両者が混在している利点はあると感じています。
――なるほど、様々な視点を持ったスタッフがいるからこそ、情報設計がしっかり出来るし、ゴルフ場予約、ゴルフ用品ネット販売のような様々なマネタイズへの挑戦ができるんですね。
オールジャンル取り扱っているECサイトでは、バイヤーがジャンル別に担当していても、販売チームは共有されているケース(システム化されているケースも含む)がほとんどですが、本来であれば販売もジャンル別に訴求ポイントは違うはずです。まさにそれが御社では実現されているわけなんですね。
――それでは、ここからは「2.新規顧客の獲得」と「3.既存顧客の育成」それぞれの施策についてお伺いしていきたいと思います。
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【対談index】
第1回: ECサイトのKPIについて
第2回: 新規獲得のための施策について
第3回: 既存育成のための施策について
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http://www.micro-wave.net/interview/chapter1.html
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