購入のための情報はインターネットを重要視/『CGM市場動向分析2006』ハイライト
『CGM市場動向分析2006』ハイライト
2005年以降、ブログやSNSを代表とするConsumer Generated Media(CGM:消費者発信型メディア)が拡大しつつある。これにともない、テレビやラジオなど従来のマスメディアとは別に、CGM市場が注目を集めている。CGM利用動向の実体、その利用者はいかなるものか。2006年9月に発行された『CGM市場動向分析2006』の中から、個人のCGM利用者の実態と利用動向を探る。
インプレスR&D
インターネット生活研究所
調査概要
調査方法 | インターラクティブウェブ調査(メールメディア登録者へのメール配信によるアンケートサイトへの誘導、アクセス メディア インターナショナルの保有するデータベース、及び各社アンケートパネルからの条件抽出によるメール配信、アンケートサイトへの誘導) |
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対象 | 自宅からインターネットを行っている13歳以上の男女個人 |
期間 | 2006年4月4日~4月10日 |
有効回答数 | 1,705 |
情報発信力定義
CGM利用者は若年層を中心に50代まで幅広い
本調査書の結果から、個人のインターネット利用者1705サンプルの内、コミュニティやコミュニケーションサービス、掲示板(オープン型)、チャット、メッセンジャー、SNS、メーリングリスト、ブログ、個人ウェブサイトの開設などのCGM利用率は49.4%であることがわかった。
そしてCGM利用者は非利用者に比べ10代、20代、30代までの若年層が多い傾向がみられる点が特徴といえる(資料1)。
情報発信力レベル別でみるとさらに顕著で、レベル0とそれ以上では明らかに若年層の構成比が異なることがわかる。情報発信力レベルが高くなるほど、10代~20代の構成比も高まる一方、50代も意外な健闘をみせている。これは、比較的時間にゆとりのある世代であるとみることができる。
購入のための情報はインターネットを重要視
「インターネットを利用することにより利用が減った他のメディアは何かという設問に対しては、全体では24.0%が特に利用の減ったメディアはないと回答している(資料2、複数回答)。
一方、残りの76%の回答者において最も影響を受けているメディアは、最も利用時間が長かったであろうと推測される「地上波テレビ」であり、以下「雑誌」「新聞」と続く。
これをCGM利用有無別でみると、相対的に「雑誌」以外の全メディアでCGM利用者の減少が多い。それだけCGM利用者のインターネットに対する依存度が高いといえる。不思議なことに「雑誌」についてはあとにみるメディアの重要度でも、CGM非利用者よりやや評価している。
資料3と資料4は、メディアの重要度が情報分野により異なると考え、「ニュース:一般報道、時事情報」「購買のための情報」の2ジャンルに分類して重要度に関する調査を行ったものだ。
今回の結果は対象者がインターネットのアクティブユーザーであることを考慮しても、全体的に「インターネット」の情報源としての重要度は高く、「新聞」「雑誌」「ラジオ」をおさえ、「テレビ」の重要度とほぼ同等、または超える結果となっている。特に「インターネット」の重要度で注目したいジャンルは、「ニュース:一般報道、時事情報として」と「購入のための情報」である。
重要度をCGM利用有無別でみると、CGM利用者では相対的に「インターネット」と「雑誌」の重要度が高い。また、「購入のための情報」として「インターネット」は全体で最も重要度が高く、中でもCGM利用者は4.5とポイントが高い。
CGM利用者の27.3%は他者の購入に影響を与えている
資料5と資料6は、購買力レベルとCGM利用有無、情報発信力との相関をみたものである。
購買力レベルについてはここで詳しくは触れないが、最近1年間のオンラインショッピングの購買行動を軸に、購買頻度と購入金額が高い人は購買力レベルA、購買頻度は高いが金額が低い人は購買力レベルB、購買頻度は低いが金額が高い人は購買力レベルC、頻度が低く、購入金額も低いのは購買力レベルD、最近1年以内に購入していない人は購買力レベル0に分けたものである。
CGM利用者は、非利用者と比較すると購買力レベルが相対的に高いといえる。これを情報発信力レベルでみるとさらにはっきりとわかるが、情報発信力レベルが高いほど購買力レベルも高い。
ここでは他者への購入影響力をみてみる(資料7)。トレンド情報同様、自己評価とはいえ相対的にCGM利用者の影響力は大きいとみられる。特に「いろいろな人から意見や相談を求められ、自分のすすめた製品が購入されることが多々ある」比率が高い。
最も利用されているCGMはブログ
はじめにインターネット利用者のCGM利用率は49.4%であると述べたが、ここでは、2005年に入り個人メディアとして注目されるSNSと利用率の高いブログに特定し接触時間を見た(資料8、資料9)。
SNS利用者188サンプルに聞いた利用時間比率(1か月のインターネット利用時間の中で、そのサービスの利用がどの程度の比率を占めるか)を見ると、回答者の1か月のインターネット利用時間の中でのSNSの利用比率は、「10%未満」が主流となるが、情報発信力別で見ると、レベルが高くなるにつれ利用時間比率も上がる傾向が見られる。
ブログ利用者でも同様の傾向が見られる。2006年はmixiが会員500万人を突破し、株式上場するなどSNS業界は大きな動きを見せたが、現状では利用者数および利用時間比率で見ても、個人の情報発信メディアとしてはブログの普及率が高いといえるだろう。
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本調査報告書では『インターネット白書2006』のデータより、CGM利用者の動向に注目し、従来のマスメディアに対抗するメディアとしての視点やユーザープロフィール、企業のウェブ担当者の取り組み実態の把握を目的に、独自に設定した「情報発信力」レベルに分け、分析を行っている。
上記にある個人のCGM利用者データのほか、CGM利用企業を対象にしたCGMビジネスへの取り組み姿勢、サービス別のウェブサイトの用途、実施するアクセス誘導対策など多数の調査結果を掲載している。
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※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウVol.3』 掲載の記事です。
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