あなたのサイトはユーザーニーズに応えていますか? 訪問動機ごとに閲覧傾向の違いを分析するには(第13回)
参照元とランディングページの組み合わせでわかる訪問動機別の閲覧傾向を確認したい
ユーザーは、なぜあなたのサイトを訪れたのか。そうした訪問意図は、「参照元」と「ランディングページ」を組み合わせることで、ある程度推測できる。つまり、ユーザーのニーズを推測できるのだ。そこで今回は、
- 特定の参照元から訪問し、かつ特定のページがランディングページになっているセッションに絞り込むセグメント
を使って、ユーザーの訪問動機別に、閲覧傾向を分析する方法を紹介する。
「参照元」とは、自社サイトに訪問して来たユーザーが、どのサイトのどのページから訪れたのかがわかる情報だ。
「ランディングページ」は、サイト内のどのページから閲覧が開始されたかという情報だ。
参照元が同じであっても、ランディングページが異なる場合もあるし、逆に1つのランディングページにもさまざまな参照元からユーザーが来ているケースもある。
たとえば、同じ参照元ページから自社サイトへのリンクは1つとは限らない。ドメイン内のさまざまなページへ複数のリンクが張られていることもある。その場合に、そのなかのどれが選択されたのかによって、ユーザーの訪問意図は変わってくる。だからユーザーの訪問動機は、「参照元」と「ランディングページ」の組み合わせ、つまり
- 外部のどのリンクから
- 計測対象サイト内のどのページへ訪問したか
という組み合わせで見ることで、より正確に把握できるのだ。
参照元×ランディングページで絞り込んで分析できるようにする方法
標準に用意されているセグメントには今回紹介するセグメントは存在しないので、新しいセグメントを作成していく必要がある。まずレポート画面の上部にある「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックしよう。ブラウザ表示の横幅が狭い場合は、すべてのセッション(図1青枠部分)の下に並んで表示される。
「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックすると、図2のようなセグメントの機能が表示されるので、左上にある「+ 新しいセグメント」(図2赤枠部分)をクリックして新規セグメントを作成していこう。
注:一覧表示(図2青枠部分)を選択している場合や、自分ですでにカスタムセグメントを作成している場合などでは、図2と同じ見え方にはならない。
※セグメント機能のインタフェース(図2)が6月下旬に変わっていた。セグメントの分類選択(図2緑枠部分)が、従来は上部右側に配置されていたが、それが左側に移動している。皆さんの画面では変わっているだろうか。
新しいセグメントを作成する初期画面で「ユーザー属性」(図3赤枠部分)が選択されているが、今回使用するセグメントでは「条件」(図3青枠部分)を選択しよう。
「参照元」によるセグメントの指定は「トラフィック」(図3緑枠部分)でも指定できるが、どうせ2つの条件を組み合わせるので、「条件」の画面で指定していこう。
- 特定の参照元から訪問
- かつ特定のページがランディングページ
という条件なので、たとえば、
- 参照元は検索エンジン(広告除く)
- ランディングページは新製品紹介ページ
という条件を作成してみよう。
検索エンジン(広告除く)からの訪問は、「メディア」ディメンションが「organic」に完全一致という指定(図4赤枠部分)となり、「/product/a.html」がランディングページなら、「ランディングページ」ディメンションが「/product/a.html」に完全一致という指定(図4青枠部分)でよいだろう。
条件 | 指定 |
---|---|
参照元は検索エンジン(広告除く) | 「メディア」ディメンションが「organic」に「完全一致」 |
ランディングページは新製品紹介ページ | 「ランディングページ」ディメンションが「/product/a.html」に「完全一致」 |
このケースでは2つの条件を「AND」で結びつけたいので、1つ目の条件設定(図4赤枠部分)後に、右側の「AND」ボタン(図4緑枠部分)をクリックし、2つ目の条件設定画面を出して指定する流れになる。
参照元に特定のドメインを指定したいときは?
ここでは参照元が検索エンジンと大きなくくりだったが、特定の参照元ドメインを指定したい、あるいは特定の参照元ページを指定したいといったことにも対応可能だ。
図5は複数の参照元のどちらかから来訪し、複数のページのいずれかがランディングページとなったセッションを指定する例だ。このようにANDやOR条件で指定したり、さらに複雑な指定内容を正規表現という方法を使って指定することもできる。
参照元にあるドメインのディレクトリを指定したいときは?
