コンテンツマーケティングの優秀なアウトソース先、紹介しましょうか?
今日は、コンテンツマーケティングに関する話題を。オウンドメディアをちゃんとやりたいけど、コンテンツ作成のノウハウも体制もないし、まとまった予算もとれないという方、いいアウトソース先が日本にはたくさんあるんですよ。
2013-02-12追記 現場の方から頂いた声を反映して、表現を少し変えたほか、記事後半にそうしたフィードバックがあることを記載しました。オリジナルのタイトル「コンテンツマーケティングの優秀なアウトソース先、山ほど紹介できますよ」は言い過ぎ(煽り度高)の可能性が高いため、タイトルも少し変えました。
結論から先に言います。コンテンツマーケティングを行いたいがどこから始めればいいかわからないのならば、まずはアフィリエイターさんに協力を依頼してはいかがでしょうか? 日本には優秀なアフィリエイターさんがたくさんいますから。
最初から自分たちでオウンドメディアを完成させようとしたり、「Webの話だから」と制作会社や代理店に作らせたりするのではなく、まずアフィリエイトで自社商材に合うアフィリエイターさんを見つけ、その人と協力して全体のコンテンツマーケティングを企画していけばいいのではないかと思うのです。
コンテンツマーケは「ニーズを作り」「ニーズを惹き付ける」こと
そもそも「コンテンツマーケティング」とは何かを考えてみましょう。
昔の広告は、極論を言うと「こんな良い製品がありますよ、買いましょう」とメッセージを発信することでした(もちろん例外はありますよ)。
昔は、消費者が接触するメディアもマスメディアが中心なので、消費者の姿勢も「メッセージを受け取る」立場にいることが当然でした。
しかし、インターネットがこれだけ普及してくると、消費者は受動的にメッセージを受けるだけでなく、能動的に情報を探しにいきます。情報接触のチャネルもさまざまになっています。
そこで、メッセージを押し出すのではなく「見つけてもらう」「来てもらう」というコミュニケーション手法が有効になってきました。
検索連動型広告というのは、こうした「探す」アクションをしている消費者に「うち、それありますよ」と応対するのに絶大な効果を発揮するコミュニケーション手法でした。
でも検索連動型広告は、市場を生み出したり拡大したりするためのものではありませんでした。そもそも存在していないニーズを生み出すことはできませんし、ぼんやりとしたニーズを顕在化させて態度変容させてコンバージョンに導くには、広告の先にまた別の何かが必要でした。
なので、市場を広げ、コンバージョンできる対象者を増やすために、消費者がふだんから接触しているコンタクトポイントを使って「情報(※売るための広告ではなく)」を伝えたり、ぼんやりとしたニーズの人をつかまえて「情報(※)」に触れてもらったりすることが大切だと認識されるようになりました。
かなりざっくりと書きましたが、こういうことを実現するための手法の1つがコンテンツマーケティングだと私は考えています。
アフィリエイターはコンテンツマーケティングの専門家
メディアを生業としている人間が言うのも何ですが、前述のような「買う気もない人に、自社商材の直接の話題ではなく、その人が興味をもっているだろうポイントに響く、しかもどこかのタイミングで自社商材のコンバージョンにつながるコンテンツを作る」のは、大変です。
何よりも顧客の顕在化していないニーズや興味を知らなきゃいけないし、さまざまなセグメントに対して適切にコンテンツを作って提示するのは……楽じゃないです。
しかも、ただ「何かコンテンツ」を出せばいいのではなく、ビジネスゴールに導く流れに沿っていなければ意味がないのですから。
ましてや、そういうコンテンツ作りに慣れていない人が突然「コンテンツマーケティングだ!」と言ってすぐにちゃんとできるとは限らないでしょう。
しかし、アフィリエイターさんは昔からそこだけをやり続けてきているのです。
2013-02-12追記 このあたり、記事後半の追記も参照してください。
それに対して、アフィリエイターさんは消費者(受け手)の立場でコンテンツを考えます。その商材に合いそうな人が興味をもつポイントは何か、購買者として何を気にするのか、どういう適用シーンを提示すればピンときてもらえるのか、実際に使ってみてどうなのか、他社の商材と比べてどうなのか……。
しかもアフィリエイターさんは企業ブランドの後ろ盾がないですから、「見つけてもらう」つまり検索でヒットされやすいコンテンツ作りを日々研究しています(そのせいでブラックSEOの方向に流れがちなのも確かですが)。
アフィリエイトは単なる成果報酬の集客ツールじゃない!
