衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクス独自のページビュー/イベントの定義とは?[第10回]

Google Analytics (GA)におけるページビュー(PV数)とイベント数について、改めて定義を確認しておきましょう。「ページ」とはユニークなURLなことですが、このようにアクセス解析では当たり前の定義も、実はGoogle アナリティクス特有の仕様の場合もあります。実際のレポート画面を確認しながらデータの見方も解説していきます。

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今回から数回にわたって、主要な「ディメンション」や「指標」と、それらを見るレポート群について解説していく。

まずは「ページビュー数」と「イベント数」だ。

※ディメンションと指標については、「第9回 ディメンションと指標の違いを理解する」を参照のこと。

アクセス解析では当たり前に使われていて、いまさら解説の必要がないと思うような基本的な用語も、じつはGoogle アナリティクス特有の仕様だったり、意外と正しく理解できていなかったりする場合もある。知ってるつもりの人も、注意深く読み進めていただければと思う。

ページビューとは?

「ページビュー数」とは「ページビュー」をカウントした数値のことだ。「ページビュー」をカウントするためには、「ページ」とは何かが定義されていなければならない。

もっとも基本的な定義では、ページとはユニークなURLのことだ。ユニークなURLにはそれぞれファイル(Webページ)が配置されている。ファイルの種類は、HTMLファイル、PHPファイル、CGIファイル、ASPファイル、ASPXファイルなど、いろいろな種類がある。

カスタマイズをしていない場合、Google アナリティクスでは、ユーザーが見ているそれらのWebページに実装されたトラッキングコードによって、ブラウザのアドレスバーに表示しているURL情報を取得し、そのページ(URL)に1ページビューをカウントする。

※トラッキングコードの実装については、「第8回 トラッキングコードを実装する」を参照のこと。

そのため、標準設定ではPDFファイルのダウンロードなどをページビュー数としてカウントすることはできない。ただ、クリックなどの「動作」を取得することはトラッキングコードのカスタマイズで実現することができる。詳細はまとめて、別途カスタマイズ手法を説明する回で紹介する予定だが、この手法を利用すれば、PDFファイルをダウンロードするためのクリック、Flashコンテンツにおける各種動作(クリック、マウスオーバーなど)、外部サイトへのリンクのクリックといった行為を「ページビュー」としてカウントするといった応用方法が可能であるということを覚えておこう。

ページビューを確認できるGoogleアナリティクスのレポート

URL別にページビュー数を閲覧できるレポート画面

「ページビュー数」とは、文字通り「ページ」が見られた回数を意味する。Google アナリティクスでページビュー関連のレポートを表示するには、次のようにする。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面の左側にあるメニューで、[コンテンツ]をクリックする。
  3. メニューが開くので、さらに[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]の順にクリックする(図1赤枠部分)。

このレポート画面(図1)では、計測対象サイト全体のページビュー数図1青枠部分)とページ(URL)別のページビュー数図1緑枠部分)を確認できる。

図1: URL別のページビュー数を閲覧できるレポート画面の左上部分([コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]の順にクリック)
図1: URL別のページビュー数を閲覧できるレポート画面の左上部分([コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]の順にクリック)

ページタイトル別のページビュー数を閲覧できるレポート画面

このレポート画面は、初期状態では「プライマリ ディメンション」に「ページ」が選択されている。つまり、「ページ(のURL)」ごとに「ページビュー数」を見るレポートになっている。

ここでページタイトルごとにページビュー数を確認するには、次のようにする。

操作手順
  1. 表の上にある「プライマリ ディメンション」で「ページタイトル」をクリックする(図2赤枠部分)。

これで、表の表示が切り替わり、ページタイトルごとにページビュー数を確認できる(図2青枠部分)。この場合、URLが別でも同じページタイトルであれば、合算されて表示されるので注意が必要だ。たまに見かけるが、すべてのページタイトルが「無題」や「社名」「Webサイト名」になっていると、すべてのページビュー数が合算されて表示されてしまう、ということだ。

図2:ページタイトルごとにページビュー数が表示されている
図2:ページタイトルごとにページビュー数が表示されている

ディレクトリ別の総ページビュー数を閲覧できるレポート画面

ディレクトリ別の総ページビュー数を確認できるレポートもある。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面の左側にあるメニューで、[コンテンツ]をクリックする。
  3. メニューが開くので、さらに[サイト コンテンツ]>[ディレクトリ]の順にクリックする(図3赤枠部分)。

このレポート画面では、初期状態では第1階層のディレクトリが表示され、第1階層ディレクトリ別の総ページビュー数が確認できる(図3青枠部分)。

図3:ディレクトリ別の総ページビュー数を閲覧できるレポート画面の下部([コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[ディレクトリ]の順にクリック)
図3:ディレクトリ別の総ページビュー数を閲覧できるレポート画面の下部([コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[ディレクトリ]の順にクリック)

そして、表に示されている第1階層の各ディレクトリ名(リンクになっている)をクリックすると、該当ディレクトリ配下の第2ディレクトリの総ページビュー数を確認できるという構造だ。

たとえば、第1階層のディレクトリ名の1つである「/basic/」(図3緑枠部分)をクリックすると、のようにプライマリ ディメンションが「第2階層」という表示に変わる(図4赤枠部分)ので、その時点で、何階層目を見ているのかが明示的にわかるようになっている。

図4:「/basic/」ディレクトリの第2階層ディレクトリが表示されたレポート画面の下部
図4:「/basic/」ディレクトリの第2階層ディレクトリが表示されたレポート画面の下部

ただし、どの第1階層ディレクトリ配下の第2階層なのかはこのデータ一覧表示部ではわからない。第2階層以下にドリルダウンした場合は、同じレポート画面の上部を見ればよい(図5)。

図5:ドリルダウンして「/basic/」ディレクトリの第2階層ディレクトリが表示されたレポート画面の上部
図5:ドリルダウンして「/basic/」ディレクトリの第2階層ディレクトリが表示されたレポート画面の上部

どの項目をドリルダウンして絞り込んでいるかは、図5赤枠部分を見ることで確認できる。

仮想ページビューの利用

Webページの中には、URLが変化しないのにコンテンツが変化するようなWebページもある。ショッピングカートなど、ユーザーの入力情報に応じて動的にページを返す場合などに見かけることが多い。この場合、ページの内容が変化しているのに同じURLが表示されるため、各コンテンツ別のページビュー数を正しく把握することができないという問題が生じる。

このような場合のために用意している機能が、バーチャル(仮想)ページビューというものだ。これもトラッキングコードのカスタマイズによって実現できる。アドレスバーに表示されたURLではない文字列を仮想のURLとして動的に付与するような方法によって、内容の違うページを別の仮想URLとして区別する手法だ。カスタマイズの方法は、別途回を改めて説明する予定だ。

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール

用語集
CGI / Googleアナリティクス / HTML / JavaScript / PHP / アクセス解析 / ダウンロード / ディレクトリ / ページビュー / リンク / 訪問

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