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Google Authorshipは復活するか(前編)

一度は終わったはずのGoogle Authorshipについて、グーグルのゲイリー・イリーズ氏による発言から改めて考えて見よう。
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、SEOmozの見解を反映しているとは限らない。

Authorshipのための「rel=author」タグは、サイトのコンテンツから削除しないほうがいい。

この発言は、グーグルのウェブマスタートレンドアナリストであるゲイリー・イリーズ氏によるものだ。ニューヨークで行われたSMX Eastカンファレンスにおいて、ダニー・サリバン氏と基調講演の質疑応答を行っているなかで出たこの言葉は、われわれの多くを驚かせた。

「rel=author」タグは、グーグルがGoogle Authorship(著者情報)機能の一部として使用していたもので、同社はこのタグを利用して、コンテンツの検索結果に著者のリッチスニペットを表示していた(可能な場合に)。だが、グーグルは2014年8月にこの機能のサポートを打ち切っていた。

「本当にそう言ったのか」とだれもが思わず驚いて尋ねたイリーズ氏の発言には、次のような続きがあった。

(中略)

なぜなら、グーグルが将来(「rel=author」タグを)再び利用する可能性があるからだ。

たしかに、グーグルのジョン・ミューラー氏も、グーグルが検索でGoogle Authorshipの使用をやめることを発表したときに同じことを勧めていた(正確には、タグを残しておいても「問題はない」と言っていた)。

だが、イリーズ氏の発言が多くの人に衝撃を与えた理由は、「rel=author」タグのサポートを停止して以来、グーグルがGoogle Authorshipや「rel=author」タグについて語ったことは一度もなかったことにある。

その後、僕がイリーズ氏とTwitterでやり取りした際に、十分な数のユーザーが何らかの仕組みを実装するようになれば、グーグルはその仕組みの利用を検討する可能性があるという説明を受けた。そこで、「rel=author」タグをまた使い始める人が増えたら、グーグルがこのタグを再び使う可能性があるということなのかと尋ねると、イリーズ氏の答えは、「そう考えてもらってかまわない」というものだった。

これが何を意味するのか、またグーグル検索でGoogle Authorshipの利用が再開されるかどうかについて僕の考えを述べる前に、Google Authorshipをよく知らない人のために簡単に説明しておこう。

Google Authorshipのこれまで

Google Authorshipは、グーグル検索で約3年間(2011年7月~2014年8月)利用されていた機能だ。著者やパブリッシャーがコンテンツにタグを挿入すると、コンテンツが著者のGoogle+のプロフィールにリンクされ、著者に関するより詳しい情報がグーグルに提供される仕組みだった。

その見返りとしてグーグルは、そのようにタグ付けされたコンテンツについては、著者情報のリッチスニペットを検索結果に表示する場合があると述べていた。リッチスニペットの形式は、Google Authorshipが使われていた3年間に何度か変わったが、大まかにいえば、検索結果の横にプロフィール写真が添えられ、タイトルの下に著者名が表示されるという構成だった。また、表示された著者名をクリックすると、著者に関連するコンテンツが表示される機能もあった。

Google Authorship表示の例

Google Authorshipsがグーグルの公式ブログで発表されたのは2011年6月のことだ。だが、オサー・ハンソン氏はそのブログで、グーグルが「rel=author」タグのサポートを開始することを明らかにしたものの、どのように利用するかについては具体的に説明しなかった。

その後、2011年7月に公開された動画で、ハンソン氏とマット・カッツ氏は、Google+が著者を確認するためのハブになると説明し、適切にタグ付けされたコンテンツであれば、グーグルが著者情報のリッチスニペットを検索結果に表示する場合があると語った。

それから数か月の間に、「rel=author」タグを使用する著者が増えるにつれて、このようなリッチスニペットが表示される例が徐々に増えていった。3年間のプログラム実施期間中、グーグルはこのリッチスニペットでさまざまな構成を試みたほか、さまざまな検索クエリに対してどの著者やコンテンツを表示するか試していた。

SEOとオンライン・マーケティングのコミュニティがGoogle Authorshipに対する関心をよりいっそう高めたのは、グーグルが持つAgent Rank特許との関連が指摘されてからのことだった。この関連を初めて指摘したのは、ビル・スロウスキー氏だ。この特許は、特定の「エージェント」または「エンティティ」を識別するシステムに関するもので、それらの信頼度によってスコアを付け、そのスコアを検索順位の決定要因として使用すると説明されていた。

この特許に記載されているエージェントの種類の1つがコンテンツの著者であったため、この特許はSEOコミュニティの中で「オーサーランク(Author Rank)」として急速に知られるようになった。ただし、Google Authorshipとの関連が取り沙汰されたのは、前述の動画でカッツ氏とハンソン氏が、グーグルが将来Google Authorshipを検索順位の決定要因にする可能性があると述べたためだった。

Google Authorshipプログラムが実施されている間、いわゆるAuthor Rankに関する推測と、これが順位決定要因として「働く」かどうかという話が取りざたされていた。だが、カッツ氏はこの間、グーグルが将来利用するかもしれないという説明を繰り返すだけだった(Google Authorshipが直接的な順位決定要因として使われることは絶対にないと僕が考えていた理由については、こちらを見てほしい)。

グーグルがGoogle Authorshipから手を引く可能性を最初にほのめかしたのは、2013年10月ラスベガスで開催されたPubconカンファレンスでのことだった。このとき、マット・カッツ氏は「State of Search」(検索の状況)と題する基調講演で、近い将来、グーグルは表示されるGoogle Authorshipのリッチスニペットの量を「約15%」削減すると述べたのだ。カッツ氏によれば、試験的に実施した結果、Google Authorshipのリッチスニペットをその程度まで減らすほうが「検索結果の質が向上する」ことがわかったという。

実際、2013年12月初め、Mozのピーター・マイヤーズ氏が自身のMozcast Featuresツールで測定したところ、検索結果に表示されるGoogle Authorshipのリッチスニペットの数は、数日間で急速に減少していた。

同じ頃、グーグルは僕が「2階級著者情報」と呼ぶ機能を実装した。これは、第1階級の著者では引き続き完全なリッチスニペットを表示し、第2階級の著者では著者名だけを表示する(著者の写真はない)ものだった。

そしてついに2014年8月、筆者はジョン・ミューラー氏から直接連絡を受け、公開されるまで外部に漏らさないという条件で、いくつかの情報を教えてもらったのだ。その電話の際にミューラー氏は、Google Authorshipが停止になる24時間前には、僕に知らせると語った。さらに、僕に連絡してくれたのは、グーグル以外の人間でGoogle Authorshipに関する情報を発信している第一人者へ敬意を表してのことだと言い添えた。

この情報のおかげで、エリック・エンゲ氏と僕は、ジョン・ミューラー氏がGoogle+で公式発表してから2分と経たないうちに、Google Authorshipとその終焉に関する掘り下げた記事をSearch Engine Landに掲載することができた。この記事で、エンゲ氏と僕は、Google Authorshipの終了と、グーグルによる著者の信頼度の扱いに関する将来の可能性について見解を述べている。

この記事は、前中後編の3回に分けてお届けする。前編に当たる今回は、Google Authorshipの沿革について簡単に説明したが、中編ではGoogle Authorshipの復活の可能性について、後編ではGoogle Authorshipの将来について考えていく。→中編を読む

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