SEOの効率的クリーンアップ戦略6つのステップ【後編】③リンク切れ ④画像 ⑤メタデータ ⑥確認
この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。前編では、SEOのクリーンアップ戦略を効率化する6つのステップのうち最初の2つ、「サイト構造のクリーンアップ」と「不適切なリンクの削除」について紹介した。後編となる次回は、残る4つのステップを見ていこう。
SEOのクリーンアップ ステップ③
リンク切れを削除またはリダイレクトする
「リンク切れ(broken link)」とは、ウェブサイト上に存在しないページに対してリンクしている状態を指す。リンク先のページが、自分のサイトや外部のサイトの存在しないページや期限切れになったページになってしまっている可能性があるということだ。
(ここでは、自分のサイト内にあるリンク切れに関して述べる)
これらのリンクをクリックしたユーザーは、次のような404エラーの画面を見ることになる。
サイト監査を実施すれば、サイトにあるリンク切れを明らかにできるだろう。そう、リンク切れはどうしても発生してしまうものなのだ。こうしたリンク切れは、Google Search Consoleのクロールエラーレポートや、Moz Proのサイトクロール機能で簡単に発見できる(これらのツールは、404メッセージが返されるリンクを教えてくれるものだ)。
リンク切れが起こる理由はいくつかある:
- 入力したリンクのURLが間違っている
- リンク先のページが削除されている
- リンクしていた外部サイトが削除されている
- ファイアウォールによって、リンク先のウェブサイトやページへのアクセスが制限されている
理由が何であれ、リンク切れはサイトにとって何のためにもならない。リンク切れは、次のような問題を引き起こす:
- ウェブサイトのオーソリティを損ない
- 訪問者を苛立たせ
- 検索エンジンの検索順位にも影響を及ぼす
幸いなことに、リンク切れの修正は簡単だ。できることはいくつかある:
- リンクを削除してテキストだけにする。
- リンクの入力に誤りがあった場合は、リンクを修正する。
- リンク先が存在するが変更されている場合は、リンクを置き換える。
- 自分のサイト上にあるページへのリンクが何度もリンク切れになる場合は、リダイレクトを作成する(問い合わせページのURLを変更したことで、そのページへのリンクがすべてリンク切れになった場合など)。
SEOのクリーンアップ ステップ④
画像を最適化する
訪問者にアピールするには、ウェブサイトに画像が必要だ。ウェブサイトの視覚的側面は、掲載している情報と同じくらい重要な場合があるため、画像は適切に表示されなければならない。画像はまた、サイトのSEOをさらに強化する素晴らしい手段にもなる。
読み込み速度は、サイトでのユーザーインタラクションに大きな違いをもたらす。ページの読み込み時間が1秒から3秒に延びると、直帰率は32%も上昇するのだ! また、ページの読み込みに時間がかかると、特にモバイルデバイスで閲覧しているユーザーの直帰率が高くなる。
まず、ページ上の画像を「圧縮」して読み込み速度を改善しよう。
ここでいう「画像の圧縮」とは、次のような手法で画像のファイルサイズを小さくすることを指す:
- 画像の大きさ(幅と高さ)が画面に対して大きすぎる場合に、画像を縮小(リサンプリング)する
- 画像のファイルフォーマットを、より小さなファイルサイズになるものに変える(GIF → PNG など)
- 画像の色数を減らす(PNG、WebP などの婆愛)
- 画像の保存品質を下げる(JPEG、WebP などの場合)
- 表示に関係のないメタデータを削除する(画像ファイル内にサムネイルやEXIFなどのデータが含まれている場合がある)
※このメタデータはWebページのメタタグとは別のもの
こうした処理によって、
- ネットワークを通じてデータを転送する時間を短くする
- 画像を表示する処理を軽くする
といった効果があり、結果としてページの読み込み時間を短縮できる場合が多い。
読み込みが遅いと前述のような問題があるということは、言い換えれば、ウェブサイトができるだけ速く読み込まれるようにすることは、次のようなことを達成するために極めて重要だ:
- 訪問者を引き付け
- 訪問者を維持する
WordPressでは、画像をさまざまなファイル形式で圧縮できるプラグインが複数用意されている。外部の圧縮ツールを利用する場合は、画像をダウンロードして圧縮し、再度アップロードする必要があるかもしれない。
画像を圧縮する処理が無事に完了したら、少し時間を取って画像のaltテキストを更新することも検討しよう。
altテキストは、ページ内にキーワードを埋め込み、ウェブサイトのSEOを改善できる素晴らしい方法だ。
