誰もが受けたい!アクセス解析5分クリニック

リスティング広告(検索連動型)の効果がよくわからないのですが、どうすればよいでしょうか?

リスティング広告にかけている費用は適正なのかどうか? 今回は「広告の効果計測」をどう考えるかだ。
誰もが受けたい!アクセス解析5分クリニック
丸山先生
医者:丸山先生(35歳・男)
当クリニックの代表。
来栖あきら
研修医:来栖あきら(25歳・男)
イケメンの研修医。
綾瀬ゆい
研修医:綾瀬ゆい(25歳・女)
優しい天然ボケの研修医。

ここ「アクセス解析5分クリニック」には、Webサイトについてさまざまな悩みを抱えた患者が、毎日のようにやってくる。研修医の来栖と綾瀬はデコボココンビだが、院長の丸山先生がとにかく名医。たった5分ですべての悩みを解決する!というのだ……。(登場人物紹介を詳しく見る

今回のお悩み
リスティング広告(検索連動型)の効果がよくわからないのですが、どうすればよいでしょうか?

広告の効果測定は?

あー、困った。私のクライアント、リスティング広告に30万円くらい使ってるのに、毎月の問い合わせが全部で10件くらいなの。費用の割には申し込み数が少なくない?

ということは、問い合わせ1件あたり3万円もかかっている?

うーん、実際よくわからない。SEOの効果でもお客さんは来ていると思うし。「広告の効果計測」ってどう考えるんだろうね?

広告のトラッキングは大丈夫?

どうやら今日の二人の悩みは、「広告の効果を知りたい」ということだね。

はい。広告の管理画面でもある程度わかりますが、アクセス解析を見ればもっとよくわかると思うのです。でも読み取り方がよくわからなくて

まず綾瀬さんは、リスティング広告の計測設定、つまり「トラッキング」は設定しているかな?

え!?トラッキング? 何か難しそうな響き……。

トラッキングというのは、データを追跡できるようにすること。これは基本の考え方だけど、アクセス解析をするのであれば、何をどうやって計測するかを先に考えないとね。

でも、僕らはマーケッターですよね。計測とかJavaScriptとか、アクセス解析は技術者っぽくて好きになれません。

もっと簡単にならないのですか?

2人とも難しく考えすぎだよ。

たとえば、森のなかで迷子になりたくなければ、木に印を付けて進むだろう?それと同じで、何かを後追いしたければ印(マーク)を付けなくちゃいけないというだけの話だ。Webサイトだから、そのマークの付け方には、技術的な操作が必要になるけどね。

印の付け方で誰でも簡単にできるのは「URLパラメータ」

これはとても簡単で、一般的には飛び先URLのお尻に?を付けることで印とする。?の後ろに自分がわかりやすい任意の言葉を付加することもできる。

http://homepage-shindan.com/index.html?koukoku1107

こうすると、「koukoku1107というマークの付いたURLでアクセスされた」という印が付くので、後から解析しやすい。

Googleアナリティクスであれば、グーグル公式の「URL生成ツール」を使えば、簡単、解析用のURLを作ることができる。

何を分析するか?

じゃぁ、URLにマークを付けて計測できたとして、後は何をしたらいいですか?

気が早いね。以前も言ったように、改善案を出すのは人間だよ。アクセス解析でできるのは現状把握だけだ。そこで逆に質問しよう。綾瀬さんはアクセス解析を使えば、何ができると期待したのかな?

えっ!?えーっと……広告効果の詳細がわかると思いました。リスティング広告の管理画面ではコンバージョンしかわからないけど、もっと細かくユーザー導線がわかるとか。

その通りだね。では、たとえば何がわかったら綾瀬さんは一番嬉しい?

えっと、キーワードですね!

Yahoo!リスティング広告では部分一致でキーワード広告を出しているのですが、どんなキーワードで実際に広告が出ているかはわからないです。アクセス解析を使えば、それがわかりますよね?

いいね! 確かに詳細がわかるし、キーワードごとのコンバージョン率もわかる。

リスティング広告の場合、そういった部分一致の想定外のキーワードを除外したり、より効率的にコンバージョンするキーワードに集中するというのが基本戦略になるよ。

広告費を下げるコツ

わかりました。でも、もっとコツがありそうな気がします。他にないのですか?

確かに他にもさまざまなコツはある。でもあまり話が広がりすぎてもわからなくなるね。だから今日はわかりやすいコツを伝えよう。まず広告費を下げるには「“想像とのギャップ”を計測する」ことを心がけるといいよ。

ギャップですか?

