検索エンジンの中の人が明かしたSEO 6つの教訓 - URL/サイトマップ/PageRankスカルプティングetc
検索マーケティング関連のイベントSearch Marketing Expo East(SMX East)の最終日、僕とニックはとてもおもしろいセッションに参加したんだ。司会のダニー・サリバン氏が選んだ聴衆からの質問に、グーグル、ヤフー、マイクロソフトの検索エンジニアが答えるという内容だった。
僕はこの5年間、検索に関係するさまざまなカンファレンスで、これと同じようなセッションにもたくさん参加してきたけれど、このセッッションは、その中で最高とまで言わないまでも、それに近い線だったと思う。質問の質は高いし、回答も率直にして誠意のある端的なもので、人を見下すようなところは微塵も感じられなかった。聞いてておもしろいだけではなく、とても役に立つセッションだったよ。
このセッションで学んだポイントのうち、大事なものを6つほど紹介しよう。
- セッションIDの使用
普通、URLにセッションIDを含めることはよくないと考えられている。検索エンジンは、URLに含まれるセッションIDの標準的な重複排除を行っていることを明言していて(SEOmozもLinkscapeのインデックスで同じことをやってるんだから、検索エンジンにそれ以上のことができないというのは考えにくいよね)、SESSID、SESSIONIDなどを含んだURLを自動的に正規化している。でも、そうしたURLを指し示すリンクが、元のページの一部としてカウントされるかどうかはわからないんだ。
たとえば、
seomoz.org/blog?SESSID=123というURLと
seomoz.org/blogというURLがあるとすると、検索では両方とも同じURLとして扱われるかもしれない。だけど、前者(セッションID「?SESSID=123」が付いているほう)が受け取ったPageRankやmozRankなどのリンク人気の指標が、後者(セッションIDが付いていないほう)にそのまま引き渡されるかどうかは不明だ。
頭の切れるSEOは、安全策として、URLにはIDをできるだけ使わず、使うとしたら、301リダイレクトを使ってリンクが正しく引き継がれるようにするべきだ。
- アフィリエイト・リンク
「(nofollowを使わずに)リンクジュースを引き渡すリンク」を利用したアフィリエイトプログラムは、ガイドラインに反するか、それとも、無視されるのかについて単刀直入に訊くと、なんと、エンジニア全員がヤフーのショーン・サクター氏の主張を支持したんだ。
サクター氏ははっきりと言っている。アフィリエイトリンクが価値、関連性、信頼度の高いところからきている場合、つまり、ブロガーが製品やアフィリエイトなどの価値が高いと認めている場合は、リンクアルゴリズムがこれを無視することはない、とね。
グーグルのアーロン・デスーザ氏とマイクロソフトのネイサン・ブジア氏の2人も、質の高いアフィリエイトリンクは検索エンジンによってちゃんとカウントされ、nofollow属性など、リンクの価値を損なってしまうような方法でそれらを区別する必要はないと指摘している。
- スパムだと誤認された場合
実際に起きる割合はそれほど高くはないけれども、検索エンジンはだいたい、デスーザ氏(つまりグーグルの、という意味になるんだけど)と同じような意見だ。
つまり、もし自分のサイトがスパムだと誤認されていると思ったときには、そのことを検索エンジンに知らせてくれ、ということだ。
グーグルなら「Webmaster Central」、マイクロソフトは「Webmaster Tools」、ヤフーは「Site Explorer Suggestions forum」から、それぞれフィードバックを送ることができようになっている。
- リンクは依然、重要な要素
リンクは検索エンジンの順位決定における重要な要素かと聞くと、エンジニアはたいてい、たぶんそうだね、と答える。
グーグルのデスーザ氏はリンクについて、ページ内でキーワードを使用することやSERP(検索結果ページ)でクリックされることに比べれば、かなり判断材料としやすいものだと言っている。
ヤフーのサクター氏によれば、リンクだけでは「最も重要な要素」とまで言えないけれども、たとえば、titleタグ(だいたいのSEO業者が、SEO業務ではかなり重要だと考えている)よりは重要だという。
リンクの影響力が間もなく消え去ってしまうとか、リンクの地位を脅かすような有力な指標が登場したとかいう人は見当たらないね。
- サイトマップを軽視してはいけない
セッションの冒頭で、3人のパネリスト全員がサイトマップの価値と重要性について話し合い、次のようなアドバイスをしていた。
- ヤフーのサクター氏――サイトマップには、サイト内の全ページを記入するのではなく、重要なページだけを書いておくべきだ。サイト内でどのページが重要かを知りたいときに、ヤフーはサイトマップに注目する。それが信頼できるものだとわかれば、さらに利用するようになる(他のエンジンも同様のようだ)。
- マイクロソフトのブジア氏――サイトマップ内のURL構造は非常に重要だ。サイトマップファイルでは、検索エンジンにインデックス化してもらいたいURLの、最も短くてオーソリティが高く、正規化された形を使おう。そうすれば、検索エンジンが自動的に重複を排除し、表示すべきバージョンを判断するのに役立つ。
3つの検索エンジンはどれも、いささかあからさまではあるが、サイトマップを使うとサイトの検索トラフィックが増加しやすくなることを示しているようだ。でも、これは僕にとっては驚くようなことじゃない。Linkscapeでは検索エンジンの真似ごとをしているんだけと、これを開発してみて、サイトマップをきちんと組み込んだサイトについて、検索エンジンがどれだけ高く評価し優遇しているか、またその理由もはっきりわかったよ。
- PageRankスカルプティングの効果は、試してみないとわからない
「PageRankスカルプティング」とは、nofollow属性を使ってサイトにおけるリンクジュースの流れを調整し、サイト内のページに渡すリンクジュースを最大化したり制御したりすることだ。
3人のエンジニアはみな、このPageRankスカルプティングによってサイトの価値が高まる可能性はあるけれども、SEOにおいて優先順位の高い作業ではないと思っている。それどころか3人とも、ダニー・サリバン氏の主張を支持していたよ。つまり、サイトやプロジェクトの価値が上がるかどうか、PageRankスカルプティングを実際に試してみないとわからないというんだ。誰もがみなうまくいくとは限らないからね。
当たり前のことだが、検索エンジンがこの程度の情報を公開すると、必ずさらなる疑問が生じてくる。ここに挙げたポイントに関して、あるいはほかの問題でもいいんだけど、何か質問があれば、下のコメントに書き込んでほしい。次の機会(たぶんPubconかな。もしかしたらそれより前になるかも)に、何とかとして検索エンジンの関係者にその疑問をぶつけてみたいと思う。
追伸:このセッションに関してバージニア・ナッシー氏が、きちんとしたものを書いてくれている。感謝。(※Web担編注 残念ながら、英語記事)
追追伸:このセッションについて、僕が書いたもう1つの重要な記事を、SEOmozのPRO Tipsコーナーに掲載している。A Half Dozen Brilliant Link Acquisition Queriesを見てほしい。(※Web担編注 残念ながら、英語記事。また、リンク先を読むには、SEOmozの有料会員登録が必要)
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