SEO都市伝説(前編) - キーワード重視の文章/相互リンク/titleとh1
長年にわたって耳にしてきたSEOのアドバイスの中には、僕がどうしても納得できないものや、論理的な欠陥に気づいたものもたくさんある。
そこで、そうしたものをいくつかここで紹介し、みんなからいろんな見方を聞けたらおもしろいんじゃないかと思ったんだ。
僕が理屈を理解していないとか、自分の考えが足りないとかいう可能性もあるけど、個人的には、ここに挙げたようなアドバイスが常に役に立つとは思えないので、少なくとも議論する価値はあるだろう。
- 成功するSEOコピーライティングとは、キーワードとコンテンツ構造である
- 他サイトとリンク交換するべからず
- 見出し(h1要素)はtitle要素と別なものに書き換えるべし
- 競合相手のスパム行為を通報するべからず(後編で紹介)
- サイト年齢は順位獲得能力を示すものである(後編で紹介)
×1. 成功するSEOコピーライティングとは、キーワードとコンテンツ構造である
以下は、異なる種類のSEOを適用した2つのページの例。
僕が苦々しく思っているのは、ウェブ上で見たりカンファレンスで聞いたりするSEOコピーライティングのアドバイスの90%以上が、図の左側の例のような、キーワードの使用とコンテンツ構造に関するものだという事実だ(僕自身、人のことをとやかく言えないけれども、これまでその慣例を打破しようと努力はしている)。
そういったものは、高度なアルゴリズムによる順位決定という観点からは価値を増やすかもしれない。しかし、少なくとも僕の意見では、たとえ1つでも外部リンクを獲得できることに比べれば、h2要素でキーワードを適切な回数だけ繰り返すことなんて、ちっぽけな価値しか持たない。
もしウェブライターたちが、自分たちの作ったコンテンツを中心とするウェブコミュニティに関する情報を与えられ、ウェブ上のコンテンツを他の人に広めてくれる人たちをターゲットにするように依頼されたならば、彼らのSEO作業にははるかに大きな価値が加わることになりそうだ。だからといって、SEO業者やライターが適切なキーワードを使うのをやめる必要はまったくないんだけれど、「リンケラティを意識して書く」方法や人の心理を巧みに利用してリンクを張らせる技術に関する記事がもっとあればいいのに、とは思う。
×2. 他サイトとリンク交換するべからず
相互リンク交換やリンク交換プログラムに対する恐怖心がウェブ中で非常に高まったため、伝えられるべきメッセージが履き違えられたあげく、まったく馬鹿げたこんなアドバイスまでが登場した。
君にリンクしている人に対して、決してリンクを張ってはいけない
まるで恐怖症の域にさしかかっているんじゃないかとさえ思えてくる。ウェブのリンクグラフは、実世界でのつながり、支持、関係を表わしたものであるはずだ。そのリンクグラフを人為的に操作しようとするのは、あまり意味がない――たとえその動機が、グーグルからそう求められているという思い込みだとしてもね。
ただし、このアドバイスが有効なケースもいくつかあるので、紹介しよう。
- 何の関わり合いもないサイトからメールで「
そちらがリンクしてくれるなら、お返しにこちらからもリンクを張りましょう
」などと持ちかけられた場合。 - ディレクトリサイトが外部リンクを獲得する目的で、リンクを張ってくれないかと依頼してくる場合。
逆に、このアドバイスが当てはまらないケースを挙げておこう。
- どこかのブロガーが、君も関心を持っている事柄について記事を書いた上でリンクを張ってくれた場合。
- ビジネスパートナーが君の仕事を宣伝し、君からのお返しを期待している場合。
「相互」リンクに対する僕の見解を説明するために、わかりやすいリスクチャートを作ってみた。
たとえば、SEOmozがDistilled社のWebサイトにリンクを張り、DistilledからもSEOmozにリンクバックしてもらうことは、まったく問題ない。Distilledは英国におけるSEOmozのパートナーだからね。でも、もし僕らが実際にはパートナーじゃなくて、お互いのリンク人気を人為的に高める目的で相互リンクしているだけだったら、話は違ってくる。
×3. 見出し(h1要素)はtitle要素と別なものに書き換えるべし
どこからこんなアドバイスが生まれたのかわからないが、僕が本当に敬意を持っている何人かのSEO業者から聞いたことがあって、親しくしてもらっているトッド・マリコート氏もその1人だ。それでも、これはかなり疑わしいと思う。僕はこれまでテスト環境で何回か試したり、大ざっぱな相関データを調べたりしたけど、そのどちらからもtitle要素とh1要素を別なものにするメリットは特に見られなかった。
僕がこのアドバイスに反対する大きな理由は、h1要素はそのページの「見出し」となるべきものだからだ。もし検索結果上でタイトルをクリックして、アクセスしたページでぜんぜん違う見出しが表示されたら、それはひどく不快な体験になる。
これは、たとえSEO的に良いことだとしても、ユーザビリティの方を優先すべきなのではないかと僕が考えるケースの一例だ。検索結果でタイトルを見たときに生じるのは、まさにそのタイトル通りの記事に対する期待であるはずだ。title要素とh1要素を違うものにすることで順位が上がるはずだと考える検索エンジニアなんて、僕にはちょっと想像できない。
この記事は前後編の2回に分けてお届けする。後編でも引き続き、ランドが同意しかねるというSEOアドバイスのうち、残りの2つを紹介する。→後編を読む
コメント
まったくを持ってそ
まったくを持ってその通りだ
いいかげんSEO業者は
テキストブラウザで見る人
視聴覚が不自由な人も見ていること
をきちんと考えるべきだし。
第一そんな姑息な手を使って恥ずかしくないのかな。