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トランプ氏のアクセシビリティ宣言の削除指示に全Web関係者が呆然
グーグル検索SEO情報②
トランプ氏のアクセシビリティ宣言の削除指示に全Web関係者が呆然
誰もがサイトを使えるようにすることが重要 (John Mueller on Bluesky) 海外情報
ホワイトハウスのウェブサイトに、驚くべき変化があったようだ。
トランプ氏が大統領就任初日に、ホワイトハウスのウェブサイトからアクセシビリティ宣言を削除させたというのだ。
実際に、過去には存在していたページが、現在のホワイトハウスのウェブサイトからは消えてしまっている。
Fidelity Investmentsのエンジニアであるマーク・ステッドマン氏が、次のように憤慨している:
この先4年間、ずっとこれを投稿し続けることになりそう。だけど……
#アクセシビリティ は「覚醒思想」なんかじゃない。こんな馬鹿げた話はやめよう。
デジタル #A11y (アクセシビリティの略語)は、「誰もがデジタル空間のあらゆるものを利用できるようにする」ために必要なもの。
でもこの政権は、自分たちがアクセシビリティを必要とする状態にならなきゃ、その必要性に気づかないんだろうな。
Feel like I’m going to post this for next 4 years. But…. #Accessibility is not woke. Stop this non sense. Digital #A11y is needed to ensure everyone can use anything in digital space. But this admin won’t figure that out until it effects them.
— Mark Steadman (@steady5063.bsky.social) January 22, 2025 at 11:04 PM
こうした動きを受けて、グーグルのジョン・ミューラー氏も投稿している:
人々に自分のウェブサイトを利用してもらい、収益を得たり(または知識を共有したり、ただ存在したり)したいのであれば、まずは誰もが使えるようにすることが重要だ。
デジタル・アクセシビリティは、すべての人にとって有益なものであり、一時的な流行でもなければ、単なるSEOでもない。
If you want people to use your website, so that you can collect more money (or share knowledge, or just exist), then first make it possible for people to use your website. Digital accessibility helps everyone; it's not a fad, it's not an SEO thing.
— John Mueller (@johnmu.com) January 23, 2025 at 6:38 PM
[image or embed]
トランプ氏やイーロン・マスク氏がどう考えているのかは知らないが、アクセシビリティは「多様性」ではなく「すべての人」に関係するものだ。
人は必ず年齢とともに視力が落ち、細かい操作がしにくくなっていく。また、突然の事故や病気で今までどおりに行動できなくなってしまう可能性は、だれにでもある。
ITやマーケティングの世界では欧米の先進事例に学ぶことが多いのだが、本件に関しては日本(や他の国)が真似をしないようにしたいものだ。
アクセシビリティはデジタル世界だけのものではないが、もちろんビジネスや公共を目的としたウェブサイトにとっても意味がある。このコラムでもアクセシビリティ関連のノウハウを過去に数回取り上げている。読み返してほしい:
- すべてのWeb担当者 必見!
GA4とSCでデータが異なるのはなぜ? 検索チームの2人がわかりやすく解説
仕組みの違いを理解して両ツールを使いこなしたい (Google Search Central on YouTube) 海外情報
「Search ConsoleとGoogleアナリティクスのデータの違い」について、グーグル検索リレーションズチームのダニエル・ワイズバーグ氏とチェリー・プロマウィン氏が動画で解説した。
Search Consoleもアナリティクスも検索トラフィックを分析できる。しかし、両者には次のような違いがある:
- データ取得の対象
- データ取得の方法
- データの処理方法
- 計測する指標
たとえば、次のような違いだ:
Search Consoleは、「検索結果で発生したこと(表示やクリックなど)」を「グーグルが」計測する
Googleアナリティクスは、検索結果をクリックした後に「サイト内で起きたこと(ページの閲覧や滞在時間)」などをブラウザのJavaScript(とCookie)を使って計測する
こうした違いから、一見すると同じ指標であってもレポートに乖離が発生することもある。ワイズバーグ氏とプロマウィン氏はこうしたことを解説しているのだ。
仕組みを的確に理解したうえで、どちらのツールも使いこなすことがSEO分析に役立つ。詳細を動画で確認しておきたい。
- すべてのWeb担当者 必見!
