Marketing Native編集部、インターンの當摩です。皆さんは手持ち無沙汰なときに、何をしていますか?スマホでゲームをしたり、読書をしたりと、時間の使い方はいろいろありますよね。
私は「Voicy(ボイシー)」というアプリで「ブログを聞いて」います。Voicyは「声のブログ」として知られ、ビジネスパーソンや就活生を中心に人気を集めているボイスメディアです。スマホ一つあれば、いつでもどこでも有益な情報が得られます。
今回の記事では、Voicyの魅力について、配信者や株式会社Voicyへのインタビューを交えながら、ヘビーリスナーである私、當摩が余すことなくご紹介します!
私のVoicy利用事情
Voicyでは、好きなパーソナリティをフォローし、放送を聴きます。まず、学生の私のVoicy活用方法と、Voicyに惹かれた理由をご紹介します。
Voicyを聴いているシーン
私がVoicyを聴いているのは、主に通学中です。自宅から学校までの移動時間は、短いようで長く、片道でおよそ30分はかかります。その移動時間を有意義に使いたいと考えているときに、Voicyと出会いました。
私が通っているのは都内の大学で、行きも帰りも電車は満員です。混雑した満員電車の中では、本を開いて読んだり、スマホを操作してニュースを見たりするのも困難なときがあります。しかしVoicyなら、両手がふさがっている状態でも、イヤホンさえあれば聴くことができます。音楽のように聴きながら通学することが可能です。
また、Voicyは再生速度の調節もできるため、その日のニュースをさっと網羅したいときは1.5倍速にして聴くなど、自分の都合に合わせて情報が得られるのも魅力です。
Voicyを聴く理由
私がVoicyを好んで使っているのは、日々の情報収集のためでもありますが、一番の理由は著名な起業家やインフルエンサーの方などの声を聴けるからです。
圓窓代表の澤円さんや北野唯我さん、経沢香保子さんなど、生で話を聴ける機会が少ない方々も放送しており、勉強になります。また、「声のブログ」ということもあってか、「ぶっちゃけた話」や「ここだけの話」をするパーソナリティも多く、オンラインでありながら、オフラインの講演を聴いているような体験ができます。
Voicyは誰でもチャンネルを開設できるわけではなく、多数の応募者の中からパーソナリティが選ばれています。そのため、質の高いコンテンツが多いと感じています。
私の好きなおすすめチャンネル
Voicyでは、さまざまな方々が放送しています。ここでは、私が聴いているおすすめのチャンネルを二つご紹介します。
私は、『転職の思考法』の著者である北野唯我さんと謎の男性Tさんがパーソナリティを務める「そもそもラジオ with T」のヘビーリスナーです。このチャンネルは『「そもそも論」や「キャリア論」についてぬるく考えるラジオ』をタグラインに、転職や話題のテーマについて切り込んでいきます。特に「優秀な人材ってなに?」という回での北野さんとTさんの意見は、キャリアについて深く考えさせられました。
もう一つおすすめなのが、落語家の桂三四郎さんが放送している「桂三四郎の喋りが上手くなるラジオ」というチャンネルです。喋りがうまくなるための意識の仕方やニュースについて、落語家の視点から放送しています。「話すのが上手になりたい!」と聴き始めたチャンネルでしたが、桂三四郎さんのぶっちゃけ話が面白く、ヘビーリスナーになっています。
そもそもVoicyとは?
