無料提供によるリンクビルディング(とブランド強化)のテクニック99選 #2
この記事は、4回に分けてお届けしている。前回に引き続き、筆者が提唱するリンクビルディングのテクニックをご紹介しよう。
前回と重複するが、この一連の記事で紹介するアイデアが目指しているのは、自分のブランドがネット上で話題にされる機会を増やすことだ。そこには、ブランドを話題にする人はリンクを張ってくれる可能性も高いという理屈がある。詳しくは前回の記事の冒頭の解説を参照してほしい。
前回の記事では、「製品などの無料配布」というテーマで19個のリンクビルディングのテクニックを紹介した。今回は「お金をかける」「慈善事業の支援」「コミュニティの強化」というテーマで、合計32個のアイデアを紹介する。
お金をかける
- クーポン
クーポンコードを作って、クーポンサイトに送ろう。そうすれば、そのコードと一緒にリンクも掲載してもらえるだろう。
- セールを実施する
大安売りをやれば、口コミで自然と話が広がっていくだろう。
- アフィリエイトを主催する
アマゾンのアフィリエイトリンクは、すべて直接アマゾンのサイトにリンクしており、リンク価値を引き渡している。商品を紹介した人はアフィリエイト収入を手に入れ、アフィリエイトを主催する側は売上が伸びるとともにリンクも獲得できるというわけだ。
- 他人のサイトにリンクする
有料リンクを張って金を取れという話ではない。当然リンクは無料で張る。他のサイトを紹介しリンクしたことで、将来見返りのリンクが増えることを願おう(情けとリンクは人のためならず)。
- すばらしいコンテンツの提供者に報酬を払う
ユーザーが自分の興味のあることを寄ってたかって描いていく「Squidoo」のビジネスモデルは、ユーザーの作ったコンテンツに丸々依存している。ただし他のサイトと違い、Squidooではページビューを稼いだすばらしいコンテンツの提供者に報酬が出る。したがって、ユーザーにはトラフィックを増やすインセンティブがあり、実際リンクビルディングや話題の拡散によってトラフィックを増やしている。
- 1日限りの無料配布を実施
アイスクリームブランドのBen & Jerry'sは毎年1日だけ、アイスクリームを無料で配る日を設定している。その日は何千ドルもの損失になるが、報道陣を多数集めて、リンクもたくさん獲得する。
- 価格の「誤表示」も使いよう
製品に間違った値段を表示しておけば、通りすがりの人々からかなりの注目を集めるだろう (「これって本当?」と聞きたくなる)。短期間の間違いとして実行すれば、たちまち大量のリンクを獲得できる。ただし良識を保って、価格を尊重しよう。
- 紹介料を払う
グルーポンは創業当初、まず商品を紹介してから購入した人に紹介料を払ったことで成長した。グルーポンはこの仕組みを利用するためのURLも配布した。紹介者はそのURLを自分のサイトに貼り付け、グルーポンはリンクを獲得した。
- ブランドを話題にした人にキャッシュバックする
今年1月、トヨタは同社製の新車を買ったことをツイートした人全員に500ドルを還元した。これはよくできたキャンペーンで、メディアからリンクを集め、トヨタブランドの露出にも効果があった。
- 返金を保証する
英国のスーパーマーケットチェーンASDAは、他社ブランドより10%割安でない場合にはキャッシュバックしてくれる。これはすばらしいやり方で、英国では大きく報道された。
慈善事業の支援
- 慈善団体に寄付する
慈善団体への寄付は、気分が良いというだけでなく、多くの慈善団体が主な寄付者をウェブサイトにリンク付きで掲載してくれる。
- 折に触れ親切な行いをする
製品を必要としている人に無料で提供し、そのことをブログに書こう。
- ユニークなことをする
ゲーム会社が共同で行ったHumble Bundleというキャンペーンでは、ゲーム数本をまとめたセットに購入者が好きな値段をつけられた。代金を慈善事業に寄付するという選択肢もあった。各社が個別に実施したときよりゲームの露出が増え、参加企業すべてにとって素晴らしいPRになった。
- 自分の会社で慈善事業を行う
英国の靴ブランドTOM's Shoesは、靴が1足売れるごとにもう1足を第三世界に寄付している。これは同社の事業の中核にある戦略で、共感した顧客たちが口コミで広げている。
- 製品をチャリティオークションに出す
オークション品のリストがオンラインに掲載されれば、手っ取り早いリンクとなる。イベントのPR記事からも、チャリティのウェブサイトからもリンクを獲得できる。