- 解析担当者に伝えましょう
グーグル、モバイル検索でのパンくずリスト表示を終了。役にたっていなかった
対応不要 (グーグル検索セントラル ブログ) 国内情報
グーグルは、モバイル検索結果にパンくずリストを表示しないように仕様を変更した。
変更理由を次のように述べている:
小さな画面では要素が途切れてしまうため、モバイル デバイスで検索するユーザーにとって役に立たないことがわかりました。
ほとんどの場合、スマホは縦画面で使っていてスクリーンの横幅が狭い。結果として、パンくずリストはすべて表示されず省略されしまい、検索ユーザーに価値を提供できていなかったようだ。
現在、モバイル検索結果で表示されるURLはドメイン名だけになっている:
なお、PC検索ではこれまでどおりパンくずリストが表示される。また、グーグル側の仕様変更であり、これに伴うサイト側の対応は発生しない。パンくずリスト用にマークアップしていた構造化データを削除したり更新したりする必要はない。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
SEOのやり過ぎはかえって問題を引き起こす⁉︎
過ぎたるは及ばざるがごとし (John Mueller on Bluesky) 海外情報
「SEOをちゃんとやるべきだ」というBluesky(ブルースカイ)でのSEO企業の投稿に、グーグルのジョン・ミューラー氏が注意を促すコメントをした。
次のようなやりとりだ:
(SEO企業の投稿)
SEOを活用していないなら、実質的に他のすべての競合に対して不利な立場にいると言える。しかし朗報がある。新しいウェブサイトにSEOを取り入れることで、ビジネスに良い影響を与え、長期的な成功へとつなげることができる。
(ミューラー氏のコメント)
「SEO対策」することで、何もしないよりもかえって問題を引き起こすこともある。
If you’re not using SEO to your advantage, you’re basically at a disadvantage to everyone else out there. The good news is that utilizing SEO for your new website can have a positive impact on your business and help you achieve success in the long run.
— Cadence SEO (@cadenceseo.bsky.social) January 21, 2025 at 5:41 AM
Though sometimes "doing SEO" will cause a site more problems than not doing anything at all.
— John Mueller (@johnmu.com) January 21, 2025 at 7:42 AM
ミューラー氏は皮肉を言いたかったわけではなく、正しい知識を身につけてSEOに取り組んでほしいと言いたかったのではないだろうか。
SEOのやり過ぎで問題になるケースは、実際にある(やりすぎの時点で「最適化」ではないのだが)。たとえば、次のような施策はウェブスパムポリシーに違反する:
キーワードはグーグルが関連性を判断する基本要素だ。リンクは言うまでもなく重要なランキング要因である。そもそもコンテンツがなければSEOは成立しない。しかし、ランキングを上げることを主眼としてやり過ぎると手動対策の対象になってしまう。
「がんばってSEOやったせいで、前よりも悪くなった」なんてことがないように、グーグル検索セントラルの公式ドキュメントを参照して、正しいSEOの知識を身につけておこう。まだ読んだことがなければ、まず次のドキュメントを読んでおくといい:
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
米ヤフー検索でも生成AIが回答を提供
検索エンジンでAIが回答する機能はもはや当然 (Search Engine Roundtable) 海外情報
米ヤフー検索も生成AIによる回答を提供するようになっている:
米ヤフー検索は、Microsoft Bingの検索システムを利用している(日本のヤフー検索はグーグルを利用)。AI回答でもマイクロソフトのCopilotを利用しているようだ。AIチャットモードに入ると、「Results from Microsoft Copilot(Microsoft Copilotからの結果)」という表記を見つけられる。
独自LLMではないにしても米ヤフーにもAI回答が導入され、検索エンジンでAIが回答する機能はもはや当然の時代に突入している。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
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「SEO vs. UX」と品質ガイドライン更新についての記事をピックアップ
- タブに隠れたコンテンツはインデックスされたとしても悪いUX
SEO観点では問題なくてもUX観点では問題あり
- すべてのWeb担当者 必見!
- Google検索品質ガイドラインが更新——新しいスパムポリシーを反映
サイトの評判の不正使用(寄生サイト)は低品質
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
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