キャッチーで目を引くタイトル例 興味を引くのに効果的な見出しの付け方
連載筆者の中野氏に学ぶWebライティング講座が2020年10月14日(水)に開催されます。
文章で最初に目にする「タイトル・書き出し」。その1行目が読み手の興味を引けなければ、その先にどんな素晴らしいことが書いてあっても読んですらもらえません。つまり、一生懸命書いたあなたの文章も、残念ながら存在しないことと同じになってしまうのです。
今回は、次が読みたくなるタイトル・書き出しを10個紹介します。
次がどうしても読みたくなるタイトル・書き出しの10パターン
1. 話題性:世の中の注目が高いワードで引きつける
世の中で流行っているワードを使うだけで、それが相手を引きつけるフックになります。
- (例)iPhone 6を買う前に必ず知っておきたいこと
- (例)ギャレット ポップコーンを並ばずに買う方法
2. 数字:説得力のある数字を挿入する
数字は強力です。数字を入れるだけで、具体性と客観性が出てきます。
- (例)365日間、子どもが楽しく勉強し始める魔法の言葉
- (例)売り上げが1.5倍になる最新マーケティング
3. 損得:相手が一瞬で釘づけになる内容を入れる
人は自分が得をする(損しない)ことに興味・関心があります。そのため、相手が求めるものを徹底的に考えましょう。
- (例)ムリなく痩せられる優しいダイエット
- (例)売り上げの2割がムダな経費になっています
4. 疑問:答えをどうしても知りたい内容
すでにある文章を疑問系にするだけで訴求力が上がります。答えを知りたい欲求が文章を読むための動機になります。
- (例)新作スマートフォンを格安で手に入れる方法とは?
- (例)なぜ、“売り上げに直結する文章”が書けるようになるのか?
5. 対立:真逆の概念を結びつける
真逆な要素を組み合わせると、そこに新しさが生まれます。また対極を描くことで、その間の属性すべてを取り込むことができます。
- (例)“貧乏を選ぶ人”と“金持ちを選ぶ人”がいる
- (例)高校の国語の成績が段階評価で「2」だったが、今は文章のプロ
6. 逆説:相手の常識の意表を突く
相手が思わず「えっ!?」と聞き返してしまうほど、非常識なことは目を引きます。その非常識を論理的に説明できることが必須です。
- (例)ダイエットするには、週に一度は焼き肉を食べなければならない!
- (例)99%の人は大きな誤解をしています。相手の心を動かすのに、“文章力”はいらない!
7. 権威:信頼してもらうための根拠
すでに信頼されている権威ある人からの評価や、客観的な評価を提示することで、信頼されやすくなります。
- (例)売り上げランキング1位のタブレット
- (例)○○さん(有名人)がテレビで唸った食パン
次に紹介するのは、タイトルには適切ではありませんが、書き出しに活用できるパターンです。
8. 擬音:擬音から文章を始める
- (例)ガラガラガラーッ。私の中のプライドが一気に崩れ去りました。
- (例)ドンドンドン。まるで私の心臓が直接ノックされるような衝撃でした。
9. 会話:会話から文章を始める
- (例)「たった5時間で売り上げが上がるはずがない!」
- (例)「ここで英語を学んだ3ヵ月後、字幕が出る前に笑っていました」(○○さん42歳女性)
10. 名言:名言や格言から文章を始める(もじるのもよい)
- (例)飛ばねぇ豚はただの豚だ(映画『紅の豚』より)
- (例)文章力を身につければ、鬼にマシンガン
引用元:『売れる文章術』自著(フォレスト出版)
なぜ「タイトル・書き出し」が重要なのか?
私たちは第一印象(最初に覚えた単語/最初に触れた単語)に、大きな影響を受けやすいという特性があります。記憶しやすい/思い出しやすい、ということです。
これを心理学では「プライマシー効果(初頭効果)」といいます。書き始め(始めの数行)で興味を引くことができれば、「プライマシー効果」で、印象に強く残ります。
また、文章の1行目には、明確な目的があります。アメリカのセールスライター、ジョセフ・シュガーマン氏は次のように言います。
- 1行目の目的は、2行目を読ませること
- 2行目の目的は、3行目を読ませること
- 3行目の目的は、……
つまり、常に次の行を読んでもらえれば、最後まで読んでもらえるという理屈です。その意味では、1行目の目的(2行目を読ませること)を達成することが最も重要です。まずは1行目から2行目に読み進めてもらえない限りは、その後に続く文章は存在しないことと同じになってしまいます。
余談ですが、現代人の注意力が持続する時間(集中力の持続する時間)は8秒だそうです。なんとこれは金魚の9秒を下回ります。(2013年、カナダでマイクロソフトが実施した研究結果より)
2000年には人の集中力持続時間は12秒あったとも言いますから、これからこの8秒がさらに短くなる可能性も考えられます。
そうなればなるほど、書き始めで興味を引けるかどうかがより重要になってくるということです。ブログやメルマガの「タイトル(件名)」や「書き出し」をイメージしてもらえば、これまでの読み手としてのあなたの経験から「プライマシー効果」を実感できるかもしれません。
タイトルをつけるタイミング
ところで、あなたはどのタイミングでタイトルや書き出しを考えますか?
たとえば、メルマガが読まれる(開封)かどうかは、タイトル(件名)で、ほぼ決まりますよね。タイトル(件名)に興味を持てず、開封していないメルマガがきっとあなたにもあるはずです。
同じように、ブログが検索で表示されてもタイトルがつまらなければクリックしてもらえません。
読まれるか読まれないかを決定づけるほど重要なタイトル(件名)ですが、本文を書き始める前に、パッと思い浮かぶこともあります。しかし、多くの場合、最初にタイトルをつけようとして泥沼にハマってしまいます。
記事を書き終わったあとに、全体を見直しながら、「この記事を読んでもらうためのタイトル(件名)は何だろうか?」と考え、記事の中で目に飛び込んでくるワードを2~3つくらい選んで、それらをつなげて考えるのが、タイトル(件名)を作るコツです。
つまり、タイトル(件名)は最後に考えるのが吉ということです。
まとめ
最終回の今回は、簡単なのに効果的なテクニックをお伝えしました。
- 次がどうしても読みたくなるタイトル・書き出し10パターン
- なぜ「タイトル・書き出し」が重要なのか? → 私たちは第一印象(文章の1行目)に、大きな影響を受けやすいから
- タイトルをつけるタイミング → タイトル(件名)は最後に考えるのが吉
さて、4回にわたって連載してきた内容はいかがだったでしょうか?
連載をお読みいただき完成した文章に活用したり、今まで書いた文章に取り入れたりすることで、あなたの文章が最後まで読まれる確率がさらに引き上がります。
ピンときたどれか1つだけでも実践いただければ、きっとあなたの文章に変化がもたらされるはずです。まずは、何を実践するかを決めてください。そして、ぜひ、気軽にあなたの文章作成に取り入れてみてください。
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