どんなコンテンツを、どのデバイスで、いつ見ている? 日本とグローバルのコンテンツ消費傾向を比較
本コンテンツ消費トレンドレポートは、コンテンツの戦略、制作にかかわる企業の担当者向けに、コンテンツ戦略を成功させるためのインサイトをデータから導くサポートのために作成されたものです。
コンテンツ制作者は、読者にとって興味深く、良質なストーリーを提供することが重要ですが、同時に、人々がどこで、どんなコンテンツをどのように消費しているのかを知ることも読者を知るうえでとても重要です。本レポートは、人々がどのようにオンライン上のコンテンツを読み、視聴しているかをグローバルの視点から分析しています。
調査結果のサマリー
世界的に、日中はPCからのコンテンツ消費が多く、夜間はモバイルプラットフォーム(スマートフォン、タブレット)からのコンテンツ消費が多い
日本では、PCからのコンテンツ消費は9時から17時の日中が多く、スマートフォンからのコンテンツ消費は、昼と20時から0時までの夜間が多い
スマートフォンとタブレットは携帯性という特徴から、類似したコンテンツ消費時間の傾向がみられた
日本は他国と比べて、スマートフォンからのコンテンツ消費が多い国である。世界平均が41%のところ、日本では53%のコンテンツがスマートフォンから消費されている
成熟市場では、iPhoneからのコンテンツ消費が多く、成長市場では、Android OSからのコンテンツ消費が多い傾向
エンゲージメントは、画面サイズが大きな影響をもたらす傾向があり、PCの方がスマートフォンやタブレットと比べて高い。この傾向はグローバル共通であった
セッション毎ページビューでは、日本はグローバル平均と比較して、PC、スマートフォンの両方において、エンゲージメントが高い傾向
滞在時間では、日本はグローバル平均と比較して、PCではエンゲージメントが低いが、スマートフォンでは高い傾向
日本のユーザーは、他国と比べてグルメや恋愛カテゴリ―のコンテンツ消費が多い傾向
コンテンツ消費ピーク時間
各国でコンテンツが消費されているピーク時間をデバイス別で比較してみた。世界の多くの国では、PCからのコンテンツ消費は日中にピーク時間があり、スマートフォンやタブレットからのコンテンツ消費は夜にピーク時間がある傾向がみられた。
1日のデバイス別コンテンツ消費時間
各デバイスの1日のコンテンツ消費を100%とし、時間帯別で消費傾向を分析した。
日本では、PCからのコンテンツ消費は9時から17時の日中が多く、ピークは昼の12時台。スマートフォンからのコンテンツ消費は、朝の通勤時間と昼にも多くなるが、主なコンテンツ消費時間は20時から0時までの夜間に多く、22時台にピークがある。スマートフォンとタブレットは携帯性という特徴から、類似したコンテンツ消費時間の傾向がみられた。
米国では日本のように昼の時間帯にコンテンツ消費の突出したピーク時間はないが、日本同様にPCからのコンテンツ消費は日中に多く、スマートフォンからのコンテンツ消費は夜に多い傾向。
スマートフォンからのコンテンツ消費
各国のスマートフォンからのコンテンツ消費傾向を分析したところ、日本は8か国中、イギリス、シンガポールに次いで3番目にスマートフォンからのコンテンツ消費が多く、53%という結果で、グローバル平均の41%を上回っている。ただし、スマートフォンの普及が世界中で急速に進んでおり、スマートフォンからのコンテンツ消費が増加している傾向がある。
スマートフォンのOS別コンテンツ消費
各国におけるスマートフォンのOS別コンテンツ消費を比較した。日本、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの成熟市場では、iPhoneからのコンテンツ消費が多い。
一方、ブラジル、インド、フィリピンなどの成長市場では、Android OSからのコンテンツ消費が多い傾向であった。これは、低価格で豊富な種類があるAndroid OSのスマートフォンが市場にでているためと推測される。
デバイス別のエンゲージメント
PC、スマートフォン、タブレットのデバイス別で、各国のセッションごとのページビューと滞在時間を分析したところ、スマートフォンやタブレットに比べて、PCの方がページビューと滞在時間がともに高かった。
スクリーンサイズが大きい方がより、エンゲージメントが高いということが推測される。
セッション毎ページビューでは、PCのグローバル平均は2.3 PV/セッション、一方スマートフォンのグローバル平均は1.8PV/セッションで、PCの方が高い。
滞在時間では、PCのグローバル平均が4.4分、一方スマートフォンでは1.7分という結果で、滞在時間でもPCの方が高いことがわかった。
日本とグローバル平均を比較すると、日本のPCとスマートフォンのPV/セッションは、グローバル平均より高い。スマートフォンの滞在時間は、グローバル平均よりも高いが、PCの滞在時間は、グローバル平均より低い傾向がみられた。
各国のトップコンテンツカテゴリー
各国で消費されたコンテンツのカテゴリートップ5を比較してみた。
コンテンツの消費カテゴリーは国ごとで異なり、その国の特性を表している。日本のユーザーは、他の国と比べてグルメや恋愛カテゴリーのコンテンツ消費が多い傾向がある。また、投資カテゴリーのコンテンツも多く消費されており、円安・株高を受けて、人々の投資への関心が高いことがうかがえる。
アメリカでは自動車、インドでは映画、シンガポールでは旅行、フィリピンではボクシングカテゴリーが他の国より多く消費されている。各国共通では、芸能などのエンターテイメントコンテンツが好まれて消費されている。
調査概要
本調査は、アウトブレインのグローバルネットワーク上の2015年4月1日~2015年6月30日の3か月間のコンテンツ消費傾向を分析したものです。アウトブレインは世界150か国で5億5千万人以上※のユーザーにディスカバリー体験を提供しています。
本レポートでは、グローバル全体でのコンテンツ消費傾向の平均を分析しているほか、日本、アメリカ、イギリス、ブラジル、オーストラリア、インド、シンガポール、フィリピンの8か国にフォーカスし、コンテンツ消費傾向を比較しています。
※出典:コムスコアMedia Metrix 2015年5月、PCのみ
- コンテンツ消費ピーク時間
- 1日のデバイス別コンテンツ消費時間
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