【2018年版】meta descriptionの最適な長さは「300文字」または「グーグル任せ」か
グーグルの検索結果ページ(SERP)に表示されるスニペット(説明文)の平均的な長さが、2017年11月末に突然、増えた。
キーワード1万件(検索結果9万件)全体にわたって明らかに増加したが、動画のスニペットなど特異なケースも多くあった。
僕たちのデータでは多くのスニペットが300字を超えており、2018年からはmeta descriptionの新たな上限値を300字に設定することを推奨する。
2015年春、僕たちは「グーグル検索のスニペットに155字の制限がなくなったようだ」とお伝えしたが、データによると、これはかなりまれなケースだった。2017年11月末には、RankRangerのツールにおいて、検索スニペットの平均的な長さがかなり増加した(約230字へと)ことが報告された。要するに、実際には多くの長いスニペットが表示されているということだ。
ちなみに、たとえば「non compete agreement(非競争契約)」を検索すると、以下のような386字のスニペットが表示される。
Search Engine Landは、スニペットの処理方法が変わったことをグーグルに確認できたが、詳しいことはあまりわかっていない。今こそmeta descriptionの上限に関するガイドラインを見直すべきなのだろうか? 毎日追跡しているキーワード1万件のデータを詳細に検討してみた。
平均215文字、でも中央値は186文字
われわれの調査データは次のとおりだ。
- 日時: 2017年12月15日
- キーワード数: 1万件
- SERPの1ページ目に表示されたオーガニック検索結果: 8万9909件
- スニペットの平均字数(HTMLを除く): 215字
この調査で得たSERPのスニペット文字数は、RankRangerの数字より若干少なかったが、これまでの傾向をはるかに上回っている。
この数字は確かに興味深いが、考慮すべき多くの点が無視されている。
まず、長さの中央値は186字だという点だ。
つまり、一部の長いスニペットが平均値を歪めている可能性がある。また、その一方でかなり短いスニペットもある。
たとえば、Vail.comのスニペットを見てほしい。
Vail.comのmeta descriptionタグはこんな感じだだ。
ばかばかしいほど短いmeta descriptionを設定している人が多いからといって、そんなことはどうでもいい。僕たちが本当に知りたいのは、グーグルが長いdescriptionをどこで切り捨てているかだ。
そこで、切り捨てられたスニペット(文末の「…」で判断できる)を見てみよう。僕たちのデータセットでは、この段階で33%ほど(2万9664件)しか残らないので、このことから、途中で切り捨てられていないdescriptionが約3分の2を占めることがわかる。
途中で切り捨てられたdescriptionだけに目を向けると、平均値は292字まで一気に増える。切り捨てられたスニペットに限った場合の長さの度数分布グラフを見てみよう。以下のグラフは、切り捨てられたスニペットの長さを25字単位(0~25字、25~50字など)で示している。
300~325字の範囲で明らかに急増しているが、なぜ100~200字の範囲で(そして一部は100字未満でも)descriptionが切り捨てられているのだろうか? さらに掘り下げてみたところ、次の2つの理由が明らかになった。
スニペット長の例外1: 動画スニペット
200字未満の範囲で切り捨てられているdescriptionの一部を抽出して検証したところ、その多くが動画スニペットで、通常より上限が短く設定されているらしいことがわかった。
これらのスニペットは通常、最大2行のようで、動画のサムネイルが占めるスペースによってさらに制約がある。僕たちのデータセットでは、動画スニペットの実に88%が切り捨てられていた(文末に「...」が表示されていた)。
動画を別にすると、(動画の検索結果を除いた)オーガニック検索のスニペットで切り捨てられていたのはわずか32%だった。
スニペット長の例外2: 事前に切り捨てられたmeta
第2の例外は、一部のmeta descriptionタグが(おそらくCMSシステムによって)事前に切り捨てられたと思われることだ。そのため、こういった場合の「...」は上限値を示す根拠にならない。たとえば、以下のスニペットのような場合だ。
この検索結果項目のスニペットは、150字で切り捨てられている(以前の上限値に近い)。では、meta descriptionを見てみよう。
このGoodreadsのスニペットはあらかじめ切り捨てられている。僕たちのデータセットでは、Goodreadsのほぼすべてのmeta descriptionが同様で、CMSの設定によるものか、あるいはSEOチームが意図的にそうしたのかもしれない。いずれにせよ、僕たちの現状分析にはあまり役に立たない。
そこで僕たちは、あらかじめ切り捨てられたデータがないかを確認するため、元のmeta descriptionタグをすべて集めてみた。すべてのサイトからデータを収集することはできず、一部のサイトではmeta descriptionタグをまったく使用していなかったが、それでも不要な情報はいくらか取り除くことができた。
例外を除外したスニペット長の統計データ
では、例外を除外して調査してみよう。ここでいう例外とは、次のようなものだ。
- 動画のサムネイルが付いていて、途中で切り捨てられているスニペット
- meta descriptionが元から「...」で終わっているスニペット
これにより、調査対象のスニペットは2万6766件に減った(元の8万9909件の約30%)。長さの度数分布グラフは以下のようになる。
特に短いものはある程度クリーンアップしたが、劇的に変わったわけではない。200字未満で切り捨てられているスニペットは依然としてある。これらのスニペットの一部は、僕たちが元のmeta descriptionタグを取得できなかったものかもしれないが、それ以外は原則に則って切り捨てられたと思われる。
これらのスニペットの大多数は275~350字の範囲で切り捨てられている。不要な情報が除去されたこの分布グラフからは、次の結果が得られた:
- 平均値: 309字
- 中央値: 317字
左側に向かってまだ若干データが広がっているので、あまり標準的な分布ではないが、最も切り捨てられているのが300~325字の範囲であることは明らかだ。
350字を超えるスニペットはどうだろう? このグラフから読み取るのは難しいが、最大値は375字となっている。場合により、グーグルが独自の情報を追加しているスニペットもある。
上図のスニペットは全部で375字だが、「Jump to……(~に移動)」のリンクはグーグルが追加したものだ。これを差し引くと315字となる。
グーグルは、一部のスニペットの冒頭に検索結果の件数と日付も追加している。これらの文字は上限値に含まれないようだが、データポイントが少ないため、はっきりしたことはよくわからない。
そもそもmeta descriptionは重要なのか?
