有名サイト、かってに解析!

「三菱東京UFJ銀行」をエキスパートレビュー!

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「三菱東京UFJ銀行」をエキスパートレビュー!

はじめは検索エンジンで「三菱東京」「東京三菱」あるいは「UFJ」などを検索することになるだろう。さすがに「三菱東京UFJ銀行」とフルに入力するのは面倒だが、「三菱」あるいは「東京」では絞り切れずにダメそうだという想像ができる。

検索結果ページでの表示はどうか?

2010年12月下旬現在で、「Yahoo! JAPAN」でも「Google」でも、これらのキーワードで検索すると、当然ながら、自然検索の1位に「三菱東京UFJ銀行」が表示されている。

「Yahoo! JAPAN」では、上部と右側の広告エリア(スポンサードサーチ)にも三菱東京UFJの広告があるのだが(図2の赤枠で囲った部分)、広告のほうはどちらもタイトルに「ローン」という言葉があるので、今回想定したサイト閲覧シチュエーションの人がこの広告をクリックしまうことは少ないだろう。

図2:「Yahoo! JAPAN」での検索結果ページ
図2:「Yahoo! JAPAN」での検索結果ページ

一方、「Google」では図3のように検索連動型広告が一番上に表示されていた。リンク先のサイト名と表示は自然検索と同じで、広告のタイトルも「三菱東京UFJ銀行」とあるので、間違えてこちらをクリックする人も多そうだ。この検索連動型広告の説明文(小さいほうの文字)には冒頭に「カードローン」とは書いてあるが、果たしてそこまで見てもらえるかはわからない。広告の飛び先は同社のカードローン「バンクイック」というカードローンのページ(図4)である。もし間違って広告をクリックしたとしても、このページから「三菱東京UFJ銀行」トップページへ行くことはたやすいので、こちらに寄り道しても大きな問題ではないとは思うが、少々気になった点だ。

図3:「Google」での検索結果ページ
図3:「Google」での検索結果ページ

「ATM」「手数料」はどこにあるか?

さて、検索結果のページから「三菱東京UFJ銀行」のトップページに入ってきたとしよう。今回想定している訪問者のシチュエーションでは、ATMの休日の稼働状態と振り込み手数料も含めた合計手数料を調べにサイトに訪問したわけなので、ここで「ATM」あるいは「手数料」といったキーワードを探すことになる。

冒頭にも書いた通り、サイトのトップページは、「個人のお客さまへ」のカテゴリトップに来ていることにもなるが、「ログイン」や「ATM・店舗検索」「資料請求」など、個人客がよく見そうなコンテンツ群が、左上の目に付きやすい場所にある(図5の青枠で囲った部分)。ここにまさに「ATM」や「手数料」といったキーワードが見てとれる。

図5:左上の目に付きやすい場所に、「ATM」や「手数料」が見つかる
図5:左上の目に付きやすい場所に、「ATM」や「手数料」が見つかる

「ATM・店舗検索」をクリックすると……

さっそく「ATM・店舗検索」のリンクをクリックしてみる。そうすると新しいウィンドウでページが開かれる。ログインを含めて、このエリア(図5の青枠で囲った部分)のリンクは、だいたい新しいウィンドウでページを開くように作られている。ログインユーザーが元のトップページに戻ってくるとは考えにくいので、手数料一覧などちょっとわき道に逸れて戻ってくるような動きが分かっているのなら別だが、新しいウィンドウを開かなくてもいいリンク先もあるのではないかと思った。このあたりはユーザーの実際の挙動を確かめるユーザビリティテストなどをしてみるのがよいだろう

今回のまとめ

さてここまでで、アクセス解析的にはどういうところに着目して数字を見たらよいだろうか。

  1. 検索連動型広告でローン目的でなかった人の割合の把握

    「Yahoo! JAPAN」より「Google」での検索で、間違えて検索連動型広告をクリックしてカードローンのページに辿りつくユーザーが多いかもしれないという指摘をした。「Google」と「Yahoo! JAPAN」の広告流入別に、ランディングページからその次のページへの移動に関して、カードローン以外のコンテンツページに進む割合が多くないかどうかを調べてみたい

    「Google」の検索連動型広告からの流入者の方が、カードローン以外のページへ進む割合が高いようであれば、やはり検索連動型広告の表示を自然検索と別にして、「Yahoo! JAPAN」と同様に広告タイトル文に「ローン」を入れる変更が考えられそうだ。

  2. キャンペーン別のコンバージョン率の把握

    検索連動型広告を行っている、つまり広告で集客しているコンテンツに関しては、申込などのゴールを設定しているはずなので、集客別のコンバージョンなどを見て、効果の高いキャンペーンを行うような視点で数字を見ていくことが重要になる。サイトのトップページのメインビジュアルにもサイト内のキャンペーン告知へのリンクがあるので、ここのクリック率などもきちんと評価してみたい点だ

  3. 左上のエリアのリンク箇所

    「ATM・店舗検索」とその下の左上のエリアだが、利用率が高い項目はなるべく左上に持っていきたい。現在の項目の並び順は以下のようになっている。

    ATM・店舗検索
    外国為替相場資料請求
    金利一覧Q&A・お問い合わせ先
    手数料一覧苦情・ご意見など

    もし「外国為替相場」よりも「手数料一覧」の方がクリック率が高いのであれば、「手数料一覧」を上に持っていくのも良いだろう。そうした判断のために解析データを見てみるといい。FXなどが流行っているので、「外国為替相場」が人気コンテンツなのかもしれないが、既存顧客を大事にするなら、左の列は上から「手数料一覧」「金利一覧」「外国為替相場」の順にするのが自然に思えるのだが、素人考えなのかもしれないので、実際の数字で把握したいところだ。このあたりは画面上のどこをクリックしたかというのをビジュアルに表示してくれるアクセス解析ツール(クリックマップと呼ばれる機能)などを利用すると非常にわかりやすいだろう。

◇◇◇

次回は引き続き、「三菱東京UFJ銀行」の後半を取り上げる予定だ。時間があるときにでも、今回想定した閲覧シチュエーションに沿って、あらかじめサイトを見ておいていただけると、来週記事を読むときに、ご自分の予想と比べながら読めるので、アクセス解析力のさらなるアップが期待できるだろう。さてこの連載では、

  • Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
  • 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論

などを随時募集していきたいと考えている。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。

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