Webサイトパフォーマンス管理のベストプラクティス10個 ~ページ表示が1秒遅くなるとCVRが7%低下!
※ベストプラクティス10はこの記事の2ページ目に掲載されています。
Webサイトでのビジネスオーナーの皆さま
あなたのお客さまはWebサイトで快適に過ごされていますか?
Webサイト上で行われるビジネスは、インターネットの普及と共に拡大する一方です。当然のことながら、インターネットをビジネスに利用しようとする企業の数も増加の一途を辿っており、すでにさまざまな業種の企業がインターネットを活用しています。
しかし、インターネットへの参入は容易であり、さらに企業だけでなく個人でもサイトを公開できることから、今までとは異なる競合状況を生み出す結果となっています。そのため、激しい競合状況を生き残るためにWeb担当者さんたちは、さまざまな取り組みを行っています。
みなさんも、自社サイトへの訪問者数を増やすために、SEOやリスティング広告、アフィリエイトプログラム、ディスプレイ広告、メールマガジンの送付というようなことをしているでしょう。
また、Webサイトを訪問してきた人に、いかに快適に過ごしてもらってビジネスにつなげていくかという、お客さまのWebサイト上でのエクスペリエンス向上のための方策として、ユーザビリティやインタラクションデザインの研究、ランディングページの最適化、アクセス解析、過去の行動履歴分析からのリコメンデーションなども行っていることでしょう。
その他にもさまざまな施策を通してWebビジネスの拡大に努めているため、結果として多大なコストや労力がかかっているのではないでしょうか。
優れた店舗でも客を逃す当たり前の状況
ここでWebサイトから離れて実際の店舗のことを考えてみましょう。
実店舗でも、店の宣伝をして、DMを送付し、他の店にフライヤーやチラシを置いてもらうことで店を知ってもらう。そして店に来てくれた人に快適に買い物をしてもらえるように、商品展示に配慮し、店員の教育をきちんとして、得意客には今までの買い物履歴からお好みをお勧めするというようなことを行っています。
しかし、ここである状況を想定してみましょう。そうした“しっかりとした”店舗であっても、店舗の前の道路が工事中で通れなかったり、事故で渋滞したり通行停止になっていたりしたら、どうなるでしょうか。もしくは、買い物をしたいのに、店の中が混雑しすぎていて買いたいものを探すのに時間がかかったり、支払いをしようにもレジに長蛇の列ができていていつまでたっても買い物が終わらない状況だったりしたら、どうなるでしょうか?
おそらく、商品力などで他店との差別化ができていない限り、あきらめて買い物をせずに帰ってしまうお客さまが増えるでしょうし、二度とお店には来てくれない人も多くなるでしょう。そればかりか、少し離れた場所にある競合店に通うようになる人も増えてしまうでしょう。
「それは当然ではないか」と思ったあなた、実際には、あなたのWebサイト上でも、これと同じようなことが起きているといったことはないでしょうか。
SEOや広告をがんばって、せっかく「商品を探したい」「サービスをもっと知りたい」と思った人がWebサイトに来てくれたのに、ページの表示に時間がかかっていたり、もしくは、ショッピングカートの中身の確認や支払い処理がスムースにできなかったりする。そんなWebサイトに、あなたならばもう一度訪れようと思うでしょうか?
つまり、Webサイトのパフォーマンス(アクセスの快適さ/問題なさ)は、Webサイトの経営・運用において非常に重要な指標の1つとなっているのです。ここでいう「Webサイトのパフォーマンス」とは、具体的には、ページの表示にかかる時間や、探しているページやサイトに到達できるかどうか(可用性)、いつでも一定のレスポンスタイムでのアクセスをばらつきなく提供できているかといったことです。
実際に、米Googleでは、検索結果の表示順位の決定に当たり、ページの表示にかかる時間をその指標の1つとして今後加えていくことを、公式ブログで発表しています。
Webサイトのパフォーマンスがビジネスに与える影響とは?
では、Webサイトのパフォーマンス(アクセスの快適さ/問題なさ)は、実際のところビジネスにどのような影響を与えるのでしょうか? いくつかの調査データをご紹介しましょう。
米国の調査会社アバディン・グループは、2008年に次のような調査結果を発表しています。
- 顧客満足度が16%低下する
- ページビューが11%低下する
- コンバージョン率が7%低下する
米国のフォレスター・リサーチは、2009年のホワイトペーパーで次のように報告しています。
Webサイトのパフォーマンスに不満を感じた場合、79%のユーザーはそのサイトで二度とショッピングをしない
52%のユーザーは、Webサイトのパフォーマンスがサイト利用にあたり重要な要素だと考えている
Webサイトでのショッピング中に買い物を中断したユーザーの33%は、サイトのパフォーマンスに不満を感じている
多くのユーザーはページの読み込みにかかる時間として2秒以内を期待しており、40%以上のユーザーは4秒以上待てない
Webサイトパフォーマンス研究の第一人者であるスティーブ・サウダー氏は、実際の企業において次のようなことが起こっていると発表しています。
- Microsoft社のBingでは、2秒のレスポンスタイム低下はユーザーあたり4.3%の売上低下を招く
- Googleでは、レスポンスタイムが0.4秒遅くなると、ユーザーあたりの検索回数が0.59%減少する
- AOLでは、ユーザーが読み込み時間の早いページを経験すると訪問回数あたりのページビューが50%増加する
- 価格比較ショッピングサイトのShopzillaでは、ページ読み込み時間を7秒から2秒に短縮すると、売上が7%~12%増加し、インフラのコストが50%削減できた
これらの調査データから明らかになることは1つ、「Webサイトのパフォーマンスはビジネスに影響がある」ということです。Webサイトが遅かったり表示されなかったりすると、お客さまは二度と来てくださらないばかりか、競合他社のお客さまになってしまうということです。
Web担当者さん(Webサイトの事業責任者さん)にとって、サイトのパフォーマンス問題はすでに、情報システム部門に任せたり、制作会社やレンタルサーバー事業者などの社外に責任を転嫁できる問題ではなくなっています。ビジネスの成果に直結する問題であり、うまくやらなければビジネスオーナーの方々の目標達成を妨げる問題となる要因だからです。
Webサイトのパフォーマンス管理は、インターネットでビジネスを行い成果をあげていくにあたって、必ず考慮しなければならない重要な項目であるということを、改めて理解してください。
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