私のVoicy活用シーンなどについてご紹介しましたが、ここであらためて、そもそもVoicyがどのようなメディアなのかを見ていきましょう。
Voicyとは
ボイスメディアVoicyを開発・運営しているのは、株式会社Voicyです。チャンネル数はおよそ200chで(2018年12月時点)、毎日新聞社や野村證券株式会社などのオフィシャルチャンネルから、著名な起業家やインフルエンサーといった個人のチャンネルまで、幅広く開設されています。
リスナーの多くはスマホで聴いています。そのため、Voicyのアプリはノンプロモーションにもかかわらず、iOSのニュースカテゴリで最高8位、Androidのニュース・雑誌カテゴリで最高20位を獲得しています(2018年2月時点)。
また、Voicyの中にはスポンサーが付いているチャンネルもあります。影響力の高いパーソナリティのチャンネルのスポンサーになることでリスナーへリーチできるため、広告手段としても注目されています。
人気チャンネルの例
Voicyには具体的にどのようなチャンネルがあるのか、デイリーランキング常連の中から例をご紹介します。
仮想銀座高級クラブ「かほこ」
キッズライン代表取締役社長の経沢香保子さんがパーソナリティを務めるチャンネルです。質問箱などから投げかけられた相談に対し、経沢さんが心のおしぼりと称して「基本、あなたの全てを褒めスタンス。悪口厳禁、話の筋は通す、秘密は墓場まで」をモットーに、基本的には優しく、時には辛口で答えます。
チャンネルのフォロワーは1万6000人を超えており、デイリーランキングでも常に上位をキープしています。
公式ITビジネスニュース
Voicyの公式チャンネルとして、毎朝8時にITやビジネスに関連したニュースを放送しています。パーソナリティはナレータの山本あづささんやSEの丸山雄一郎さんなど、曜日によって担当が変わります。
特にIT関係の情報収集をしたいビジネスパーソンに役立つチャンネルです。公式チャンネルの中では圧倒的な人気を誇り、放送されているニュースの再生回数は常に6000回を超えています。
Voicyならではの魅力
ラジオやPodcastなど、Voicy以外にもさまざまな音声メディアがあります。その中でもVoicyが人気を集めている理由として、以下の魅力が挙げられます。
パーソナリティを身近に感じられる
Voicyのパーソナリティは基本的に自ら企画し、自由に放送を行っています。そのため、台本が用意されているラジオに比べ、リスナーはよりリアルなパーソナリティの人物像を感じることができます。
パーソナリティの感情や思いを声に乗せて伝えられるのも、音声メディアならではの魅力です。
また、リスナーが放送に対してコメントできる機能があり、パーソナリティに感想を伝えることも可能です。放送の中でコメントへの返信を行い、リスナーとのつながりを深めているパーソナリティもいます。
放送時間が定まっていない
Voicyはラジオのように決まった放送枠がないため、パーソナリティの裁量で放送時間が変わります。そのため、パーソナリティのトークの盛り上がり次第でチャプターが増えていき、内容が広がっていきます。
コンテンツを何度も聞ける
Voicyは最新の放送だけでなく、過去の放送もストックされており、さかのぼって聴くことができます。ラジオ放送をPCやスマホで聴ける「radiko.jp」にもタイムフリー聴取機能がありますが、過去1週間の期限付きであることを考えると、画期的と言えます。
また、一度聞いたエピソードが消えることもありません。何度でも繰り返し聴けるため、印象に残った放送をあらためて聴いたり、復習したりすることも可能です。
配信者に聞いてみた!
実際にVoicyで配信を行っている方々にアンケートでお話を伺いました。Voicy総合ランキングで上位にランクインされている、人気パーソナリティの澤円さんとあやにーさんです。
画像提供:圓窓、加藤綾
澤円さん「澤円の深夜の福音ラジオ」
圓窓代表の澤円さんは、「ハッピーな気分の共有」をテーマに、Voicyで配信しています。
――澤さんがVoicyで配信を始めたきっかけは何ですか?
澤さん:
「TECHLABPAAK」というリクルート主催のベンチャー支援施設で、Voicy代表取締役CEOの緒方憲太郎さんがプレゼンしているのを聴いたことがVoicyとの最初の出会いでした。
そのとき「音声メディアに未来はあるの?」と少し意地悪な質問をしたのですが、サービスが始まってすぐ、その可能性に私が衝撃を受けることになり、禊としてパーソナリティをお引き受けし、配信することにしました。
――「人生を豊かにする福音を伝えること」をVoicyで発信されるテーマに設定された背景を教えてください。
澤さん:
私の人生のモットーが「最大多数の最大幸福」であり、多くの人をハッピーにするのを目的に生きることに決めています。
一度だけの人生であれば、多くの人たちとハッピーな気分を共有したいからです。
その一つの手段としてVoicyの配信も位置付けており、人々をハッピーにするために声を届けるのならば、まさに「福音」というワーディングがぴったりだろうということでタイトルにしました。
――プレゼンテーションの際はスライドや身振りを使って表現できますが、Voicyで発信できるのは音声のみです。音声のみで表現することの難しさや、Voicyだからこその魅力はありますか?
