SEOとPPCは共食いする? しない? など10+2記事(海外&国内SEO情報)
SEOとPPCは共食いする? しない?
11%の食い合いは多いか少ないか (Google Research Blog)
検索連動広告(PPC広告)の出稿によって純粋に獲得できるトラフィックを推測する研究の結果を、グーグルが発表した。
検索連動広告を出稿すると、それまでよりもトラフィックを獲得できるが、広告のクリックすべてが広告出稿により増加したものとは限らない。広告を出稿していなくても、オーガニック検索の結果からアクセスする人がいるからだ。特にナビゲーショナルクエリ(サイトに行くのにブックマークやURL入力ではなく、サイト名などを検索してたどり着こうとする検索)では、多くの場合に当該サイトがオーガニック検索の1位に出ているため、検索連動広告を出稿していると、本来はオーガニック検索結果からアクセスしていただろう人が広告をクリックしてサイトに来るケースが増えるからだ。
調査では、純粋に広告によって増えたトラフィックを表すのに、「広告を出稿していたクライアントが広告を停止した際に、オーガニック検索結果のクリックによって補われず、結果として減ってしまったトラフィック」を指標としている。調査はドイツ、フランス、イギリス、アメリカの4カ国で、2010年10月~2011年3月の間に行われ、その間に広告出稿を停止した446例のデータに基づいている。
前置きが長くなってしまった。調査の結果を端的にまとめると次のようになる。
検索連動広告を止めてもその分のアクセスの11%はオーガニック検索が埋め合わせしてくれるが、89%は埋め合わせしてくれない。
つまり、純粋に検索連動広告の出稿によって増えたトラフィックは、広告経由で発生したトラフィックの89%程度であると予測される。
この予測データをどう受け止めるかは各自の考え方によるだろう。
「広告を出したとしてもオーガニックのアクセスを共食いすることはほとんどないから積極的に出稿すべきである」ととらえることもできるし、少なからず奪い合いは発生するのだから「検索連動広告を出稿しても想定したトラフィックが100%完全に発生するとは限らない」ととらえることもできる。
調査結果のなかで興味深い点が1つあったので紹介しておこう。この「純粋に広告によって増えたクリック」率(IAC: Incremental Ad Clicks)の分布である(下図)。
調査対象全体の64%以上の例においてIACは90%以上を示しているものの、ごくわずかだがIACが30%台~50%台の例もある(つまり、広告がクリックされていたにもかかわらず、広告の出稿を止めてもさほどトラフィックが減らない)。こうした低いIACは、広告とオーガニック検索結果が非常に似ている場合や、前述のようなナビゲーショナルクエリの場合に現れるとしている。
日本語で読めるSEO/SEM情報
SEOの情報を集めなくなってわかったこと
あなたが本当にするべき業務は何か (インハウスSEOブログ)
企業内のSEO担当者を務めるインハウスSEOさんが、SEOの情報を追い求めるのをやめたことで得た気付きをブログに書いている。
今まで以上に自社の管理サイトと向き合う時間が増えた
「情報を収集する」ことが目的になってしまっていた部分があったなぁ、と、今更ながら反省
大切なのは、SEOをきっかけにしてWEBサイトの売上を伸ばしたり、使いやすいサイトに成長させること
Googleのアルゴリズムについて語るのがインハウスSEO担当者の仕事ではないはず
筆者のような人間は、SEOの情報を収集してそれを分かりやすく発信するのが仕事なのだ。しかし、このコーナーの多くの読者のように企業内または個人でサイト運営に携わっているウェブ担当者は、情報収集はあくまでもサイトのビジネス目的を達成するための手段の1つに過ぎないはずだ。手段が目的になってしまってはダメだ。
SEOに関する新しい仕組みやサービスの導入など最新の情報に追い着いていくことは、確かに大切だ。しかし、サイトからの集客を伸ばしたり売上をアップさせたりすることが最終的なゴールだということを忘れてはいけない。
ヤフーカテゴリも終わっちゃう!?
それはないはず (ヤフー検索)
筆者の仕事関係者が次のようにツイートしていた。
YahooのSERPSからYディレクトリ登録マーク(フォルダマーク)消えてないか?
