信頼されるコンテンツを作るための4つのやり方(後編)
コンテンツで信頼性をもつための方法を4つ紹介しているこの記事、後編となる今回は「言及されることで信頼性を高める」「連想から生まれる信頼性を活用する」について解説する。→前編をまず読む
3. 言及されることで信頼性を高める
信頼できる人が積極的に共有していると、文句なく信頼できるものだ。
言及した人の信頼性が言及されたものにも付加される。Mozの読者なら、言及されることで信頼性が高まることは、問題なく理解できるだろう。
グーグルが検索クエリへの関連性が同程度と思われるコンテンツに優先順位を付ける際は、リンクをはじめとする言及が主要な要因として用いられている。
ユーザーも、共有に値する投稿なのかを判断する際に、誰かに言及されているかどうかを信頼性の根拠にする。こうした言及によって信頼性が高まり、口コミで広がるコンテンツが生まれる。
では、あなたのコンテンツが言及されて信頼性を獲得すためにはどうすればよいのだろう?
信頼できるサイトで公開する
今回の僕の投稿は、Mozのメインブログで公開されるということだけで、ある程度の信頼性を獲得する。よく知られたサイトで公開されたり、有名なサイトや著者からリンクされたりすれば、その事実が信頼性を生む。
言及してくれたサイトや称賛の声を共有する
「~で取り上げられた」というリストや、名の知れた人物から寄せられた賛辞などはよく目にするものだ。グーグルやマイクロソフトのいかにも重要そうな地位にある人が賛同を寄せてくれれば、B2B製品にはとても効果がありそうだ。
有名人による推薦は、なぜ効果があるのか。それは、言及されることで信頼性が生まれるためだ。
自社の情報を報道にとりあげてもらおうとする場合、言及されることから生まれる信頼性を活用するとうまくいくことが多い。発表する価値があることを実施したら、適切な有名人による発言を、許可を得てプレスリリースやアウトリーチの電子メールで引用するのだ。
分析系のコンテンツは少し難易度が増す。過去に取り上げられたことを指摘して、ブログやプレスリリースの信頼をいくらか高めることはできるだろうが、やり方がよくないと、いささか必死ではないかと見られるおそれがある。関連性の高いものだけにして、頻度は少なくするのがポイントだ。
オフラインでたとえてみよう。有名人と会ったときのことを、タイミングを考えずに話す人がいる。有名人の名をひけらかす人は、それで信用を高めようと必死なのだが、実際には、いじましくて迷惑なだけだ。しかし、すでにうんざりするほど聞いた内容ではなく、その時の会話に合っているのなら、有名人に会ったという同じ話でも関心や信頼が得られるかもしれない。
有名な人に共有されたりシェアされたりしたことを話すのは構わないが、タイミングを考え、やり過ぎないようにすることだ。
信頼のある人にアピールする
有名な人にコンテンツを共有してもらうと、リンクや共有が増えることが多い。信頼のある人を見つけて、その人が何を語り何を共有しているのかを理解し、その人に訴えかけるような素晴らしいものを作ってみよう。
このアイデアは、すでにMozの記事でたっぷり取り上げられている。
4. 連想から生まれる信頼性を活用する
人は2つの異なる特徴を連想によって関連づける。ハロー(後光)効果(後光)だ。
たとえば、魅力的な人は、実際には相関関係はないのに、高収入で知的だと見られることが多いことが明らかになっている(複数の調査より:1、2、3より)。
ウェブサイトのユーザーも同じであり、ウェブサイトの作りを、他の信頼されているサイトと同じような印象にすることは重要だ。
信頼されているデザインを手本にする
とはいえ、慌ててニューヨークタイムズのCSSファイルを盗みに行ってはいけない。間違いなく違法だし、あなたがいくつものチャネルがある全国紙を運営しているのでない限り、おそらくうまくいかない。
ただ、サイトのデザインがサイトの信頼性と結びつけられることは知っておくべきだ。ウェブデザインには、信頼にプラスになるものやマイナスになるものがたくさんある。きちんとしたサイトを見て、いくつかのデザイン要素をサイトに採り入れることから始めよう。
そのうえで、信頼できない無名のサイトをいくつかチェックして、違いを理解し、避けるべきことを把握する。
ユニークなサイトにしたいのはもちろんだろうが、取り組みは慎重にしなければならない。信頼されているやり方から外れようとするなら、なぜそうするか理由を明確に意識することだ。モバイルの「ハンバーガーボタン」ナビゲーションをなくしたいとしても、それに代わるものをよく考えてからにしよう。
