検索順位が上がらなくても訪問者を増やせる5つのヒント
5月中旬に開催されたSMX Londonで、ランドはある大手ブランド2社についてコメントした。この2社は、それぞれが属する業界の一般的なキーワードにぴったり一致するドメイン名を持ち、そのキーワードで検索順位の2位と3位を獲得している。ランドは検索結果ページ(SERP)のクリックスルー率データを引き合いに出して、大きい方のブランドの検索順位が2位から1位に上がった場合、そのキーワードであとどれくらいトラフィックを獲得できそうか計算できるみたいなことを言っていた。
厳しい批判を浴びるのは覚悟の上で、僕はあえて「本当にそうか?」と尋ねたい。有名ブランドと無名ブランドのサイトが並んでいれば、認知度の高いブランドの方がはるかに多くクリックされるに決まっている。各ユーザーがどこをクリックするかは、指数減衰関数などでモデル化できるものでなく、タイトルや説明文、URL(それに、強いブランドに付きものの信用も)がクリックスルー率(CTR)に大きな影響を及ぼすだろう。
とすると、そこにサイトのCTRを高めるチャンスが見出せる。もし本当に50%以上の人が検索結果1位以外のリンクをクリックしているのであれば、それはつまり、与えられたクエリに最もよく合致するのはどのページかという検索エンジンの判断に、過半数の人が満足していないということだ。そうでなければ、前述のクリックスルー率データによると、検索結果を1つもクリックしない人が46.6%もいるっていうのは一体どう説明できるのだろうか?
かなり多くのサイトが、クリック獲得数を増やすため創意工夫をしているようだ。そこで今回は、検索順位が上がらなくても、任意のキーワードでビジターを増やすために使えるヒントをいくつか紹介しよう。
興味をそそる言葉を使う
可能なら、スニペット(検索結果で、ページタイトルの下に表示される短い説明文)に興味をそそる言葉を表示させよう。ターゲットフレーズが最初に出てくる場所の近くに、「売り」になりそうな言葉を置くんだ。下のスクリーンショットに例を示した。Wiiリモコンが剣にも絵筆にも使えることを知らせるより、Wiiリモコンの無料配送を謳う方が人々の関心を集められる(Amazon.comやGame.co.ukという名前に対して人々が抱きそうなブランド忠誠心には目をつぶるとして)。
強力なブランドを持っているなら、それを利用する
ユーザーが検索結果を見る前にクリックするサイトを決めている場合、競争の余地などないこともあるというのは心得ておこう。たとえば、ユーザーが「The Shirehorses」というバンドについて調べるとき、あらかじめWikipediaを見たいと思っていたら、検索結果が第3位でもWikipediaに直行する。
商品検索やショッピング検索でも、まったく同じようなことが起こりうる。この場合、検索ユーザーには特定の業者に対するブランド忠誠心があるからだ。たとえば、「canon 400d」で検索した場合、2位のAmazonは、1位のキヤノンに負けず劣らずのトラフィック量を獲得すると思われる。ここでも、やはりユーザーは最初から見たいサイトを決めているかもしれない。
しかし、このようにAmazonのような強いブランドに購入意図のあるトラフィックが流れるだろう場合でも、キヤノンはスニペットに「Canon EOS 400Dに関する詳細情報を見て、オンライン最安値で直接購入しよう」といった文言が表示されるよう工夫すれば、製品を調べている人からだけでなく、購入希望者からもさらに多くのクリックを獲得できるだろう。
サイトが役に立つことを明確に示す
グーグルのローカルビジネスセンターに登録して、自社のブランドで検索した結果の隣に地図とレビューが表示されるようにしよう。当然、自社のブランドで検索されたのなら自分のサイトをクリックしてもらいたいと思うだろうけど、次のような検索結果ならビジターに確かな信頼感を与えられる。
企業ブランドでの検索で、ユーザーが公式サイトを避けそうな例として、ロンドンにあるSketchというバーを見てみよう。Sketchの営業時間を調べるには、Sketchの公式サイトを見るのと、View Londonのページを見るのと、どちらが簡単だろうか?
PPC広告のキーワード自動挿入機能のように
さまざまなオーガニック検索キーワードに対応できるようにする
PPC広告には、キーワード自動挿入機能(DKI)という機能がある。広告文に検索に使われたキーワードを自動的に挿入して表示する機能だ。これを真似て、オーガニック検索版DKIをやってみよう。
たしかにグーグルは、可能な場合はスニペットとしてページのmeta discriptionタグの記述を使いたがっているが、2語以上からなるキーワードの検索については、検索と関連性のある説明を表示するために、ページから文章を抜粋してくる必要があることも多い。ターゲットとしている検索語について、よくあるバリエーションや一緒に検索されるキーワードなどを本文内で使っておけば、そのキーワードで検索されたときにスニペット内で強調表示され、高い関連性をアピールできるというわけだ。特に、儲けにつながりそうな検索意図が感じられるキーワードを文章内で使っておくのがコツだ(もちろん、特にその検索語をターゲットにしたい人なら、これを実行しているはずだ)。
次の例は、英国で「choose an engagement ring」(婚約指輪を選ぶ)を検索した結果3件を示している。ユーザーが知りたいのは、指輪の買い方でも指輪に関するエチケットでもなくて、どんな指輪を選んだらいいかというアドバイスだ。したがって、第3のリンクをクリックする可能性が高い。
SERP上で答えを「早出し」しない
たとえば検索者が、エベレストの標高が何インチかを知る必要があるとか、PHPの「strrchr」コマンドにおけるパラメータの順序を忘れてしまったとしよう。その場合、彼らはグーグルで以下のような結果を目にすることだろう。
検索結果のスニペットでもう答えが得られたので、クリックしてサイトを訪問する必要がなくなってしまった。これでは困るから、ユーザーを実際にページに誘導したければ、最初のアドバイスを逆に応用して、ページ上で検索語が最初に現われる場所のすぐそばに「答え」が表示されないようにしよう。同様の例(「height of mount everest in yards」と「str_replace」で検索)だが、こちらはスニペットから答えを得られない。
読者のみんなも、似たようなテクニックを使っていたとか、工夫次第で検索結果からのクリックを増やせるはずだと思われるサイトを見かけたとかいう経験があれば、コメント欄で教えてほしい。
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