ネット詐欺の最新動向、6割近い偽サイトが「官公庁」を偽装! 最も多かったのは「税関」【詐欺ウォール調べ】

携帯キャリアに偽装した詐欺から、定番の「国税庁」「日本年金機構」をよそおう詐欺に流行が変化?

セキュリティソフト「Internet SagiWall」(詐欺ウォール)を提供するBBソフトサービスは、2023年3月度のインターネット詐欺リポートを発表した。詐欺ウォールを利用しているユーザーのアクセス数値を集計し、詐欺サイトの動向を分析した内容となっている。

複数の「官公庁」関連の詐欺サイトが急増

それによると、2023年3月における「詐欺ウォールによる詐欺サイト検知数」は577万8,392件。2月と比較して67万3,820件増加していた。

内訳を見ると、複数の「官公庁」関連の詐欺サイトが急増。全体に占める割合が半数を突破し、57.33%に達している。1月に45.12%と増加傾向を見せていたが2月は5.19%と減少。それが3月に入ってまた急増している。2月は入学・入社シーズンを狙った詐欺(特に携帯キャリアに見せかけた詐欺)が多く、その反動が出たと思われる。

ここ数か月継続的に報告されていた「国税庁」の他、「関税局」「日本年金機構」など特に金銭を扱う機関が狙われているようだ。「電力会社」「銀行系(三井住友銀行、PayPay銀行など)」の増加も見られるという。

官公庁関連の詐欺サイトの割合

ブランド別ランキングを見ると、こうした動向を背景に受け、1位「税関」29.83%、2位「国税庁」21.71%となった。前月2月に1位だった「Softbank」は13.77%で3位に後退した。官公庁の詐欺が増えたぶん、携帯キャリアのフィッシング詐欺は減少を見せた形だ。

今回1位となった税関は、OSごとに手法を使い分けており、Androidでは偽セキュリティソフトのインストール、iOSでは偽サイトへのアクセスに誘導されるようだ。

フィッシングサイトブランドランキング
フィッシングサイトカテゴリ別構成比(5ポイント以上上昇したカテゴリ:黄色、5ポイント以上減少したカテゴリ:灰色)

こうした詐欺サイトの流行にはあまり規則性がなく、狙われる商材がどんどん変わっていくため、最新動向を把握しておくのが重要だ。BBソフトサービスでは被害防止のため、メールやSMSが正規のものか常に注意するよう呼びかけている。

調査概要

  • 【調査対象】公的機関などから提供された詐欺サイトURL
  • 【調査方法】詐欺ウォールを利用しているユーザーのアクセス数値を集計(Windows版:3.3.0 / macOS版:3.5.0 / Android版1.7.0 / iOS版3.2.0.4。および以上)
  • 【調査時期】2023年3月10日、14日、22日
  • 【調査数】計299件
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