あるドメインのあるディレクトリからの訪問を指定するような場合は、図6のように、「参照元URL」に「ドメイン名/ディレクトリ名」で指定したくなるかもしれないが、「参照URL」はドメインを含まないパスとファイル名の組み合わせのことなので、このケースで言うと、example.jpというドメインは指定できない。
ドメインとディレクトリを指定したいのであれば、参照元(こちらがドメインの指定に該当する)と参照URLの指定の2つをANDでつないで設定する必要があるので注意しよう。
ランディングページの指定は、図4青枠部分のように特定の1つのページを指定することも可能だし、ディレクトリ全体のような指定の仕方(前方一致でディレクトリを指定)も可能だし、複数のページを正規表現一致で指定することもできる。問題意識に応じて設定してほしい。
参照元とランディングページの組み合わせ例
セグメントの設定例は上記で紹介したが、どのような参照元とランディングページの組み合わせの例が考えられるだろうか。
当然サイトのタイプによって事情は異なるので、これさえやれば大丈夫ですなどという組み合わせパターンが存在するわけではない。下記をヒントにしながら、自分のサイトの課題に応じて考えてみていただきたい。
サイトの種類 | 参照元 | ランディングページ |
---|---|---|
eコマースサイト | 広告掲載サイト(ページ) | キャンペーンのランディングページ |
ソーシャルメディア | 特定カテゴリ(商品)のページ(群) | |
価格比較サイト | 特定カテゴリ(商品)のページ(群) | |
メディアサイト | 検索エンジン | 特定カテゴリの記事群 |
ソーシャルメディア | 特定カテゴリの記事群 | |
メルマガ | 特定の記事 | |
企業サイト | 就職情報サイト | 人材募集ページ |
ソーシャルメディア | 特定のページ(群) | |
商品・サービス紹介サイト | 検索エンジン | 製品・サービスページ |
リリース紹介サイト | 新製品紹介ページ |
特定の参照元とランディングページに絞り込んで分析するには?
このようにして必要なセグメント群を作成できたら、次は実際のデータにこのセグメントを掛けていこう。
まずは、該当の参照元とランディングページを組み合わせたセッションでは、どのコンテンツが見られたのかを絞り込んでみよう。[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートに該当セグメントを適用したのが図8だ。「検索エンジンから新製品紹介ページへ」というセグメント名(図8赤枠部分)で登録したセグメントを適用したレポートだ。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面左側にあるメニューで、[行動]をクリックする
- メニューが開くので、[サイト コンテンツ][すべてのページ]を順にクリックする
- 先ほど作った「検索エンジンから新製品紹介ページへ」セグメントを適用する
参照元とランディングページの組み合わせから想定されるユーザーの訪問意図と、ページ閲覧状況を比べて見てみよう。具体的には、
- そのユーザーのモチベーションに対応して、見るべきコンテンツが閲覧されているか(図7青枠部分)
- ページ回遊そのものがどの程度されているか
- 目標に貢献しているか(図7緑枠部分)
といった視点で見ていこう。もちろん比較するものがないと、単独で評価しにくいと思うので、別のモチベーション(参照元とランディングページの組み合わせ)のセグメントを掛けたレポートといくつか比較するのがよいだろう。
成果の視点で絞り込み分析を行うには?
最後は成果の視点で絞り込みを行う。こちら[コンバージョン]>[eコマース]>[商品の販売状況]レポートなどで、成果を比較したい複数の参照元とランディングページの組み合わせで絞り込んでみるとよいだろう。
図9の例は、ソーシャルメディアからカテゴリAの商品ページに来たセッションと、比較サイトからカテゴリAの商品ページに来たセッションの2つのセグメントを掛けて比較(図9赤枠部分)してみたものだ。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面左側にあるメニューで、[コンバージョン]をクリックする
- メニューが開くので、[eコマース][商品の販売状況]を順にクリックする
- 「ソーシャルからカテゴリAへ」「比較サイトからカテゴリAへ」という2つのセグメントを適用して比較する
ここで掛けているセグメントは、あくまで一例にすぎない。各自、自社サイトの成果に即したセグメントを作成し、適用してみて、期待したユーザーの訪問動機に沿った形で商品は売れているだろうか、確認してみていただきたい。
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