某外食チェーンはなぜ値上げしても売上が増えたのか?ECでも使える安全性の「見える化」で売上をアップする方法
消費者は価格だけで商品を選んで購入しているわけではない。低価格競争から脱却するための鍵になりうるのが、消費者の「安全性志向」への対応だ。値上げを成功させた大手外食チェーンのマーケティング戦略は、ネット通販でも同様に成功事例が出てきている。
ファストフード店をよく利用する人なら、リンガーハットという外食チェーンに馴染みがあるだろう。「ちゃんぽん」や「皿うどん」を主力商品とする「長崎ちゃんぽん リンガーハット」を全国にチェーン展開している企業だ。その同社の集客力が、昨年暮れ以降、急回復しているのをご存じだろうか。
実は「リンガーハット」では、2009年10月に商品メニューを改め、値上げを実施している。東京23区の場合、それまで450円だった「長崎ちゃんぽん」が、550円と100円もの大幅アップとなった。「このご時世に値上げ?」と疑問に思う人は多いかもしれない。
にも関わらず、客離れが起こらず、むしろ売上が増加したのにはもちろん理由がある。同社では値上げと同時にグループ全店で使用する野菜をすべて国産化。安全性と美味しさを消費者にアピールしたのだ。少しくらい高くても、高品質で安心・安全なら消費者に受け入れられる。同社の成功は、「消費者は価格だけで商品を選んでいるわけではない」ということを、改めて思い起こさせてくれる。
インターネット通販の世界では、商品の価格比較が簡単にできる。それだけに、顧客獲得のために最も重要な要素は、価格だと考えられがちだ。しかし興味深いことに、現実はそうはなっていない。消費者は必ずしも価格が一番安いサイトで商品を購入するとは限らない。このことは価格以外の要素で差別化をし、売上アップにつなげられることを示唆している。
差別化の方法は、決済方法や納期、アフターサービスなどいくつもある。中でも最近、フィッシング詐欺被害の増加などにより重要性を増しているのが、「Webサイトの安全性」だ。日本ベリサインの調査したホワイトペーパーにも結果が載っているが、商品の値段が多少高くても、安全と見なされるサイトで購入したい消費者は3割にも上っている。同額なら安全性の高いサイトで購入すると答えた消費者も4割以上に上る。この7割以上もの消費者を、みすみす逃してしまう手はないだろう。
リンガーハットは「国産野菜」をキーワードに消費者の食の安全志向を捉え、値上げしても売上を増加させた。同社のマーケティング戦略は、低価格競争にあえぐネットショップにとっても大いに参考になるはずだ。事実、サイトの「安全性」を高めることでコンバージョン率を向上させた成功事例も出てきている。そして幸いなことにWebの世界では、それほど手間をかけずに安全性を高めるツールが普及している。特に安全性を「見える化」できるセキュリティマークはその見せ方も重要だ。
今回ご紹介するホワイトペーパーでは、プライバシーマーク、SSLのマーク、会社のロゴ、プライバシーポリシーなど、いったいどれを消費者は重視しているのかが明らかになっている。その他にも、セキュリティのマークをウェブページのどこの位置に貼り付けると効果的なのか、という事が成功事例とともに解説されている。消費者が何を重視して購入をしているのかを探るヒントになるので、ぜひウェブサイト担当者は参考にしてほしい。
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