アンケートもやってみた
アンケートもやってみた
「作成コーナーの終了」ページの最後に、「このホームページに関するアンケートにご協力ください」というリンクがある。ここまで来たのだから、最後に記載のあったアンケートもやってみることにした。リンクをクリックすると、アンケートの「ご意見ご感想」ページが表示される。ページは1ページで、かなり長いので、以下に、質問項目だけを抜粋してみた。
問1 | 年代 | ラジオボタンの選択式、必須 |
---|---|---|
問2 | 性別 | ラジオボタンの選択式、必須 |
問3 | 職業 | ラジオボタンの選択式 |
問4 | 確定申告書等作成コーナーを知った原因 | チェックボックスで複数選択可 |
問5 | 確定申告書等作成コーナーの過去利用回数 | ラジオボタンの選択式 |
問6 | このコーナーを提供していることに対する評価 | 役立ち度を5段階評価でラジオボタン |
問7 | このコーナーを利用した感想 | 5項目で5段階のラジオボタン |
問8 | 作成した申告書等 | 4コーナー別にチェックボックスで複数選択可 |
問9 | 税務署への提出方法 | ラジオボタンの選択肢 |
問10 | ヘルプデスクを利用した人が対象の印象評価 | 3項目に対する5段階評価 |
問11 | 来年の再利用意思 | ラジオボタンの選択式 |
問12 | 自由意見、氏名連絡先 | 回答は任意 |
それほど問題になるような質問や選択肢はなかった。ただ、問10だけに、[クリア]ボタンが設置されていて、何かテストをしているのか、たまたまなのかが気になった(下の図11の赤枠で囲んだ部分)。
前回+今回のアクセス解析的に着目すべきポイント
さて今回は、ほとんど一方通行にしか進めない、入力フォームのプロセスを実行するという流れだったので、アクセス解析的な視点はそれほど多くはない。いくつか考えるべき視点をまとめておこう。
- ユーザーインターフェース
入力を進めていく過程で、新ウィンドウがディスプレー画面いっぱいに出現することがたびたびあった。しかも、メニューバーが表示されず、ブラウザの一般的な機能が利用できないような形だった。システム面でブラウザの[戻る]ボタンを押させたくないといった制約があるのだと思うが、できるだけそれをユーザーにしわ寄せしないような形が望ましいだろう。
このあたりは、実際にユーザーテストを行い、「確定申告書作成のタスク」を与えて、どこでユーザーがとまどうのかをしっかり観察して、改善すべきところがどこにありそうかを確認したいところだ。
- 冗長なステップと確認画面
率直な感想として、ステップが多かった。もちろん確定申告の書類作成という性質上、しかたない部分はあるだろう。これについては、アクセス解析によって、どのステップでの離脱が多いのかという点を確認するとともに、やはりユーザーテストなどによって、確認ページが本当に必要なのかどうかといった検証をしたいところだ。冗長な部分を省けば、数ステップぐらいの削減は可能になるのではないだろうか。
この確定申告書作成コーナーを利用するような人は、そもそもきちんと準備してから取り掛かるように思うので、入力ステップ内にあまりいろいろな情報へのリンクを配置しない方がいいように感じた。
- クリック場所の確認
全体的に表示文字も大きく、ボタンなどもはっきりしていると感じたが、とまどうような部分の発見があるかもしれないので、クリックやスクロールなどの行動を可視化できるクリックマップ、ヒートマップなどの表示のできるツールでの確認もしてみたい。
例えば、前回の「テストデータの表示」に関するページ(図5)で、実際はコンテンツを読んで指示に従わなければいけないのだが、最初は表示だけ確認すればいいのかと思った。また同じく前回の「作成申告書等の選択・作成開始」ページ(図8)なら、利用頻度の高い(クリックされている)ボタンの配置がこれでいいのかを確認するのも意味があるだろう。
今回は、メインのデータ入力ページ(図1)で筆者が間違えたみたいに、直接各項目のブランクのところにカーソルを合わせたりクリックしたりする人は後を絶たないに違いない。
あとは、「住民税等入力」ページ(図6)の中央にある「住民税・事業税に関する項目」というところは1つしかボタンがないので、意外とクリックしにくかった。
「作成後の確認事項」ページ(図8)の各リンクも、クリックやマウスカーソルを合わせることが滅多にないのであれば、このステップを見せるのは省略できるだろう。
- 「確定申告サイト」でよかったところ
最後に褒めておきたいことを1点、アンケートでユーザーのフィードバックを取ろうと試みていること。多くのことを聞く必要はないが、最低限抑えるべきところは抑えている感じがする。
◇◇◇
今回、初めて「確定申告サイト」を使ってみたわけだが、1人のユーザーとして率直な感想を述べておきたい。実際に今年度の確定申告書を作成するにあたって、私自身がこの「確定申告サイト」を利用するかどうかを自問したときに、YesともNoとも言いがたい感想を持った。
確定申告書類の作成というのは、特に参照する資料が多くなればなるほど、関係書類を広げながら、あっちこっち転記することの多い作業なのだ。会社勤めの方であれば、源泉徴収票1つともう1つくらいの書類を見ながらの作業で済むかもしれないが、私のような自営業の場合は、数か所からの原稿料や源泉徴収を漏れなく記入する必要がある。机上に何枚もの源泉徴収票を広げながら、さらにキーボード、パソコンに向かうという姿がどうしてもなじめないというのが、その理由だ。ただし、これについては世代によって捉え方は違うかもしれない。あくまで、デジタルネイティブではないオジサンの感想である。
アクセス解析の範囲を逸脱するが、結局は、ユーザーがどんな状況で「そのツール」を使うのかというのを想像することが、重要ということに尽きるような気がする。もちろんさまざまなユーザーがいるので、今回の私のケースが必ずしも一般的だとは思わないが、そういう想像力が大事なことに変わりはないだろう。
さて、この連載では、
- Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
- 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論
などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。
ソーシャルもやってます!