大ヒットを生むには、大胆な改革が必要だ――そんなふうに考えがちですが、地道な改善こそが安定的な成果を生む近道です。今回の「ネッ担まとめ」では、売り上げゼロから月商1000万円を達成した居酒屋の取り組みから、ビジネスに通じる「改善の本質」をひもときます。
地味な調整を積み重ねることが成功につながる
初月赤字も1年で月商1,000万円突破。渋谷『雲隠レ』に学ぶメニュー改善のデータ分析法 | 飲食店ドットコム
https://www.inshokuten.com/foodist/article/8008/
『雲隠レ』で特筆されるのが、目玉商品の新投入などといったド派手なメニュー改善ではなく、価格改定を含めた細かなメニュー改廃を積み重ねて成果を上げていることだ。
価格についてはすべてのドリンクやフードの単品原価を正確に算出し、それをもとに適正な値付けを設定。また、原材料費が高騰する中、原価割れしそうなメニューは価格転嫁をしており、例えば、売れ筋トップの「刺盛り」の価格はオープン時だと三種1,180円、五種1,630円だったが、現在は三種1,719円、五種2,200円に変更している。
一発の話題作りではなく、地味な調整を積み重ねる。こういう「変化がわかりにくい改善」を続けるのって、正直しんどいんですよね。
しかしこれをやりきれるのが本当の現場力。どこかで「派手な改善」を期待してしまう経営者が多いなか、泥臭いアプローチに徹する判断ができるかどうかが勝負の分かれ目かもしれません。
客単価増と客数増を両立させていることが大幅な売上増、利益増につながるわけだが、そのために鶴岡氏が駆使したのがデータ分析だ。メニューのデータ分析手法として真っ先に挙げられるのがABC分析(商品を出数によってグループ分けして分析する手法)だが、『雲隠レ』ではそこに顧客データを組み合わせたクロスABC分析をメニュー改善に活かしている。
商品を出数だけで分析するのではなく、「誰が」注文しているのかという視点を掛け合わせている。つまり「売れている商品」だけではなく、「お客さまを動かす商品」に注目しているわけで、これってECでもまったく同じですよね。
ただ売れる商品を探すのではなく、「LTVが高い顧客の選好」に注目する視点。データを「数字」じゃなくて「人の動き」として捉えているのが、成果を生んでいる理由です。
要チェック記事
「女にできる仕事じゃない」と言われて火がついた…老舗豆腐店・4代目が継いだ父の“頑固一徹な味”と挑む“新たな売り方” | 東洋経済ONLINE
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自動販売機のビジネスはまだまだこれからの領域。新しい取り組み事例に注目していきたいところです。ECとも相性良さそうですよね。
【Z世代のホンネ調査】飲み会はもう古い? 次に来る大学生の夜遊びは「パブゲーム」昭和・平成世代が知らない夜遊びの最新事情とは | RECCOO
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000235.000033607.html
カラオケっていまだに大学生の遊びのド定番なんですね。このデータを見て、少しだけ安心してしまいました。あとは「見せ方の違い」でしょうか。
「1秒でも早く脱ぎたい!」グンゼ『アセドロン』猛暑のインナーを変えた新機能… 200万枚突破、大ヒットのワケ | 東洋経済ONLINE
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単に「汗の不快をドロンと消し去る」が名前の由来だったんかい! アセドロンっていう「成分」の名前があるのかと思い込んでいました。
「AI時代に携帯料金が高かったらダメ」「楽天のデータが金脈」 三木谷氏が目指す“最強のAI”とは | ITmedia Mobile
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三木谷社長はまだまだチャレンジを続けている。大きな時代の変化を経ても対応していく姿に感服します。
仕事がはかどる耳栓? 4年で売上200倍、欧州発ブランド創業者に聞く日本戦略 | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2507/31/news048.html
F1チームと契約した「イヤーウェア」という市場の話。会員登録が必要ですが、ぜひ読んでもらいたい記事です。
夜の飲み会に使う「時間とお金」を朝使うとどうなるか? | デイリーポータルZ
https://dailyportalz.jp/kiji/nomikai-in-the-morning
時間もお金も効率的に使えそうですよね。ただ、やっぱり仕事が終わった後に遊びたいよなぁ。
今週の名言
「昔は一発屋みたいな」「今は3割バッターくらい」 ヒット企画連発のオリックス・バファローズの広報宣伝部。どんな秘訣があるのか話を聞いた | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/889770
「挑戦を楽しめる楽天的な人間が集まっていて、エラーはあまり恐れずに何度でもトライする社風です。場数を踏むと、中には当たるものもある。当然しっかりと戦略的に取り組んでいることもありますが、基本的に“まずはやってみよう“というスタンスを重視していますし、強みはそこだと思います。
昔は一発屋みたいな感じでやっていた時期もあったのですが、成功体験、失敗体験を重ねて経験値が増えてきて、最近は打率も上がってきています。3割バッターくらいにはなっているんじゃないですか(笑)」(花木氏)
「挑戦することそのもの」もそうですが、大切なのは挑戦から「何を得て」、どう次につなげていくか。
「3割打てるようになるまで、空振りしてもバットを振り続けられるか」だと思うんですよね。最初から3割打てるわけじゃない。1割の期間を経なければ、3割バッターには到達しない。
企業文化として「成功の条件」を内包できるかどうかが、長期的な競争力を決めるのではないでしょうか。
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オリジナル記事:ヒットは「奇跡」ではない! 1年で月商1000万円を突破した渋谷の居酒屋「雲隠レ」に学ぶ、小さな改善の積み重ね【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ
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