飲食店のホームページは、格好良さよりも、ユーザーニーズとUXを重視すべし
今日は、飲食店のホームページはどうあるべきかについて。お店の雰囲気に合ったステキなデザインのホームページも良いのですが、サイトを訪れる人が求めている地図や営業時間といった情報を探しにくいサイトは、UX的に問題ありだと思うんですよ。
ようやく週末に余裕ができたので、ちょっと前に話題になっていた飲食店を訪れました。ところが、お店のことを調べようとホームページをチェックしたところ、こんな風なストレスを感じました。
ナビゲーションが全部英語で「ABOUT」とか「MENU」とか書かれていて、そのリンクをクリックした先で得られるものが、一瞬ではピンとこない。
地図や住所がどこに書かれているのかわからない。探してみたところ、ナビゲーション内の「SHOP DATA」をクリックした先にあった(でもなぜかサイトフッターのリンクは「店舗情報」となっている)。
店への行き方を調べるためにGoogleマップを使おうとしたが、住所が画像のなか書かれていて、コピペできない(実際にはalt属性に書かれているので、まとめてコピーはできるんですが)。
営業時間を調べたら定休日が「不定休」となっていて、「今月の休業日情報はこちら」というリンクをたどった先のブログは最終更新が2月。本当にその情報が正しいのか不安になった。
上記はいくつかの店舗のホームページで感じたストレスをまとめたものですが、全体として感じたのは、
サイトのデザインはお店の雰囲気にあわせたステキなものだし、レスポンシブにちゃんと対応していて、場合によってはパララックスでいい感じの動きになってるけど、“いまから店に行きたい”という状況の人にとって、使いやすい作りになっているとは言いづらい
ということ。
お店は店の雰囲気をホームページでも出したいでしょうし、制作会社も最新の技術を使って良いサイトを作りたいでしょう。
でも、それは、お客さんの役に立つサイトであってはじめて意味があるのです。お店の雰囲気を最優先した結果、ユーザーにとって「使いづらい」「求めている情報を探しづらい」サイトになってしまったら、本末転倒でしょう。
じゃぁ、「お客さんに役立つ」というのは、どういうことなのでしょうか。
それは、お客さんが求めているものに、どんなパターンがあるかを理解しないと判断できません。
少なくとも、「お店のことを知りたい」人と、「今から店に行きたい」人では、求めているものが違います。
また、同じ「お店のことを知りたい」でも、ふつうはメニューや値段と場所を知りたいのでしょうけれども、場合によっては、アレルギー情報を知りたい人もいるかもしれないですし、料理の分量を知りたい、カロリーを知りたい、何人のキャパがあるのか知りたいなど、いろいろでしょう。
飲食店のホームページというのは、「お店を押し出す場」ではなく、「そういったニーズに応える場所」だという意識が大切です。
そういったニーズをもとに、ナビゲーションの作り方もそうですし、ラベルにどんな文字列を書くか、ページにどんな情報を記載するかというのを決めていくべきです。
なんて言うと大変そうですが、わからなければ、そういったニーズに応えるための改善を繰り返している「食べログ」や「ぐるなび」を参考にすればいいと思うんですよ。
ユーザーは、「メニュー」「プラン」「地図」といったナビゲーションのラベルに慣れていますし、飲食店の情報として「住所」「交通手段」「電話番号」「営業時間」「定休日」「予算」「クレジットカード」「席数」「個室」「貸し切り」「禁煙・喫煙」「ペット同伴」などの情報が掲載されているものだと思っています。
だから、ユーザーニーズとかわからなければ、そういった「ユーザーが普段使っているサイト」にどんなコンテンツが掲載されていて、ページ上でどう見せているのかを参考にするといいと思いますよ。
「いや、店の雰囲気をベースにすると、ナビゲーションは英語で書きたい」という場合もあるでしょう。それなら、英語で書いてもいいですが、下とか横に、対応する日本語を書きませんか? 日本の多くの人は、英語よりも日本語のほうがわかりやすいんですから。
あとは、内容が変わったときに、それをサイトにちゃんと反映する仕組みを作っておくというのも大切です。
たとえば、営業時間や定休日が不定の場合、本当はサイトを随時更新していけるのが良いですよね。とはいえ、それが難しい場合もあるでしょう。それならば、「営業日お知らせ」専用のTwitterアカウントを用意して、そのフィードをサイトに貼り付けるなど、いろいろやり方はあるはずです。
日本の飲食店のホームページが、「よし、お店に行こう」と思った人にとって、より良いものになってくれると、いいですね。特に、いろいろおいしいものを食べたい僕がうれしいです。
ソーシャルもやってます!