- 製品を地元の病院に寄贈する
寄付の額が大きければ、プレスリリースが出るかもしれないし、ウェブサイトで言及してもらえるかもしれない。
- 従業員が慈善事業のためにお金を集めたら、それと同額のお金を寄付する
会社として慈善活動の取り組みに力を入れよう。従業員が慈善活動をすれば、地元の報道機関が活動内容を取材したり、慈善団体が寄付について言及したりする機会が増える。
コミュニティの強化
- 他社の手助けをする
他社の製品のどこが好きかを伝え、先方のブログに寄稿する見返りにリンクしてもらう。
- 地域コミュニティへの貢献
学校にお金を出す、市街を一日清掃する、あるいは近所の見回りに参加する。地域コミュニティに役立つことに積極的に取り組み、地域メディアに活動をアピールして記事を書いてもらおう。
- インターンを受け入れる
セス・ゴディンのMBAプログラムの考え方を取り入れよう(彼は6か月間の無料MBAトレーニングプログラムを提供し、ビジネスに関する知識を教えた)。インターンを受け入れて仕事を教えよう。何を学んだかを書いてもらって自社のブログで公開すれば、リンクしてもらえる可能性がある。
- コミュニティに賞をあげる
コミュニティ内のしかるべき人を表彰して、誰もが見られるように受賞者リストをオンラインで公開しよう。
- 無料サービスで他の地元企業を支援する
製品の無料提供によって恩恵を与えられる地元企業はないだろうか? あるのなら提供して、先方のブログで紹介してもらおう。
- 製品を環境に優しいものにする
エコに配慮した製品を作ることで環境保全に貢献すれば、環境系のブログや雑誌などで紹介してもらえる機会が増える。
- 奨学金を出す
地元の学校で、将来有望だが授業料を払えないという学生がいないか聞いてみよう。そういった学生の授業料を肩代わりして、卒業時に入社してもらおう。
- 専門知識を無料で教える
無料講座などで、自社の事業や業界でうまくやっていくコツを教えよう。人は教えてもらうのが好きだし、後でそのことを書いてくれるだろう。
- クラウドソース型のプロジェクトを支援する
自分の専門分野に関連するクラウドソース型プロジェクトを資金援助しよう。そうしたプロジェクトのサイトは、リンクを張るなどSEO的に有利な方法で支援者に報いているところが多い。
- 個人のスポンサーになる
Chris BarrettとLuke McCabeは大学に在学中、無料の品を提供してもらうという単純な支援を受けていた。その後2人は全米ネットのテレビやネットメディアなどから取材されるようになり、彼らのスポンサーになったブランドはすべて、宣伝費を払うことなく大量のメディア露出を果たした。
- 他者が無料で提供する製品の費用を負担する
プロジェクトのスポンサーになり、製品に社名を入れてもらうやり方は、提携から恩恵を得る方法として優れている。たとえば、The Domino Projectが電子書籍を無料で配布できるのは、企業から資金を提供してもらっているからだ。著者は作品を世に出し、スポンサー企業は本が読まれるたびに露出を得る。この本には、Domino ProjectのPRとリンクも含まれている。
- 顧客が意見を書き込めるフォーラム(掲示板)を作る
意見を共有できる場所を顧客らに提供し、それを維持するのには、時間と労力を要する。だが、たくさんのリンクを張ってもらえるリソースを作るための優れた方法でもある。フォーラムの参加者は、ほかにも疑問を抱えた人がいる場合、フォーラムにリンクしてくれる可能性がある。
- 自社ブログへのコメントを許可する
ここで無料提供に相当するものは「維持に必要な時間」だが、ブログでのやり取りが活発になれば、リピーターが増えて役に立つ情報を貰えるようになるだろう。
- フラッシュモブを企画する
フラッシュモブに参加した人全員に、自社製品を無料で配る。報道機関にイベントを告知しておくことを忘れずに。
- ウェブ素材となるすばらしい画像を作って、クリエイティブコモンズのライセンスで無料提供する
すばらしい画像は人気が高い。素材となる画像を作って誰でも利用できるようにしておけば、そのことを共有してもらえるしリンクも獲得できる。
このリストはまだまだ続く。次回も、引き続き筆者が提唱するリンクビルディングのテクニックを見ていこう。
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