澤さん:
身振り手振りを使えない難しさも確かにありますが、裏を返せば声という一つの手段に集中できるとも言えます。アプリを使って何度も自分の声を確認できるという意味では、声を磨くためのトレーニングとしても位置付けられるので、結果的に本職であるプレゼンテーションにも活かせると思っています。また、より感情を声に込めることができるので、話すという行為へのリスペクトの度合いが上がった印象があります。
――Voicyで情報を発信したことによって得られた効果や反響など、実感された変化はありますか?
澤さん:
街中で、声を聴いただけで私だと気づいてくださった方が何人かおられました。
見た目で気づかれるのは自分でも想定内なのですが、声で気づいていただけるのは驚きでした。
出張先でも急に「Voicy聴いています!」と声をかけられたりすると、とても嬉しく思います。
――Voicyの配信に関して、今後の目標は何ですか?
澤さん:
できる限り長く続けることですね。
そして、新しいチャレンジ――例えば英語で話してみるとか、そんな試みもしてみたいと思います。また、たくさんの魅力的なパーソナリティの方々と対談をしてみたいです。
あやにーさん「#つれづれあやにー」
あやにーさんこと、株式会社Queendom代表取締役の加藤綾(かとう・あやか)さんは、23歳で起業したときの経験や失敗をもとに、Voicyでほぼ毎日配信しています。
――あやにーさんが、Voicyで配信を始めたきっかけは何ですか?
あやにーさん:
はあちゅうさんや株式会社CAMPFIREの家入一真さんがVoicyで配信しているのを見て、「私もやりたい!」とツイートしたのがきっかけです。Voicy代表取締役CEOの緒方憲太郎さんが私のツイートを見て、「やってみたらどうですか」とお声がけくださり、2018年1月から配信をスタートしました。
――「自分らしく独立、起業、副業など働くことを前向きに頑張る皆さんに向けた情報やノウハウのシェア」をVoicyのテーマに設定された背景を教えてください。
あやにーさん:
以前は雑談ベースで配信をしていたのですが、「Voicyは聞く人の時間を奪うものである」というほかのパーソナリティの方のアドバイスを受けて、テーマを変えました。「これまでの自分のキャリアや経験の中でもリスナーの方の力になるものを」との思いから、現在は働き方や副業をテーマにしています。
――あやにーさんがVoicyで配信する際に意識していることと、noteやブログといったほかの媒体と比べて感じるVoicyの魅力を教えてください。
あやにーさん:
これまではブログやSNSで主に発信していたのですが、Voicyはそれらの媒体に比べてリスナーの方々をより身近に感じることができる分、話すときの言葉遣いには気を配っています。リスナーからいただいた相談などに答えられるのも、Voicyならではの魅力です。メディアやブログといった読み物よりも、エンターテインメント性が高いのが、Voicyだと思っています。
――Voicyで情報を発信したことによって得られた効果や反響など、実感された変化はありますか?
あやにーさん:
いろいろなところで「聞いています!」とリスナーの方に声を掛けていただく機会が増えました。また、仕事の場面でもVoicyの感想を言っていただけたり、喜んでいただけたりする機会が増えたのも嬉しい反響です。配信回数を重ねるほど、それに比例して「前向きな気持ちで働きたい」または「前向きな気持ちで生きていきたい」という方が周りに集まってきてくださっているのも感じます。
――Voicyの配信に関して、今後の目標は何ですか?
あやにーさん:
まもなく配信し始めてから1周年を迎えるので、聞いてくださっている方により良質な情報を届けることを大切にしながら、新たなスタートを切られれば良いなと思っています。
Voicyの広報担当者に聞いてみた!
最後に、運営している株式会社Voicyにインタビューを行いました。広報を担当されている田ケ原恵美さんに、Voicyの魅力や今後の目標などについて伺いました。
――Voicyが現在のように普及するようになった経緯を教えてください。
田ケ原さん:
私がパーソナリティとして活動をはじめた2017年代は、パーソナリティの数も、放送されているコンテンツの数もあまり多くありませんでした。
ここまでVoicyが普及したのは、2018年1月に株式会社CAMPFIRE代表取締役の家入一真さんがパーソナリティとしてチャンネルを開設してくださったことが大きなきっかけです。家入一真さんに続いて、イケダハヤトさんやはあちゅうさんなど著名な方々もチャンネルを開設してくださるようになりました。
著名な方々が参加してくださるようになった後、2018年2月に資金調達に関するニュースを放送したときに、Twitter上で数多く拡散されたことも影響しています。「声のブログとして使われるようになった」と記載していたことから、「声のブログ」というキャッチーなワードが響き、多くの方に知ってもらえるようになりました。
また、日本ではまだ海外ほど普及していませんが、Amazon EchoやGoogle Homeなどのスマートスピーカーが登場したことも、Voicyの認知度向上に影響していると思います。「音声がこれから来るのでは」と注目してもらえたのではないでしょうか。
――Voicy自身で考えている、スタートアップの起業家やインフルエンサーの方々など、多くの方が「Voicyを利用したい」と感じる魅力は何ですか?
