オウンドメディアの目的・予算・ネタ集め、どーしてる? ライオン✕シックス・アパート✕ビットエー【対談】
オウンドメディアや自社ブログの目的は、商品認知やブランド認知、顧客との接点、顧客のサポート、顧客インサイトを知るなどさまざまです。しかし、思ったほどコンテンツが拡散しない、顧客からの反応が薄い、オウンドメディア運営に行き詰っている……そんな担当者は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、9/7(木)19:00から渋谷で行う「オウンドメディアを語り尽くす 夏のWeb担オフ会」のパネルディスカッションで登壇するシックス・アパートの壽かおり氏、ビットエーの飯野希氏、ライオンの内田佳奈氏による事前打ち合わせから、記事化できるギリギリの内容を紹介します。オフ会当日は、もっと裏話が聞けるはず!
夏のWeb担オフ会に興味がある方は、こちらから申し込みください。記事末でもオフ会情報を掲載しています。
オウンドメディアの目的とは?
――オウンドメディアをスタートさせた目的とは?
内田佳奈氏(以下、内田): 一般的なオウンドメディアの場合、ブランドへの送客やECへの送客で売り上げ獲得とかになりがちです。ライオンの「Lidea(リディア)」の場合、そこは主目的にしていません。構想当初から、「ライオンのロイヤルティを上げること」と「Lideaで得られたデータを営業やマーケティング、商品開発に活用すること」が目的でした。
壽かおり氏(以下、壽): シックス・アパートはCMSのMovable Typeを扱う会社なので、自社の情報発信ツールとしてもともと広報ブログ、製品ブログを持っていました。2012年にスタートした「Six Apart ブログ」は、会社や製品の話ではなく、CMSを使って日々コンテンツを発信しているエンドユーザーに役立つ情報を発信する目的で運営しています。
Six Apart ブログではオウンドメディアに関する情報を発信して、リアルではオウンドメディア勉強会を主催しています。このリアルのつながりができたことは、とても価値があると感じています。たとえば、コンテンツ作成や製品開発のヒントが得られますし、コンテンツの拡散にもつながっています。
飯野希氏(以下、飯野): ビットエーの「BITAデジマラボ」の最初はかなりふわっとしていました。「メディアを使って何かをしたい」ということだけは決まっていたんですが、やりたいことをメディアで達成できるかもわからない状態だったんです。なので、とりあえず小さく立ち上げて効果をみよう、という感じで2週間くらいでスタートしました。
BITAデジマラボをスタートさせるに当たって決まっていたことは、次の3つです。
- 新規事業につなげる。
- AIやチャットbotの分野で勝負する。
- 2、3か月で反応がなかったらやめる。
AIやチャットbotの分野を自分たちの得意分野にしたかったので、その分野でメディアを立ち上げました。とはいえ全員素人で、自分たちが知りたいところを純粋にインタビューして知見をためてきたという経緯です。結果的に、反応が良かったので継続することになり、後になって事業計画書を作りました。
予算はどうする? 広告予算の一部から取ってくる
――予算獲得で困ったことは?
壽: あります。他社さんでもよく聞きます。たとえば、コンテンツを社内で作るのか、外部に頼むのか。外部に頼む場合、予算が必要になりますが、それに対してどのくらいのリターンがあるか明示できないと予算獲得できません。
プロダクトにもよりますがオウンドメディアの場合、情報発信することで認知が広がって、ファンが増えたとしてもそれがすぐに売り上げにつながらないことが多いです。売り上げや他のコンバージョン数でオウンドメディアを評価されると、予算獲得は厳しいです。
じゃあ、どこから取ってくるかというと、広告予算の一部から取ってくることが多いですかね。広告の費用対効果が薄れている部分を、オウンドメディアに回す。一発花火の広告より、ストック型の長期的な広告としてオウンドメディアを捉えて、予算を取ってくるパターンが多いと思います。
コンテンツのネタ集めは?
――コンテンツのネタ集めってどうしていますか?
内田: ブランド想起につながる複数のキーワードをウォッチして、検索ボリュームが増す少し前のタイミングでコンテンツを作って、発信することはしています。しかしこれは、自分たちが想定したインサイトであって、新たな発見や広がりがないんです。
たとえば、制汗剤の「Ban」。以前は機能訴求が中心で、汗やにおいが抑えられるという情報の伝え方をしていました。しかし、今年からは「着たい服を着よう」というテーマに変えました。これは、「汗染み」というキーワードでソーシャルリスニングしていても、「制汗剤で対処」というワードが全然出てこなかったからです。
ソーシャルメディアで「洋服と汗ジミに関する投稿」が多く投稿されているのを見て、機能よりも洋服にインサイトがあるんだと気付いたんです。
飯野: そもそも自分たちの仕事の領域が、AIやチャットbotなので、自分たちが気になることやSNSで話題になっていることをコンテンツにします。あとは、ユーザーのニーズを調べるツールとしてオウンドメディアのコンテンツを使うこともあります。
たとえば、ある企画でA案、B案、C案のどれが刺さるのかを調べるために、それぞれコンテンツとして公開して、その反応を見て判断するといったことです。
作ったコンテンツを流通(拡散)させるには?
――作ったコンテンツを拡散させるために、どのくらいコストかけています?
飯野: うちはほとんどかけていません。やるとしたら、Facebook広告くらいです。記事のいいね!数が3桁あると、はくが付くというか、いい記事なんだと思われやすい。記事への流入を増やすよりも、ぶっちゃけ、いいね!獲得のために広告を出しています。
壽:読者にとっても、いいね!がたくさん付いている記事は、なんだかすごそうな気がしますしね。
一同: 笑
本当はもっと3人ともぶっちゃけトークしてくれていたんです。でも記事にできません……オフ会当日は、担当者ならではの裏話やリアルトークが繰り広げられるはず。
オウンドメディアを語り尽くす 夏のWeb担オフ会 9/7(木)19:00から渋谷で開催
久々に開催するWeb担オフ会のテーマは「オウンドメディア」です。120人のオウンドメディア関係者が集まって、日々の悩みを相談したり、仲間を作ったりするための場です。
パネルディスカッションでは、次のような質問内容を予定しています。
- オウンドメディアのKPIは? KGIは?
- 予算どうやってとってくるの?
- コンテンツデリバリーの比率は? かけている金額は?
- 記事つくりのネタ、ユーザーインサイトを知る方法って? など
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