成功するCMS導入の必須ノウハウ

Part 5 失敗しないCMS導入ワークフロー:プロトタイプ構築、開発、テスト、効果測定

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失敗しないCMS導入ワークフロー

Phase5 プロトタイプ構築

CMS導入の手順

Phase 1 ヒアリング
Phase 2 プランニング
Phase 3 基本設計
Phase 4 詳細設計
Phase 5 プロトタイプ構築
Phase 6 開発
Phase 7 テスト
Phase 8 効果測定

プロトタイピングを行うかどうかは、スケジュールとコストによって検討すべき部分だ。当然プロトタイプを作成すれば、その分構築に関するコストが割高になったり、スケジュールが伸びたりする。しかしCMS導入は、一筋縄ではいかない仕事だ。多くの担当者がかかわってくる。もちろんそれぞれのリテラシーも大きく異なるだろう。このような場合、プロトタイプ構築が、コンセンサスを得る有効な手段となる。完成してから「こんなはずでは……」となるよりは、コストとスケジュールを何とかしたほうが、よい場合が多いようだ。

プロトタイプ構築により、以下のような検証がなされる。

  • 具体的にどんなものができるのか、システムも含めて全員が共有できる
  • 今までウェブサイトを作成していなかったメンバーも、理解できる
  • 入力方法や管理の仕方がわかりやすいものであるかの検証が可能
  • 必要な機能は満たされているかの検証が可能
  • 実際に運用できるかの検証が可能

中でも一番のポイントは、コンテンツ管理に加わるメンバーが問題なくデータの入力などを行うことができるのかという検証だ。これをクリアしないとシステムが完成しても、使えないものになる。また、マニュアルのレベルもチェックできる、どの程度のマニュアルが必要かが明確になる。

Phase6 開発

CMS導入の手順

Phase 1 ヒアリング
Phase 2 プランニング
Phase 3 基本設計
Phase 4 詳細設計
Phase 5 プロトタイプ構築
Phase 6 開発
Phase 7 テスト
Phase 8 効果測定

設計まで完了すれば、後は開発に入るだけだ。

開発を行っている部分で重要なことは、構築されていくデータについての確認だ。一通りすべてができてからというものもあるが、パートパートで構築担当とウェブサイト担当者との間でやり取りを行っていくことがよりよいCMSパッケージを構築するためのポイントとなる。

設計書を入念に作成したから問題ないということではなく、実際の動きなどについては紙面では確認できない部分が多々出てくる。そういった部分でのズレを極力出さないためにも、開発時にもチェックを怠らないことが必要だ。たとえば入力フォームの内容や、フォームに書かれている内容などわかりやすいものであるかは、実際に構築されて見ないとわからないものだ。

CMSパッケージは1つのデータがさまざまなデータと関連付いており、一部分直すだけでも非常に大変な作業になる場合もある。このため、上記のようにパートパートで確認し合えるように構築を行えることが求められるのだ。

Phase7 テスト

CMS導入の手順

Phase 1 ヒアリング
Phase 2 プランニング
Phase 3 基本設計
Phase 4 詳細設計
Phase 5 プロトタイプ構築
Phase 6 開発
Phase 7 テスト
Phase 8 効果測定

構築が終了したら、テストが待っている。

テストのフェーズは軽視されがちな部分だが、ここについてはある程度の日程を取って対応する必要がある。どのくらいのテストを行えばいいのかは、規模や内容によって異なることから難しい問題だが、少なくとも1か月くらいのテスト期間を取っておくといいだろう。テストは、少なくともデータの投入のチェック、入力されたデータを下に完成されたウェブサイトのチェック、ページごとの関連性のチェックや公開スケジュールのチェック、パブリッシュ作業のチェックなどを行わなくてはいけない事項は非常にたくさんあり、1か月は決して長い期間ではない。

Phase8 効果測定

CMS導入の手順

Phase 1 ヒアリング
Phase 2 プランニング
Phase 3 基本設計
Phase 4 詳細設計
Phase 5 プロトタイプ構築
Phase 6 開発
Phase 7 テスト
Phase 8 効果測定

最後にシステムの効果測定を行う必要がある。

CMSの導入はもちろんそれ自体が直接売り上げを上げるものではない場合が多いはずだ。しかし、コスト削減という部分では、間違いなく貢献できる。そのため、構築したシステムは必ず評価するべきだ。もし、評価をしないまま利用し続けると、結局そのシステムがよかったものであるか、どうなのかというのがあいまいになり、その後の改善にもつながらないことになる。さらに、使いづらい点やうまく行っていない点があった場合に、それは何が原因で起きているかということが明確にならない。

費用対効果を図るというのは、ただシステム導入が効果があったのかという部分だけではなく、今後のウェブサイトの向上やシステム導入に対してよりよい効果を得るために重要なポイントだ。

では、まず費用対効果はどのように測定するのか?

ここで重要になってくるのはプランニングにて定めたシステム導入の方向性だ。

ここで明確に定量化された目標を立てておき、そのポイントを検証する。また、CMSというのは動的配信などでe-CRM的に顧客へメリットを享受できるシステムでもある。効果を測り続けることで更なる発展を行うことができるわけだ。

CMS構築については、上記の手順を踏んで構築していくことが必要になる。なぜなら、システムというのはウェブサイト構築と異なり、修正が簡単に行うことができない部分が存在する。手戻りが大きな工数増加につながるのだ。上記のようにチェックすべきポイントで必ず全体での確認を行うことが、コストパフォーマンスの高い、有効なシステムを完成させるキードライバーになるのだ。

※この記事は、『Web Master 完全ガイド Vol.2』掲載の記事を元に、未公開の原稿を加えて再構成したものですです。

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