この記事は2回に分けてお届けしている。準備段階のポイントについて説明した前回の記事に続き、今回は求人広告や応募書類の選考など、採用プロセスにおけるポイントについてお伝えする。
求人広告の書き方
どういうタイプの人が応募してくるかは、どのような種類の求人広告を書くかでほぼ確実に決まってくる。自分で書いた求人広告を読み直してみて、自責の念に駆られるのは僕も一緒。人を引きつけるおもしろいコンテンツ(特にタイトル)の作成に関して学んだことを、いざ求人広告を書こうとしたときにすべて忘れてしまったかのようだ。ジェーンがアパートを探していたときに書いた記事が、実はこれとまったく同じテーマだった。
僕が書いた求人広告の最初の原稿には、「キーワード検索」「リンクビルディング」「リンクベイト」など、この業界でおなじみの用語がずらずら並んでいた。するとルーシーが、僕らは未経験の人材を雇おうとしていることと、僕らが求める人物はこんな言葉なんて聞いたこともないかもしれないということを指摘してくれたんだ。
2番目の原稿は多少良くなった。今回の記事を書いてみて、自分の説いていることを自分自身が実行していなかったと実感した上で、3番目の原稿ができ上がった。
ルーシーはこの仕事に応募した理由として、「求人広告と質問の中で、職務内容が詳細に説明されていて、文章のスタイルもおもしろかった
」ことを挙げた(誓ってもいいけど、袖の下なんかは渡してないからね)。良い求人広告を書くために時間を費やすことは、君がその職務を大切に思っていることを示すことでもあるんだ。まともな人間なら、文章の下手な広告やつまらない広告を無視するくらいの余裕はある。つまり、出来のいい求人広告だけが優秀な人材の目に届くってわけ。
応募書類の選考
集まった応募書類を見てわかるのは、応募者の多くが
- 怠け者で
- 仕事を得ようと必死になっており
- 自分の才能を非現実的なほど過大評価している
ということ(できるだけ気を配って書いたつもりだけどな)。
僕らが最初に求人広告を出したとき、カバーレター(簡単な自己PRの文書)と履歴書の提出を求めたんだ。文字どおり応募が殺到したんだけど、「再読する価値がある」という基準をパスした書類はわずか10%。個人的にウケたのは、「お求めの履歴書はこちらです」とだけ書かれた「カバーレター」、つまり正真正銘の表紙だった。
幸運にも、僕らはごく早い段階で人材採用に関する教訓を学ぶことができ、それ以降は、最初にいくつかの質問をすることで大きな成功を収めてきた。当然、応募数は一気に減少したけど、応募書類の平均的な質は向上した。求人する立場になればわかるけど、空席の出た会社に手当たり次第履歴書を送っている人は、わずかな質問に答える手間さえ惜しむんだ。質問への回答にかなりの労力を費やした人が多くて、僕は嬉しい驚きを感じたよ。
求人の経験を重ねるうち、履歴書を読むよりも投げかけた質問への答えの方から多くのことがわかるようになった。これが正しいやり方なのかどうかはわからないけれど、僕らは質問に対する答えで面接する応募者を決定するといううまい方法に行きついたんだ。
面接の話題
この段階は、熟練者を探しているなら確実に違った物になるはずだ。Whiteboard Fridayでランドが指摘してたように、面接という手続きの大部分は、応募者の性格と、ほかの社員とどの程度うまくやっていけるかを見極める作業なんだ。応募者にどのような質問をするかは、自分が定義した職務内容と上手く結びつけて考えるべきだね。創造力のある人材を求めているのなら、技術的な質問をしても、彼らが輝きを示すチャンスを与えられない。つまるところ、面接官としての仕事は、好印象を与えるチャンスを応募者に与えることなんだ。
まとめ
採用する人材は会社の将来を左右する。優秀な人材は組織の一員になって貢献するけど、そうではない困った人もいる。今回書いたことを実行すれば必ず適切な人材が見つかるとは約束できないけれど、職務を明確にしないまま、おもしろみのない求人広告を出しても、望まれる役割をきちんと理解していない、お粗末な人材しか見つからないと思うよ。
SEOは比較的新しい業界で、今のところ、学校の就職課が職業の選択肢としてSEOを挙げることはない。僕が知っている子供(あまり多くないけど)は誰一人、大人になったらSEO担当者になりたいなんて思ってない。子供たちは今でも、農場の仕事や、消防士、「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーなんかが好みなんだ。それやこれやで、適切な人材を探すことが他の業界より難しい。それに加え、SEOにはそもそもマーケティングとハイテク技能が奇妙に入り交じっているところがある。この2つは、往々にしてまったく正反対の場所に位置づけられていたりするからね。
最後に一言。すばらしいことに、時には例外的に優れた人材が現われることもある。そんなことが起きたら、僕が言ったことなどすべて無視して、いちばかちか採用してみよう。そうしてみる価値は十分にあるだろう。
それでは、今度はみんながコメント欄に意見を書き込む番だ。人材採用の際に最も効果的だと思うやり方について、ほかの人の意見を聞いてみよう。意見がなければ、信じられないほどひどい応募書類が常に受けが良いという愉快な話でもいいよ。
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