田ケ原さん:
「パーソナリティのその人らしさが伝わりやすいこと」です。
もともとVoicyは「いろいろな声でニュースを楽しめる放送局」というスタンスで始まったメディアです。しかし、2018年1月に家入一真さんやはあちゅうさんなどがパーソナリティとして参加してくださったのを機に、ニュースよりもブログ的な要素が強くなりました。まるでブログのように、その日あった出来事などをパーソナリティ自身の声で放送するため、パーソナリティの人間性がダイレクトにリスナーに伝わりやすいです。
また、文字だけのメディア上では一見とっつきにくそうな方でも、Voicyの放送で声を聴いてみると、印象が変わることがあります。音声の場合、内容の全体像を理解するにはしっかりと聴く必要があるので、「活字メディアに比べて誤解が生じにくい」というパーソナリティの方もいます。
VoicyはラジオやPodcastと異なり、収録した内容を編集することができません。上書きすることはできますが、一度収録したものが消えてしまうため、初めに録った内容をそのまま放送するパーソナリティの方もいらっしゃいます。
編集されないためパーソナリティの個性がコンテンツに出やすく、そうした点もパーソナリティ・リスナーともに愛される理由と考えています。
――Voicyの広告プランには、「スポンサー」があります。テレビCMとの違いなどを教えてください。
田ケ原さん:
広告もパーソナリティのメッセージとして発信されることを意識しています。
例えば、テレビCMの場合は番組内の枠を購入し、企業が視聴者に見てほしい映像や情報を放送しています。視聴者にとっては、番組の途中で流れるCMが違和感になり、録画の場合は飛ばしてしまう方もいるでしょう。
Voicyの場合は、パーソナリティのチャンネルにスポンサーになっていただきます。パーソナリティ自身がスポンサーの紹介を行うため、コンテンツの一部として違和感なくリスナーに聴いてもらえます。
スポンサーにはあくまでチャンネルの応援団として付いていただいているため、パーソナリティに対し、放送内容について指示することはできません。パーソナリティには、最低限のフレーズさえ言ってもらえれば、放送自体は何を話してもらっても良いというスタンスです。
そのため、同じスポンサーが付いている場合でも、チャンネルごと、放送回ごとに全く違った毛色の内容が放送されることがあります。
――企業チャンネルを開設したり、スポンサーに付いたりする以外で、企業がVoicyを活用する方法は何がありますか?