確かに消えている。検索設定からもフォルダアイコンを表示させるオプションがなくなっている。
Yahoo!カテゴリ(Yahoo!ビジネスエクスプレス )の終了が筆者の頭の中を一瞬よぎったがそれはないだろう。Yahoo!ビジネスエクスプレス はヤフーの収入源の1つでもあるし、スマートフォンでもヤフーカテゴリが使えるようになったばかりである。
検索結果からYahoo!カテゴリのアイコンを消した理由は何なのだろうか? 気になるところだ。
ヤフーがリアルタイム検索を通常検索に挿し込む
昔のグーグルにもあった機能 (ヤフー検索)
日ヤフーは、リアルタイム検索の検索結果を通常検索に挿し込むようになった。筆者は、バカブログさんの記事で知った。
リアルタイム検索のサービスを提供していたときのグーグルにもあった検索結果の表示スタイルだ(ただし、こちらの場合は検索結果ページ内で随時リアルタイム検索結果が更新されることはない)。また更新時間順ではなくて適合度順で結果が表示されるので最新の情報が出るわけではないようだ。
どうせなら最新の情報をリアルタイムで動かしながら表示してほしかったと思わないでもない。また、リアルタイム検索が差し込まれる検索キーワードは、今のところかなり限られているようだ。
数百本のリンクよりも効果のあるSEO
際立ったテーマがものを言う (SEOの本質を理解するBlog)
記事の前半はスルーしていただいて構わないが(業界的には興味深い話題だが)、後半にぜひとも読んでいただきたい考えが書いてある。
先日、ホームページビルダーで自分なりに作成しました、というホームページのSEO対策の依頼が来ました。
私としては「SEO対策費(リンク)に投資する前に、WEBサイト制作に投資したほうが良い」と常々思っているわけなんですが、そのサイトを見て「これやったら多分上がるわ」とピンと来たわけです。
確かにSEOとかまったく知らない方が作られたのは分かったのですが、売りたい商品が明確なので、ページテーマという点で際立ってるんですよね。
「何を売りたいか?」「このサイトは何についてのサイトなのか?」というのが明確であればあるほどGoogleは評価してくれるので、それって数百本のくだらないリンクよりも強いわけでして、スタート地点としてはかなり有利といいますか、他のライバルサイトよりも強いわけです。
サイトのテーマを明確にし、それを伝えるコンテンツを作る。そういったことがSEO云々よりも先だというのは、まったくもってそのとおりだ。ユーザーを知り、ユーザーの方を向いているページだからこそ、結果的に検索エンジンも評価するのだ。リンクを買って順位を無理やり上げるのはなく、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供できているか、ユーザーにとって使いやすいサイトに仕上がっているか、極端に言えばSEOやPPCよりもこちらに先に集中して予算を注ぎ込まなければならない。
なかなかなくならないキーワード出現率へのこだわり
気持ちはわかるけど…… (グーグル ウェブマスター向け 公式ヘルプフォーラム)
キーワード出現率が10%を超えているから検索結果に出てこないのでしょうか?
グーグルのウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムにこのような質問が投稿され、長いディスカッションが繰り広げられている。
このコーナーでもしつこいくらいに取り上げているが、「ページの文章内における特定のキーワード出現率が何パーセントであれば上位表示に有利になる」ということは、少なくとも今の検索エンジンにおいてはない。1ページあたりの文字数が100文字だからダメで、3,000文字だからといいというものでもない。
「もう聞き飽きた」という読者の方には申し訳ないが、GoogleツールバーのPageRank表示と、キーワード出現比率の話題に関しては、滅多に耳にしなくなるまでこのコーナーで繰り返していくつもりだ。
ちなみに、ディスカッションを読んでいて、この質問の投稿者のサイトで気になるところがいくつかあったので記載しておこう。
キーワードの詰め込み
キーワード出現率がランキングに無関係だとはいえ、10%を超えるような割合で使われているとなると詰め込みが疑われ、キーワードスタッフィングとしてペナルティの対象になるかもしれない。alt属性の不適切なキーワード
alt属性に画像とは関係のないキーワードを記述し、しかも連発しているようだ。これもペナルティの対象になりうる。text-indent: -9999pxの使用
画像を画面の外に吹っ飛ばしてテキストと置き換える手法だ。これ単体でペナルティになるわけではないが、ガイドライン違反を疑われる他の要因と組み合わさるとペナルティを受ける可能性が高くなる。
最適なキーワード出現率を追求するのではなく、まずグーグルが定めるウェブマスター向けガイドラインを熟読しておくといいだろう。
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