楽天グループの2021年1-3月期(第1四半期)連結業績における国内EC流通総額は1兆1220億円で前年同期比22.4%だった。出店店舗数は2020年12月期から686店舗増の5万4480店舗。
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国内EC流通総額の四半期ベースの推移(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
国内EC流通総額は「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル(宿泊流通)、ブックス、ゴルフ、ファッション、ドリームビジネス、ビューティ、デリバリー、楽天24(ダイレクト)、オートビジネス、ラクマ、Rebates、楽天西友ネットスーパーなどの流通額を合算した数値。
ショッピングECの流通総額は前年同期比33.9%増と物販系のネット通販は大きく伸びた。ショッピングECは、「楽天市場」、1stパーティー(ファッション、ブックス、楽天24、楽天西友ネットスーパー、Rebates、チェックアウト、ラクマが対象。「楽天市場」の流通総額に占めるモバイル経由の比率は同2.8ポイント増の78.3%。
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2021年1-3月期の国内ECとショッピングECの流通総額について(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
「楽天市場」の流通総額に占める楽天カード決済比率は66.8%。
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楽天カード決済比率の推移(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
クロスユース率(当該月間の楽天スーパーポイント獲得可能サービスの利用者が、過去12か月間に他サービスを利用した場合をカウント)は73.5%。
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クロスユース率の四半期ベースの推移(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
新規購入者、1年以上「楽天市場」を使っていなかったユーザーの復活購入、1人あたりの月間購入額の増加、ユーザーの定着率(リピート購入)などが流通総額の拡大要因となった2020年12月期の決算。
前四半期(2020年10-12月期)に「楽天市場」で購入したユーザーが、2021年1-3月期(第1四半期)も利用した割合は約73%。2021年1-3月期に「楽天市場」「ラクマ」「楽天ブックス」を利用したクロスユースユーザーの割合は前年同期比で39.4%増だった。
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リピート購入率とECサービスのクロスユースについて(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
2021年1-3月期のユーザー1人あたりの購入金額は同15.5%増、購入頻度も同15.9%増。ユーザーの定着およびクロスユース、ユーザーあたりの利用が順調に拡大しているという。
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「楽天市場」ユーザー1人あたりの購入率額と購入頻度(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
2021年1-3月期に1回以上商品を購入したユーザー数の増加率は、「楽天市場」が同16.4%増、ブックスは22.6%、ファッションが47.9%増、ネットスーパーが55.6%増。
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ECサービスのユーザー数の伸び率(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)楽天モバイルの相乗効果
顧客獲得のペースは加速しており、累計契約申込数は400万を突破。5月11日時点で410万契約に達している。
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楽天モバイルの累計申込契約数の推移(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
楽天モバイル契約者に占める楽天サービス新規ユーザーの割合は2021年3月時点で18%。2020年3月-2020年9月に楽天モバイルを契約したユーザーのうち、契約後半年から1年以内に「楽天市場」を利用した割合は「3人に1人」など、クロスユースが拡大しているという。
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楽天モバイル契約者における新規、既存ユーザーの内訳(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
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楽天モバイルをきっかけとしたクロスユース(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)注力する物流
楽天グループは日本郵便と、物流拠点や配送システム、受取サービスの構築、楽天フルフィルメントセンター、ゆうパックなどの利用拡大に向けた取り組みを共同で進める。
この事業を推進するのが2社出資の合弁会社「JP楽天ロジスティクス株式会社」。まず、楽天グループが新設する完全子会社「JP楽天ロジスティクス合同会社」に、物流事業に関る権利義務を簡易吸収分割の形式で承継。7月1日に楽天、日本郵便が「JP楽天ロジスティクス合同会社」に出資し、翌日に「JP楽天ロジスティクス株式会社」へ商号変更する。
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楽天グループと日本郵便による合弁会社「JP楽天ロジスティクス株式会社」(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
三木谷浩史会長兼社長によると、楽天グループで生活用品や日用品を取り扱う「Rakuten24」などの直販店舗、「楽天ブックス」、ファッション通販サイト「Rakuten Fashion」、家電ECサイト「楽天ビック」の商品と、「楽天市場」出店店舗を対象とする物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」で受託する一部の荷物を自社配送している「Rakuten EXPRESS」の人口カバー率は約70%に達しているという。
ただ、残りの30%を自社配送でカバーするには「コストが相当かかる」(三木谷会長兼社長)。日本郵便の配送ネットワークを活用することで、「将来的には数百億円単位でのコストメリットを得られる」(三木谷会長兼社長)と言う。
なお、楽天グループは2023年までに、多摩・八尾・福岡の3拠点へ自動化・省人化の物流施設を開設する予定。
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物流拠点を拡充する(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
なお、楽天の総合物流サービス「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」を利用する店舗、出荷量は前年同月比で大きく拡大。利用店舗における流通総額も高成長を遂げているとした。
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「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」利用店舗数と出荷量の増加率(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
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「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」利用店舗の流通総額の伸び(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)好調のネットスーパー事業
楽天グループと西友が共同運営するネットスーパー「楽天西友ネットスーパー」について、2021年1-3月期流通総額の伸び率は前年同期比29.9%増。スーパーマーケット業界売上高の伸び率を大きく上回っている。
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「楽天西友ネットスーパー」の流通総額の伸び率(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)
需要拡大を踏まえ、2021年1月に神奈川県横浜市でネットスーパー専用の物流センターを稼働。2022年には大阪府茨木市で専用物流センターを稼働する予定。
楽天グループは子会社の楽天DXソリューションを通じて西友の株式20%を保有。楽天グループのネット事業で培ったOMO施策、データマーケティングなどさまざまなノウハウを生かし、西友、全国の食品や日用品等の小売り事業者におけるDXの推進支援を手がけるとしている。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:楽天の国内EC流通総額は1.1兆円で約22%増、ショッピングECは約40%増【2021年1Qまとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ
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