アフィリエイトを単なる成果報酬型の集客ツールだと考えずに、「自分たちができていないコンテンツマーケティングを、代わりにやってもらう仕組み」だと考えると、おもしろいと思いませんか?
まずASP(アフィリエイトサービス事業者)を通じてアフィリエイト出稿し、だいたいわかってきたら、特別報酬やキャンペーンを出すことで、自社に合っているアフィリエイターさんに自社のことを認知してもらい、アフィリエイトしてもらいます。そして、成果を出しているアフィリエイターさんをチェックして、どういったコンテンツで成果を出しているのかを見ます。
ここまでは販促型のアフィリエイト利用でふつうにすることですが、ここからさらに、自社のコンテンツマーケティングに協力してもらえそうな人を探して、直接協力を依頼するのです(販促型でもそこまでしている人は結構いるようですが)。
マーチャント(企業側)がアフィリエイターさんと直接やりとりしていいかどうかはASPによって異なりますので、まずはASPの担当営業さんに「このアフィリエイターさんと直接こういうやりとりしたいんだけど」と話してみるのがいいでしょう。場合によっては特別な契約方法を提示されるかもしれません。
そうして、アフィリエイターさんのサイト内で特別に力を入れて企画してもらったり、コンテンツマーケティング全体の企画作りに協力してもらったり、ゆくゆくはオウンドメディアのコンテンツ企画や制作に協力してもらったり。
2013-02-12追記 「優秀なアフィリエイターは多くないし、そういった人に協力してもらうのはなかなか難しい
」「やはりB2B分野では厳しい
」「アフィリエイターに企画協力してもらうのはリスクがある
」といったフィードバックを、実際の現場の方からソーシャルメディア上で頂いています。
また、アフィリエイターはコンテンツマーケティングの能力があるというよりは、もっとコンバージョンに近い「売る」部分に特化している人が多く、本来コンテンツマーケティングが対象とするその手間の段階でのコミュニケーションが得意だとは限らないというフィードバックも、現場で本当にアフィリエイトに携わった方から頂いています(もちろんこの記事で書いたようなスキルのある人も実際にはいらっしゃいますが、多くの企業が安定して協力を依頼できるほどその数は多くはないということですね)。
現実的には、ここで記したことは、なかなか難しいようですね。。。。私自身、ここに書いたことを自分で実践したわけではないので、実際にやられている方の現場感のほうが正しいのだと思います。
この記事は、「コンテンツマーケティングっていっても、ただコンテンツを作ればいいんじゃなくて、アフィリエイターさんたちがやっているように、ニーズを拾って成果に結びつけるような進め方が大切なんだよ」「そういうコンテンツ作りって、なかなかできる人いないんだよね」といったあたりを中心に読んでいただければと。
ソーシャルメディア上でご意見をくださった方々に感謝です。
でもまだ私個人としては、顧客をよく理解していない企業の中の人や制作会社や代理店が「コンテンツマーケティング」をやるよりは、(まっとうな)アフィリエイターさんに頼むほうが良いのではないかと考えています。実際に自分でそれを実行したわけではないので、自信をもって「そうである」と断言できないですし、その実現可能性に関しても話せないのがアレですが。。。
この記事の内容は理想論的なものになっていますが、世の中がこういう感じになっていくと、いろんな人が幸せになっていいな、と思います。
もちろん当たり外れはあると思いますが、少なくともコンテンツ作りや消費者のニーズ理解が苦手な代理店や制作会社に頼むよりも、良い結果が出る可能性はあるのではないかと思います。
問題は、コンテンツマーケティングがより重要なB2Bの世界で、こうしたことができるアフィリエイターさんが、さほど多くないことでしょうか……。そこらへんは、やはり業界を理解している編プロをうまくつかまえていくか、メディアを使うのがいいのかもしれませんね……。うーん。
