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キーワード広告で表示されるURLの重要性を見過ごすな(後編)

表示URLにキーワードを追加するのはクリック率にどう影響するのか? 表示URLのブランド効果はクリックにどう影響するのか?

この記事は前後編の2回に分けてお届けしている。キーワード広告に関するアイトラッキング実験の結果をお伝えした前回に続き、今回はさらに2つの実験を通じて、キーワード広告で表示されるURLの重要性について見ていこう。

URL内に説明的なキーワードを加えると、
クリックスルー率が低下する可能性もある

URLは注視時間が長いという事実を理解することは、単にブランド構築に関係する問題というだけではない。成果を高めようとしてURLを変更することもある。その際に最もよく用いられるのは、URLのドメイン名の末尾に説明的なキーワードを加えるという方法だ。グーグルのアカウント管理部門のスタッフの1人が、実際にこの戦術を試してみるよう僕たちに勧めてくれた。

経験から言うと、ドメイン名の前にキーワードを付け加えるのは、多くの場合うまくいかない。知名度やブランド価値の高いドメイン名の場合にはなおさらだ。しかし、ドメイン名の末尾にキーワードを加えると、クリックスルー率が改善するのはよくあることなので、試してみる価値は十分にあるだろう。

以下に示したのは、表示URLに関するテスト例だ。次に挙げた3つの広告は、表示URL以外の部分はまったく同じだ。このテストは、表示URLに「eye tracking(アイトラッキング)」というキーワードを加えることで、User Centricのアイトラッキングサービスを宣伝するキーワード広告のクリックスルー率が改善するかどうか確認することを目的としている。

いちばん上の広告は、単純にドメイン名だけを表示URLに用い、2番目のものはドメイン名末尾にキーワードを加えた。そしていちばん下の広告は、ドメイン名の前にキーワードを加えている。

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※Web担編注 本文では「表示URL以外の部分はまったく同じ」とあるが、実際はいちばん下の広告の説明文が他の2つと異なっている。

上記のキーワード広告のテストでは、

  • URLにドメイン名だけを使ったバージョンが最も良い結果を示した。
  • ドメイン名の末尾(パス名)にキーワード「eye tracking」を付け加えた2番目のバージョンは、クリックスルー率が約5%低下した。これは驚くにはあたらない。
  • このテスト結果でもっとも衝撃的だったのはドメイン名の前(サブドメイン名)としてキーワードを追加したバージョンで、クリックスルー率が25%以上も下がったのだ!

言うまでもないが、当社が使っているISPでは、追加したトップレベル・ドメイン名に対して料金が発生した。

表示URLに説明的キーワードを追加した際に生じるもう1つの不都合は、こういった形の「キーワード・スタッフィング」によってドメイン名が混乱し、キーワード広告のブランド機能が弱まるかもしれないということだ。

表示URL内のドメイン名がクリックスルー率に大きな影響を与える

iNest Realtyのために実施したあるテストの結果から、キーワード広告の表示URLにはよく知られたドメイン名を用いるのがいいことがよくわかる。

iNestの親会社RealEstate.comは、ドメイン名の認知度がはるかに高い。このテストは、キーワード広告で表示されるURLに、より強いブランド名を用いた場合の効果を測定するために行われた。テストで用いた広告を以下に示す。2つのキーワード広告で異なっているのは、表示URLだけだ。

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知名度の高いドメイン名「RealEstate.com」を表示URLに使った場合、すなわち下のキーワード広告の方が、クリックスルー率は20%高かった。

この情報だけを聞くと、下の広告の方がすぐれているように思えるかもしれない。しかし実際には、下の広告広告のコンバージョン率は惨憺たるものだった。というのも、グーグルの表示URLに関するガイドラインを順守するために、この広告のランディングページは、RealEstate.comのサーバー上に置く必要があった。そして、そのページはiNestとRealEstate.comの共同ブランドのページだったのだ。

ビジターは、あるURLが表示されている広告をクリックして、異なるブランドの情報を目にするのは好まない。その結果、iNestは20%増えたクリック数の分だけ料金を払わされたのに、実際に得られた成果は少なかったのだ。もしこのテストを続けていたら、すばらしいユーザー体験を提供することの重要性に関して、高い授業料を払うことになったかもしれない。

このテストからは、表示URLのなかに認知度の高いドメイン名を置くとクリックスルー率に好ましい影響がある、ということがよくわかる。

結論

アイトラッキング調査および他の2つのテストの結果から、表示URLはキーワード広告の重要な要素であることがわかる。テストのために表示URLを変えると、ドメイン名が混乱することでキーワード広告のブランド機能が下がる危険性がある。しかし、うまくいったテスト結果を活用した場合に得られるはずの長期的利益は、うまくいかなかったテストにかかった短期的な費用を容易に上回る。したがって、状況を注意深く監視しながら表示URLのテストを行うことは、多くのキーワード広告主にとって、努力に見合うだけの価値があるものなのだ。

追加情報へのリンク

キーワード広告の表示URLに関しては、下記のWebページでさらなる情報が手に入る(残念ながらすべて英語)。

User Centricのアイトラッキングサービスに関する情報は、下記のリンクから入手できる。

筆者について - ランディ・ピッカードは、User Centricの製品イノベーション担当バイスプレジデント。User Centricは、ユーザー体験調査の分野で業界をリードする企業である。ランディが目指すのは、ユーザー体験と検索エンジンマーケティングを結びつけることだ。1996年からユーザビリティおよび検索のためのWebサイト最適化に携わっており、SESサンノゼおよびSESシカゴをはじめとする検索カンファレンスには、いつも講演者として参加している。

用語集
ISP / PPC / URL / アドワーズ / アドワーズ広告 / キャッシュ / キーワード広告 / クリエイティブ / クリックスルー率 / クリック率 / コンバージョン率 / スポンサードサーチ / ドメイン名 / ユーザビリティ / リンク / 検索エンジン
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