meta descriptionに記載する文字数の制限を改訂する前に、ここで厄介な問題を考えてみよう。その問題とは、次のようなものだ。
グーグルがこれほど多くのスニペットを書き直していると思われるなら、そもそもmeta descriptionタグを設定する価値はあるのだろうか?
僕たちはデータセット全体で、7万59件のmeta descriptionタグを元の形で正常に取得できた(残りのケースは多くの場合、サイト側でmeta descriptionタグを定義していなかっただけのことだ)。そのうち、meta descriptionの内容がスニペット表示でそのまま使われていたのは、わずか3分の1強(35.9%)だ。
ただし、これらのスニペットの中には、グーグルが途中で切り捨てているものあれば、データを追加しているものもあることに注意してほしい。
15.4%のケースでは、グーグルは元のmeta descriptionタグを利用したが、いくらかテキストを追加している。この割合は高いように思われるかもしれないが、これらのケースのほとんどはグーグルがスニペットの最後にピリオドを追加しただけだ。どうやらグーグルは、完全な文章にこだわっているらしい。
したがって、表示されるスニペットがmeta descriptionタグと完全に一致するか、あるいはmeta descriptionタグをすべて含んでいるケースは、最大で51.3%ということになる。
表示されるスニペットに、切り捨てられたバージョンのmeta descriptionタグが使われている場合はどうだろうか? このシナリオに合致したスニペットはわずか3.2%だ。
すべて合わせると、グーグルが元のmeta descriptionタグの全部または一部を使用しているケースは最大で55%近くになる。グーグルが元のmeta descriptionの一部を使用していたが、何らかの形でそれを修正したケースは含めていないので、これは実際より低い数字となっているだろう。
興味深いのは、元のmeta descriptionが短すぎる場合や説明が不十分な場合に、グーグルがmeta descriptionを書き換えるケースがあることだ。たとえば、次の検索結果を見てほしい。
では、元のmeta descriptionタグを確認してみよう。
この場合、元のmeta descriptionは短すぎたのでグーグルは採用しなかった。また、グーグル自らスニペットを作成したにもかかわらず、「...」で切り捨てている点にも注意してほしい。これは、スニペットが切り捨てられているからといって、グーグルがそのdescriptionを低品質だと考えている証拠にはならないことを強く示唆している。
逆に、非常に大規模なサイトの中にはmeta descriptionタグをまったく使用していないものもあるが、検索結果表示には何の支障もないように見えることは指摘しておくべきだろう。注目すべき例の1つはウィキペディアだ。このサイトでは、自動化せずにmeta descriptionを定義することはほぼ不可能であり、かといって自動化してしまうと、グーグルが作成するような水準のdescriptionはとても書けないだろう。
テクニカルSEOに関して言えば、何をするべきか(またはするべきでないか)の例にウィキペディアを挙げることには特に慎重になるべきだと思うが、meta descriptionタグがない場合、グーグルがサイトを評価して独自にスニペットを書けるほど十分な能力を備えていることは、データから明らかであるように思われる。
結局、行き着くところはコントロール権限にあると思う。重要なページの場合、優れたmeta descriptionを書くことは広告のコピーを書くことに似ている。そのコピーを作成することで関心を引き、クリックさせることに真の価値があるのだ。
しかしグーグルがそのコピーを採用するという保証はなく、その事実は苛立たしいことかもしれないが、ユーザーの方が有利な立場にあることに変わりはない。
155字の制限は死文化しているのか?
何か変更がない限り、(詳細は不明だが)部分的にはグーグルに確認できていることを考えると、長めのmeta descriptionタグを試してみた方が間違いないと思う。不要な情報を取り除いた度数分布を見た上で、区切りのいい偶数にすると、300字にしておけばかなり確実だと思う。切り捨てられるスニペットもあるかもしれないが、(必要に応じて)より多くの情報を提供できる可能性があることを考えれば、比較的小さなリスクは相殺できる。
だからといって、より多くの文字数を活用したいばかりにmeta descriptionを長くすればいいと言っているわけではない。スニペットは有用でクリックにつながるものでなければならない。これはある意味、あまり情報を明かしすぎないようにすることで、クリックを促す要素を残しておくということだ。
しかし、meta descriptionの文字数を制限している場合や、文字数が多いほど検索ユーザーにとって有益で関心を生み出すのに有効だと思う場合、僕なら間違いなく文字数を増やしてみるだろう。
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