マーケティングでAIはどう活用するべき? ZOZOテクノロジーズの野口さんに聞いた
さまざまな分野で活用が進むAI(Artificial Intelligence)。マーケティングの現場では、どの辺りからAIを活用していけばいいのでしょうか?
そこで今回は、2020/5/20(水)9:30からオンラインで行われる「マーケターが理解しておくべきAI活用の基本」に登壇する、ZOZOテクノロジーズの野口竜司さんに直前インタビュー! その内容をお届けします。
マーケティング領域におけるAI活用
――マーケターがAIを活用するシーンはどのような場合でしょう?
代表的なシーンとしては「顧客に関する予測」「需要予測」の2つが挙げられます。
顧客に関する予測
どんなお客様が、どういったタイミングで、何を求めているか、ということを予測して、それに応じたコミュニケーションをする、といったことです。需要予測
時系列で、どのようなトレンドが起こるのかを先読みすることで、施策を最適化することです。
今ここで挙げたシーンは、「予測系AI」に分類されるものです。予測系AI以外に、「識別系AI」「会話系AI」「実行系AI」の4つに大きく分けられます。
- 予測系AI
- 識別系AI
- 会話系AI
- 実行系AI
――予測系AI以外は、具体的にどんなものなんでしょう?
識別系AIは、「目」の代わりをするものです。たとえば、ある画像と類似するものを自動で判別して、分類やレコメンドなどができるようになります。また、人間が行う入力作業などの代わりをすることもあります。
会話系AIは、チャットボットなどがそれにあたります。お客様の発する言葉に対して、適切な返信をする、といったことです。
実行系AIは、物理的なオペレーションが該当します。たとえば、自動運転や倉庫の自動化などです。
データマートを構築していますか
――自社の保有しているデータが、全然使えないデータだった……ということはありませんか?
ありますね。「企業のデータやAIの活用の度合い」を知るために私がよく使っているフレーズがあります。
――そんな、魔法のフレーズがあるんですか? 教えてください!
「データマートを構築していますか?」と質問するのです。
データマートとは、さまざまなデータのなかから目的に応じた形式でデータを整えて、抽出したもののことを指します。
目的に応じた、加工済みデータを日々取得しているか、ということを問うことで、データ活用、AI活用のレベル感がわかります。もっと具体的にいうと、たとえば、ローデータから、目的別のデータが詰まった箱のようなものを用意できている状態のことですね。この目的別のデータはBIにおけるダッシュボードにも使えたりします。
――ROI(投資対効果)に見合う企業と言いますか、AIの活用が進んでいる業種などはありますか?
1人当たりのLTV(顧客生涯価値)が高い商材や業種であれば、多くの場合ROIに見合うはずです。たとえば、金融などでしょうか。また、1人あたりのLTVが少ない商材でも、件数が大量にある場合は有効です。予測モデルを使って、アプローチすべき人を見つけ、いつどのコンテンツでアプローチすべきなどを適切にコントロールしたり、逆にアプローチしないでいい人を見つけたりすることができます。
よく私は「引き算をする」という表現を使うのですが、たとえば、普段100万人全員に一律でアプローチをしている施策があったとします。予測モデルを使って、明らかにアプローチしても無駄な人が40万人見つかったとします。その40万人分を引き算できるだけで、その施策のROIは格段にアップするはずです。
2020年5月20日(水)9:30~10:30の講演では、次のようなことを中心にお話します。
- 本格AI活用時代へ
- 押さえるべきAIの基本
- マーケターがAIを使いこなすには
「本格AI活用時代」では、なぜAIを活用するべきなのか、ということをその時代背景を含めて解説してきます。「押さえるべきAIの基本」では、先にあげたAI分類をもう少し踏み込んで解説していきます。「マーケターがAIを使いこなすには」では、AIをどう作るかではなく、用意されたAIをどうやって活用していくかということを中心にお話する予定です。
――講演を聞くと、マーケターのためのAI活用の基本が理解できるということですね。
そうですね、ぜひご参加いただければと思います。
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