ランディングページの改善には、どのアクセス解析データを参考にすべきですか?
当クリニックの代表。
イケメンの研修医。
優しい天然ボケの研修医。
ここ「アクセス解析5分クリニック」には、Webサイトについてさまざまな悩みを抱えた患者が、毎日のようにやってくる。研修医の来栖と綾瀬はデコボココンビだが、院長の丸山先生がとにかく名医。たった5分ですべての悩みを解決する!というのだ……。(登場人物紹介を詳しく見る)
今回のお悩み
ランディングページの改善には、どのアクセス解析データを参考にすべきですか?
広告などをクリックした人がジャンプした先のページ(入り口ページ)。
サイトに来た人が最初のページだけ見て(またはその内容もほとんど見ずに)サイト内の他のページへ移動することなくブラウザを閉じたり他のサイトへ移動したりすること。多くの場合は、直帰率が高いとユーザーを逃しているとみなされる(特に広告からの誘導では)。
ランディングページを改善して、サイトを訪問した人がよりゴールに近づくようにすること。
ランディングページの直帰率が高い!
お客さんの「ネコじゃらし」のランディングページの直帰率が高くてさあ、「広告費がバカにならないから、なんとかしてくれ!」って言われちゃった。
いわゆるLPO(ランディングページ最適化)だね。策はあるの?
それが何をやっても直帰率が下がらなくて、はっきりいってお手上げなのよ……。
本当に直帰率を下げるべき?
LPOを頼まれるとは、綾瀬さんも成長したね。
でも、手詰まりなんです。どうやっても直帰率が下がらなくって……。
ちょっと待って! 直帰率ばかりに注目しているけど、それを下げることが一番の施策とは限らないよ。そのランディングページの目的は、そもそも何かな?
目的ですか? 「ネコじゃらし」というキーワードで流入してきたお客さんを引き止めることです。ですので、直帰率を下げたいのです。
それは目的が少しずれているかもね。そのランディングページの目的は、本当に「ユーザーを引き留めること」なのかな? 本当は購入客を増やしたいのではないかな?
ああ、言われてみればそうですね。
ランディングページの役割と目的
綾瀬さんの大きな問題は「ランディングページの役割と目的」が曖昧なことだと思うよ。
この問題を考えるために、綾瀬さんがユーザーだったとして考えてみよう。
たとえば綾瀬さんが、「飼い猫に猫じゃらしいを買おう!」と調べていたときに、「ネコじゃらしとは何か?」という情報発信サイトにたどり着いたとしたら、綾瀬さんはどう感じるかな?
それはすぐ直帰ですね。私はグッズを買いたいので、そんな情報は関係ないです。
そうだよね。ところが猫じゃらしについて調べたい人は「猫じゃらしとは何か?」というサイトの方がうれしい。
あ!これは僕が以前指摘された事例に似ていますね。「お客さんを知れば成約数が増える」というパターンだ……。
そう。それと同じなんだ。どんなお客さんを意識しているかで、ランディングページの作りはまったく変わる。
まずランディングページの「役割」は、
- お客さんの期待に応えること
- 興味を持ってもらうこと
だ。この場合、確かに直帰率は参考になる。でも先ほどの「ネコじゃらしとは何か?」の例では、まず綾瀬さんの興味をひくことは困難だ。綾瀬さんは、「情報」ではなく「商品」を探しているのだからね。
だから、「直帰率だけをみればいい」ということではないことがわかるだろう。あくまでランディングページの役割と目的によって、見るべき指標を考えなくてはね。
- お客さんとは、誰なのか?
- ランディングページでは、お客さんに、何を提供するのか?
- どんな期待に応えるのか?
- その後、どうしてもらうことが目的なのか?
これらの想定により直帰率は変わってくるし、指標の見方も変わってくるよ。
お客さんを明確にして直帰率とコンバージョン率を見てみよう
私としては、やはり「ネコじゃらしを購入しようと思っている」お客さんに、「サイトに興味を持ってもらいたい」です。
そうであれば「日本一の安さと品揃え。ネコじゃらし専門ショップ」といったメッセージが良いかもね。そして「ネコじゃらし 格安」と検索している人に絞り込んでアクセス解析データを確認してはどうだろう?
いつものアドバンスセグメントですね。確かに見込客に絞ると、直帰率とコンバージョン率は悪くないです。ということは、直帰率より、むしろ広告出稿キーワードを「ネコじゃらし 格安」に絞るべきなのかもしれませんね。
ね? ページの役割と目的を意識して「誰に何を提供するのか」を明確にすると、アクセス解析データの見方も変わってくるでしょ?
※キャラクターイラスト(来栖、綾瀬):「コミPo!」にて制作
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