商品管理にShopifyなどのサイトを利用している場合は、商品画像などの媒体にaltテキストを簡単に追加できる。これは、何らかの理由で画像が読み込まれない場合、代わりにaltテキストが表示されるということだ。altテキストは、視覚障害者の体験を改善する手段でもある。
SEOのクリーンアップ ステップ⑤
重複するtitleとdescriptionを排除する
HTML内に記述するメタデータのなかでも、
- title要素(タイトル)
- meta descriptionタグ(説明文)
の情報は検索エンジンの結果に表示されるため、ページごとに異なる内容にする必要がある。
しかし、ウェブサイトにページを追加していくと「内容が違うページなのに、titleやdescriptionが同じのまま」という状況がうまれてしまうことが多くなる。知らないうちにtitle要素が同じになったり、meta descriptionタグの説明があまりにも似通ってきたりするために、サイトの品質が影響を受けることになるかもしれない。
ウェブサイトのSEOをクリーンアップする場合は、メタデータの重複を排除すると、検索結果での表示順位を押し上げて、グーグルに良い印象を持ってもらうのに役立つだろう。サイトの監査が済んでいれば、メタデータが重複しているページがクロールデータから明らかになる。
そうした重複ページをすべてスプレッドシートにまとめておき、時間を見つけてページごとに異なるtitle要素やmeta descriptionタグを考えよう。誰が担当するにしても面倒な作業かもしれないが、SEOでの効果を考えれば、それだけの価値はあるはずだ。
title要素は、オンページSEOで最も重要な要素と言っていいため、細心の注意を払ってほしい。各ページのtitle要素を修正するときには、次のアドバイスを参考にしてほしい:
- それぞれ異なるものを作成する
- 最大65文字に収める
- (検索意図を反映させるために)冒頭にキーワードのテーマを置く
- ウェブサイト名やブランド名を末尾に記述する
meta descriptionタグは、SEOには次のように関係する:
- 必ずしも検索順位に影響を及ぼすわけではない
- 検索結果ページに表示されたときのクリックされやすさ(CTR)に影響がある
SEOの観点から言えば、CTRも検索順位と同じくらい重要だ。結局のところ、検索結果で1ページ目に表示されても、実際にクリックされないのであれば何の意味もない。meta descriptionタグにはキーワードのテーマを入れ、155文字ほどでページの概要を簡潔に説明しよう。
SEOのクリーンアップ ステップ⑥
すべてがちゃんと機能していることを確認する
これは当然のことのように思えるかもしれないが、すべてがちゃんと機能していると思い込んでいるだけの場合が多いことに、きっと驚くだろう。ウェブサイトの各要素が完全に機能しているかどうかを確認することは、サイトにアクセスした訪問者に優れた(すばらしい)体験をしてもらうために不可欠だ。
ウェブサイトの一部でも想定している効果が得られなければ、訪問者は苛立ちを覚え、必要な行動を取る前に離れていってしまうため、直帰率の上昇につながるおそれがある。グーグルによる評価が下がり、ひいては検索順位も下がってしまうだろう。
ページごとにちゃんと機能しているか確認してみよう。同僚や友人とともにコブラウジング(画面同期)ツールを利用して、サイトのユーザー体験を理解することだ。
特に、次のような機能をしっかりテストしよう:
- 問い合わせフォーム
- 登録ページ
- Eコマースのショッピングカート
- チェックアウト(購入手続き)
そうすることで、機能していない要素や改善可能な要素が明らかになる。
SEOのクリーンアップ戦略を定期的な作業にする
ウェブサイトは自宅のようなものだと考えよう。自宅なら、掃除するのは1年に1回だけではないはずだ(そう願いたい!)。
次のようなことに継続的に対応していくうえで、ウェブサイトには常にメンテナンスが必要になる:
- アルゴリズムのアップデート
- 消費者のニーズの変化
- 新たなビジネス目標
サイトのクリーンアップを定期的な作業にしよう。月に1回のクリーンアップを予定に入れておくことで(これにはプロジェクトスケジューリングツールが便利だ)、マーケティングチームは常に動的なSEO施策を施し、ウェブサイトのパフォーマンスを最高の状態に維持できる。GoogleアナリティクスやMozなどのツールを利用すれば、サイトのパフォーマンスを反映した正確なデータが得られるため、今後の戦略に活用できる。
これを日課にしてしまえば、質の高いリンク、オーガニック検索トラフィックの増加、オーディエンスの満足度向上を通じて、SEOの効果が現れてくるはずだ。なかなか魅力的なやり方ではないだろうか?
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