たとえば、綾瀬さんが広告を出したときっていうのは、きっと目標があったと思うんだ。「“ペット 健康食”というキーワードで出稿したら、1クリック○○円で、1か月に○○アクセスぐらいあって、○○件くらいコンバージョンする」というね。

ドキッ。そこまでは考えていなかったかも……。

まぁそこまで細かくなくてもいいのだけど、ある想定があって出稿キーワードを選んだのは本当だと思うんだ。でも残念ながら、広告費が高いというのは、そのキーワードのパフォーマンスが思ったより良くなかったということでしょ?

はい。そのとおりですね。

だったら、その初期想定とのギャップを計測するんだ。たとえば、

  • キーワードの流入数
  • キーワードの直帰率
  • キーワードの平均PV(直帰を除く)
  • キーワードの閲覧ページ(直帰を除く)
  • キーワードのCV率(直帰を除く)
  • 地域ごとの違い

といったところかな。

取り急ぎこれくらいを見てみるといいよ。余裕があれば新規とリピーターとの違いも見てみるとおもしろい。

なるほど。つまり、広告を出す前に考えていた目標とのギャップを見るのですね。でも私、あまり考えていなかったから、今から広告出稿の目的も考え直さないといけないですね…。

いい気づきだね。広告の想定を改めて見直すことは、解析よりも重要なことが多いよ。ぜひやってみて。

まとめ

リスティング広告費を下げたい場合は、まずは広告のトラッキング設定ができているかどうかを確認しよう。トラッキングができたら、基本的には効率の良いキーワードと悪いキーワードをうまく見つけることが最初のステップだ。効率の良いキーワードに絞っていくと、広告費は一般的に下がる傾向にあるからね。

でも、それだけではなく、もっと根本問題を解決したかったら、自分の広告の想定を整理し直してみよう。そうすると見るべき個所がぐっと増えるし、抜本的な問題に気付く確率が上がるよ。

あとは出稿量が増えるにつれてモニタリングやセグメントがとても大切な考え方になるけど、このあたりは、また別の機会に触れよう。まずはトラッキングからだ。

今日の処方箋

お悩みリスティング広告(検索連動型)の効果がよくわからないのですが、どうすればよいでしょうか?

アドバイスアドバイス:まずは効果計測(トラッキング)の設定を行いましょう。その後、キーワードを中心に結果を見ていきます。

  1. 1【1分】 Googleアナリティクス用のURL生成ツールでURLパラメータ付きのURLを作成してみます。
    1. Googleアナリティクスの「URL生成ツール」へアクセスしてください。
    2. URL生成ツールのページで以下のデータを入れて「URLを生成」ボタンをクリックしてください。
      ウェブサイトの URL: 広告をクリックしたときのジャンプ先ページ(ランディングページ)のURL
      キャンペーンのソース: ylisting
      キャンペーンのメディア: cpc
      キャンペーン名: 5mintest
    3. 作成されたURLをクリックしてみます。作成されたリンクをクリックして、正しいランディングページにURLパラメータ付きで移動することを確認してください。
    4. Yahoo!リスティング広告の管理画面で、広告の飛び先URLに、ツールで生成したパラメータ月のURLを指定します。
  2. 2【1分】 翌日、Googleアナリティクスの画面でデータを見てみます。
    1. トラフィック→参照元→すべてのトラフィックレポートを表示させます。
      ラフィック→参照元→すべてのトラフィックレポートを表示させます。
    2. 正常にylistingが表示されていることを確認してみてください。
  3. 345【3分】 キーワードごとのパフォーマンスを確認します。
    1. 参照元→検索→有料検索を選んでください。
      参照元→検索→有料検索を選んでください。
    2. 右側に並ぶ訪問別ページビューと平均サイト滞在時間を確認してください。
      右側に並ぶ訪問別ページビューと平均サイト滞在時間を確認する。
    3. アドバンスセグメントで「直帰以外の訪問」にチェックを入れます。
      アドバンスセグメントで「直帰意外の訪問」にチェックを入れます
    4. 数値の変化を確認してください。また想像していたパフォーマンスとのギャップを考えてみてください。見込度の高そうなキーワードはありますか? 想定外のキーワードで出稿はされていないですか?

※キャラクターイラスト(来栖、綾瀬):「コミPo!」にて制作

用語集
Googleアナリティクス / JavaScript / SEO / アクセス解析 / キャンペーン / キーワード広告 / コンバージョン / コンバージョン率 / ページビュー / リスティング広告 / リンク / 直帰 / 直帰率 / 訪問
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

EC
「EC」は、Electronic Commerce(電子商取引)の略。Eコマース ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]