日本ネット経済新聞ダイジェスト
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大手3モール、12年7-9月の流通総額 楽天のみ2桁成長 特需の反動や残暑も乗り越え

大手モール3社の12年7―9月の合計流通総額は同9・0%増の3794億円だった。

ネットショッピングモール大手3社の12年7―9月期におけるEC業績がまとまった。

震災特需の反動や長引く残暑の影響で、各社とも今期は成長の鈍化が予想されたが、楽天は流通総額が前年同期比11・4%増となり、2桁成長を維持した。一方、ヤフーはスマートフォン(スマホ)経由の流通額が拡大したが、流通額は同1・1%増にとどまった。ディー・エヌ・エー(DeNA)の流通額は同2・8%増だった。

この結果、大手モール3社の12年7―9月の合計流通総額は同9・0%増の3794億円だった。

楽天市場
出店者数が4万店突破

「楽天市場」の7―9月期の流通総額(ブックス、オークションを含む)は前年同期比11・4%増の2946億円だった。前年同期は地デジの駆け込み需要などもあり家電の売り上げが拡大。楽天では「少なくとも15億円程度の家電特需があった」(三木谷浩史社長)としている。また、残暑により秋冬商品の売れ行きが悪く20億円程度のマイナスになった。加えて7―9月の間に、3月と6月に実施した「楽天スーパーセール」を開催しなかったことから、流通額の伸び率が鈍化することが懸念されたが、2桁増を維持した。

これについて三木谷社長は「マイナス要因にも影響されない安定して成長する事業になってきた証拠だ」と話し、今後さらに成長力を高めることが可能だとする見方を示した。

スマホ経由の流通額は前年同期比で約4倍に拡大。楽天では店舗ページのスマホ対応などを急速に進めており、その結果が出てきているという。すでにスマホ経由の流通額が、従来の携帯電話経由の流通額を超えたとしており、年末年始に「さらに成長することが予想される」(同)としている。

流通額の成長に合わせて出店者数も拡大。発表はなかったものの9月中に「楽天市場」の出店者は4万店を突破。9月末時点の出店者数は4万520店舗となっている。1店舗当たりの平均月商は242万3500円となっており、前年同期比1800円の増加だった。

ヤフーショッピング
キャンペーンなどが不発に

「ヤフーショッピング」の流通総額(オークションは含まず、チケット・旅行を含む)は同1・1%増の745億円だった。スマホ版のヤフートップページからユーザーの誘導を図った結果、スマホ経由の流通額は伸びたが、PC経由の流通額は低迷した。随時行っているポイントキャンペーンにおいても他の2社が行うキャンペーンに比べポイント付与率などが低く、盛り上がりに欠けた。宮坂学CEOは「EC市場の成長率よりも下回る状況は打開していかなければならない」としていたが、今期は主力3社で最も低い成長率に転落した。

オークション事業も低迷。オークション流通額は同2・6%減の1569億円になった。地デジ特需による減収が大きく響いたとしている。

ヤフーショッピングの9月末時点の出店者数は2万377店舗で、6月末に比べ84店舗減少だった。「ヤフーショッピング」のリニューアルの中止など度重なる方針転換が出店者の不安につながった。加えて、このところの成長力鈍化により、退店するEC事業者が増えたようだ。

DeNA
スマホへの期待値で出店者拡大

DeNAのモール流通総額(ビッダーズ、auショッピングモールの合計)は同2・8%増の103億円となった。システムの更新などにより、簡単に商品ページが制作できる仕組みを提供。スマホ向けサイトが作りやすくなったことにより、スマホ経由の売り上げが伸びた。

また、プロ野球球団などと連動した、各種キャンペーンを打ち出しやすくなったこともプラスにつながった。

スマホ経由の流通額が伸びていることから、年末に向けて期待する出店者が拡大。出店者数は6月末に比べ122店舗増の4178店舗になっている。

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