田ケ原さん:
実現している方法としては大きく二つあります。
一つは、社外報としてVoicyを活用する方法です。社外報として会社のカルチャーを外部に発信することで、会社自体のブランディングと採用に役立てられます。
当社でも社外報を放送しており、採用面でカルチャーフィットした人材が集まりやすくなりました。Voicyでの放送を聴いて「社員のテンションや働く雰囲気が面白そう」と感じ、応募してくれるため、入社後も違和感なく働ける方が多いです。
もう一つは社内報としての活用です。例えば、社長が一日で感じたことや思いなどを収録し、社内のメンバーに向けて放送すれば、組織の次のアクションや目指す方向性を共有しやすくなります。
特にスタートアップの企業は、人数が増えてくると社長と直接コミュニケーションを取る機会が減ってしまいます。音声のメッセージは活字以上に社長の人柄や感情を感じやすく、メンバーのモチベーション維持につながったという事例もあります。
――2018年10月に開催された「Voicyファンフェスタ」など、リアルイベントも充実しています。企画された意図と反響を教えてください。
田ケ原さん:
「Voicyファンフェスタ」を行った目的は主に二つありました。一つは、パーソナリティの皆さまとリスナーの方々の交流の場をつくることです。
Voicyはパーソナリティの方がコンテンツを放送してくださらないと、成り立たないメディアでもあります。パーソナリティの方々に継続的に放送してもらえるよう喜んでいただくには、リスナーの方々と交流できる場を提供したほうが良いと考え、開催しました。
「Voicyファンフェスタ」を開催した二つ目の目的は、パーソナリティの方同士がつながる場を提供することです。「Voicyで放送していたからこそ、出会えた人がいる」とパーソナリティの方に感じてほしいと考えたためです。
北野唯我さんと紗倉まなさんのように、イベント出演をきっかけにコラボ放送を行ってくれた方も多く、新たな交流が生まれて良かったと思います。
イベントの開催で目に見えた反響としては、Twitterのトレンドで「#voicyファンフェスタ」が1位を獲得したことが挙げられます。
音声メディアは3行まとめやグラフィックレコーディングといった形で二次創作されやすいという特徴もあります。放送したコンテンツが二次創作の形でTwitter上に流れると、パーソナリティの方々がリツイートなどで拡散してくださるため、イベント当日も同様の流れで広まり、大きな反響を呼んだのだと思います。
また、2018年8月から11月にはオンラインサロンも開設していました。第1期として、まずは4カ月間限定で開設しましたが、Voicyのことを応援してくれていて、Twitterでも積極的に発信したり、シェアしたりしてくれるリスナーの方が50人ほど集まってくれました。行った活動は、パーソナリティを紹介する記事(note)の執筆や、Voicyのチャンネルでの放送などです。
好評により、今年第2期募集も準備中です。
イベントなどとは少し異なりますが、「Voicy応援団」というコミュニティもあります。ファンの方々に月額制で支援金(一口1000円~)をいただく代わりに、特典としてメールマガジンを送付したり、イベントの特別参加チケットを優先的に案内したりする仕組みです。
「Voicy応援団」でも多くのファンの方から支援をいただいています。Voicyのことが本当に好きで、「Voicyに関われることが嬉しい」という愛にあふれる方々に支えてもらえているサービスであることを実感します。これからどのようにお返しをすべきか、わからないくらいに感謝しています。
――株式会社Voicyの今後の目標を教えてください。
田ケ原さん:
音声はワンフォーマットで多メディアに発信できる媒体です。
例えば映像の場合、テレビで放送されていたものは、YouTubeなどの限られたメディアでしか、違和感なく放送できません。テレビドラマなどを音声だけで聞いても、すべての情報を補完するのは難しいでしょう。
しかし、音声は違います。ある日突然、机の一部がスピーカーのようになり、ニュースが流れるようになっても、聞いた人は違和感なく情報を取得できます。私たちは、それが音声の強みであると思っています。
今後、IoTによって日常生活のあらゆるものとインターネットがつながる時代が訪れれば、情報収集の主戦場は音声になるでしょう。朝、起きてから会社に到着するまで、スマホを見なくても、音声だけで情報収集ができる状態になります。
以前、リスナーの方が「ブログやTwitterを追う通勤からVoicy通勤に変えたら、車窓に初めて富士山が見えた」といったツイートをしてくださったことがありました。これは、Voicyが視界を解放し、新たな生活スタイルを生み出したと言えるのではないでしょうか。こうした反響も踏まえて、私たちは最終的に「生活で必要な情報がすべてVoicyから流れている」という状況をつくりたいです。だからこそ、現状はコンテンツを充実させたり、企業の方々に音声の魅力を知ってもらったりして、「音声市場に参入したいな」と感じてほしいと思っています。
2019年は音声メディア飛躍の年になる可能性大
コンテンツを届ける手段は活字に限らず、イラストや動画など多様化しています。その中でスマートスピーカーが登場し、音声を介したコンテンツの普及にも寄与しました。
Voicyが現状のように熱烈なファンに支持されるようになった背景には、音声だからこそ体感できるパーソナリティとリスナーの距離の近さがキーであることが、取材を経てわかりました。
隙間時間を効率的に使うことを求めている現代人にとって、音声メディアは情報の収集源として今後一層普及する可能性があります。もしかすると「一家に一台、スマートスピーカー」という時代も訪れるかもしれません。
「声のブログ」Voicyのメディアとしての存在感はより強くなっていくでしょう。今後の進化に注目です。
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