コメント
アフィリエイターとして納得、Web担当者としては難しい
私は、勤め先のWeb担としてHP作成、管理、Webマーケティングをする傍ら、個人としてアフィリエイトもしています。
で、アフィリエイターによるコンテンツマーケティングですが、意味すべきところとしてはそのとおりだと思います。SEOなどの技術はアフィリエイターのほうが優れているとは言い切れないので、全面的に同意はできません。
しかし、売り方を広げるという意味ではそのとおりだと思います。
多様に細分化されたニーズ、もともと意図していない使い道など、企業サイトでは拾いきれないセグメントごとに響くマーケティングができるのがアフィリエイトの強みですし、私の持つサイトでもそういったところはとても収益性が高いです。
そしてそういったセグメントへのマーケティングこそが企業がアフィリエイトに望むことです。
最初からターゲットにしているキーワード、顧客に対してそのまま売り込みをかけられてもバッティングするだけで企業としてもうれしくないです。(使用感のレポートなどならバッティングしても仕方ないですが、それでも収益がある以上完全な第3者の意見にもなりませんし)
しかし、勤め先のHPのアフィリエイトを開始したところ集まったのは何の工夫も無くアフィリエイトリンクを乱発するサイトばかり。
企業サイトで拾いきれないところへリーチするようなアフィリエイターはいませんでした。そんなわけで2年ほどでアフィリエイトは終了。
今思うのは、商品がアフィリエイトに向くか否かというところがあるかと。
たとえば、学校の教科書。
使用者は教育従事者に限られ、各社そこにはリーチしているので、アフィリエイトしたところでマーケットは広がらない可能性が高いです。
広がるかどうか、やってみないとわかりませんけどね。
勤め先では、学校向けの製品が、工業系企業に良く売れたりするので。
アフィリエイトをやってみるのはいいですが、成否は製品により大きく変わるだろうと思います。
そのとおり!
コメントありがとうございます(少し返信あ遅れてすいません)。
この記事(の方向性)に関して、やはりアフィリエイト業界の方からは「そうだよね、そういう方向にいけるようにしなきゃね」という反応が多く、発注側や広告系の方からは「いやいやいやいや、それは厳しいでしょ」という反応が多かったので、おっしゃるとおりの感じですね。
この記事を書くためにアフィリエイト関係の方にヒアリングしていたのですが、その方々は企業のアフィリエイトをコンサルティングするようなこともしている方々だったので、「この方向、いける」と思い込んで記事にしたのですが、実際のところ、そういう「企業にとっても価値のあるコンテンツを生み出せる有能なアフィリエイターさん」は限られているんですよね。
「小遣い稼ぎ」という姿勢でアフィリエイトをしている人を否定するわけじゃないですが、そういうタイプの人は、この記事でいう「協力してもらうべきアフィリエイターさん」とは違っちゃいますからね。
企業といい関係になれるアフィリエイターさんがもっと増えていくといいのですが。
感想
以前、LSフェアで安田さんのセミナーを聴講した者です。
>>昔の広告は、極論を言うと「こんな良い製品がありますよ、買いましょう」とメッセージを発信することでした(もちろん例外はありますよ)。
との事ですが、私は日本人の特徴とし、以下のように習い、実践してます。
>>CMから見る広告で一番大事なことは http://kawagoe.essay.jp/life/?p=943
こんにちは。コメントありがとうございます。 >
こんにちは。コメントありがとうございます。
> 「こんな良い製品がありますよ、買いましょう」とメッセージを発信することでした
あ、いや、そこは「極論を言うと」「例外もある」と補足しているように、ちゃんとやられている広告はたくさんありますし、幅は広いですよね。あくまでもコンテンツマーケティングの特徴を理解しやすくするための表現だととらえてくださいませ。