フェイクニュースに「騙されたことはない!」、10・20代男性と50代・60代男性が主張【MMD研調べ】

「フェイクニュース」の認知がもっとも高いのは60代、一方で実際に接触したというのは10~20代。

MMD研究所は、「2020年 フェイクニュースに関する意識調査」の結果を発表した。フェイクニュースの認知、実際に触れた経験、騙された経験、今後見破る自信などについて、スマホを所有する18歳~69歳の男女1,116人から回答を得ている。

「フェイクニュース」の認知がもっとも高い世代は60代、接触経験は10~20代が最多

まず「フェイクニュース」という言葉の認知を聞くと、全体では「知っている」66.8%、「聞いたことはあるが詳しくは知らない」19.1%、「知らない」14.1%だった。世代別では「知っている」が最も多かったのは60代(n=173、72.3%)、次いで40代(n=267、68.2%)だった。「知らない」が最も多い世代は30代(n=213、19.7%)、次いで10~20代(n=232、15.1%)で、どちらかといえば高齢層ほど「フェイクニュース」の認知が高い。

実際にフェイクニュースを見聞きした経験の有無を聞くと、「見たことがある」39.2%、「見たことがない」60.8%。ただしフェイクニュースと認識できていないケースを考えると、実際はほぼ同数だと推察される。

年代別では「見たことがある」の最多は10~20代(n=232、45.7%)、次いで40代(n=267、45.3%)、30代(n=213、41.8%)が上位。一方で「見たことがない」の最多は60代(n=173、72.3%)、次いで50代(n=231、68.0%)と高齢層が続く。認知の結果と合わせると、「高齢層はフェイクニュースの存在は知っていても、情報を複数ソースで検証するなど、対策は行っていないため、見抜けていない可能性が高い」という状況が考えられる。

フェイクニュースを「見たことがある」と回答した438人に「実際に見たフェイクニュース」について聞くと、以下のような具体例が集まっている。時節がらコロナ関連が多かったが、芸能人・有名人関連、災害関連のものも多い。

  • 「コロナに効く○○など」(20代・男性)
  • 「コロナに関する、医療現場の状況」(50代・男性)
  • 「新型コロナウイルスは熱に弱いので、26~27℃のお湯を飲めば感染を予防できる」(40代・女性)
  • 「円周率がついに割り切れた!」(10代・男性)
  • 「芸能人の結婚」(20代・男性)
  • 「独身税というものが適応される」(30代・男性)
  • 「凶悪犯罪した人が人を殺してまた刑務所に戻るっていうフェイクニュース」(10代・女性)
  • 「東日本大震災時、放射能に関するデマ」(20代・女性)
  • 「東日本大震災の時、有害なガスが千葉県方面から流れているという情報」(40代・女性)

「フェイクニュースに騙されたことはない」10・20代男性と50代・60代男性が高い

「フェイクニュースに騙された経験の有無」を聞くと「騙されたことがある」32.6%、「騙されたことがない」67.4%。性年代別では「騙されたことがある」が最多だったのは30代女性(n=39、46.2%)、次いで40代女性(n=55、40.0%)、40代男性(n=66、37.9%)だった。「騙されたことがない」が多いのは50代男性(n=42、83.3%)、10~20代男性(n=50、80.0%)、60代男性(n=30、80.0%)、60代女性(n=18、66.7%)で、若年層・老年層で二極化した。

なお、フェイクニュースに騙されたことがあると回答した143人に、「フェイクニュースの拡散経験」を聞くと、「リツイートやいいねなどをして拡散してしまったことがある」12.6%、「SNSで拡散はしなかったが、友人や家族に話してしまったことがある」21.7%、「拡散した経験はない」65.7%となった。

全体に「今後フェイクニュースを見破れる自信はあるか」を聞くと、「自信がある」5.9%、「やや自信がある」27.7%、「自信がない」23.3%、「やや自信がない」43.1%で、自信がないという人のほうが多い。

これを性年代別で見ると、「見破る自信がある」(自信がある+やや自信があるの合計)は60代男性(n=85、49.4%)が最多。次いで10~20代男性(n=118、46.7%)だった。一方「見破る自信がない」と回答したのは30代女性(n=106、81.2%)、50代女性(n=119、79.8%)が上位だった。ここでも、老齢層と若年層の乖離が目立っている。

これらの数値からは、若年層は「キチンと見抜いて、フェイクだとして接した」である一方、老年層は「見抜けておらず、いまだにフェイクニュースを真実と思っている」という状況が、十分に有り得そうだ。

調査概要

  • 【調査対象】スマートフォンを所有する18歳~69歳の男女
  • 【調査方法】コロプラのスマホ向けリサーチサービス「スマートアンサー」での共同調査
  • 【調査期間】2020年9月3日
  • 【有効回答数】1,116人
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