迷ったらテストする
スプリットテスト(A/Bテスト)は、コンバージョンや売り上げについて行われるのが主流で、ブログやニュースのデザインについては、ついでに実施されることが非常に多い。コンテンツと共有には視覚要素が大事であることを考えると、サイトの要素が共有に与える影響をテストすることは、セールスファネルのテストと同じくらい重要なはずだ。
共有に影響するさまざまなデザイン要素は、ページレベルのパラメータと、オリジナルページを示すURL正規化タグを使った記事やページを作ってテストできる。サイトオーナーたちが手作業で削除できるように、必ず、パラメータ付きURLと、別のパラメータ付きURLとを対比してテストする。この方法は、コンテンツプロモーションのさまざまなチャネルと手法をテストするのにも有効だろう。
外部的に結果をトラッキングするには、別のURLが必要だ。パラメータではなく、URLを一部変えて使ってもいいが、それはテストするのが1ページのみの場合だけだ。パラメータ部分を削除する人がいるかもしれず、結果が多少不安定になる点は頭に入れておくべきだが、傾向はつかめる。
ドメイン名を検討する
ニュース記事を読んで、共有したいと思い、redditやTwitterに投稿しようとして、より評判が良いソースを探した経験は、おそらくあなたにもあるだろう。
一度も聞いたことがないサイトのコンテンツを共有することは僕にもあるが、普通は、共有するならば信頼感のある名前のサイトのコンテンツを共有したいと思う。
今回の記事の内容はすべて、共有するかどうかの判断に関係することだ、ドメイン名は驚くほど大きな要素なのだ。記事への最初の反応やコメントが「ほう、goodbusinessnews4u.comか――いかにもだなあ
」といった皮肉なものになるのはごめんこうむりたい。
ドメイン名はまた、ソーシャルネットワークやソーシャル共有サイト上のクリック率にも影響する。2年前、「ブランディング戦略のために適切なドメインを選ぶ」という記事を書いたが、この記事で述べたことは今でも有効だと思っている。
ドメイン名はまた、どんなコンテンツがふさわしく思われるかにも関係してくる。「highspeedinternet.comがなぜ料理のレシピについて書いているの?
」と言われたくはない。コンテンツ戦略は、ドメイン名およびブランド戦略と歩調を合わせることだ。
ライターらしく書く:プロフィールを作成する
コンテンツを共有してもらいたければ、書いたものに信頼性がなければならない。簡単な秘訣を紹介する。
わかりやすく書くか、ライターを雇おう。そうでなければ、テキストコンテンツに無駄な時間を使うのはやめることだ。専門家として信頼できる人でも、ネイティブレベルの文法でわかりやすく書かなければ、なかなか信頼してもらえない。
著者プロフィールを作り、フルネームを使い、著者の画像も用意する。画像なしで名前もフルネームでないのは、「私は自信がない」と宣言しているも同然だ。
会社の全体像が伝わるページを作る。できるだけ具体的にして、サイトが提供する価値についてあいまいな表現は避ける。
見出しをわかりやすくする。コンテンツが伝える内容について、読者をだましたり混乱させたりするのはよほどの理由がなければやってはならず、引っかけの見出しや気取った見出しは避ける。
周りの記事と一貫させる。テーマがごちゃ混ぜで、関連性のない記事が並んでいると、調和のないサイトに見える。
クリップアートやストック画像は使わない
ストック画像については、イアン・ルーリー氏の意見を参考にしよう。
「グーグルのアルゴリズムはいかに少数意見を沈黙させるか」という記事を書いたとき、僕は、ユーザーに猿ぐつわをするグーグルボットを脳裏に思い描いた。ありがたいことに、CLEARLINKの才能あるデザイナーの1人が、もっと適切な(攻撃的でない)アイデアを出してくれた。
グーグルのロゴにすれば簡単だったが、それではおもしろくない。このオリジナルの画像は、主張に強力なビジュアルを付け加え、「人を黙らせるコンピュータアルゴリズムと、それをあまり気にしていない人」という重要なポイントを強調してくれた。
それと同時に、このサイトはオリジナルの画像を使うくらい本格的なサイトだという連想を利用者にもたらした。
すべての投稿の画像や写真にオリジナルなものを使うというのは、多くの人にとっては難しいことだ。しかし、力を入れた投稿や、成功する見込みが高いと考える投稿については、検討すべきだ。
最後に
ある噂について内部情報があるとか、この先信頼をなくしても構わないというのでない限り、コンテンツは信頼性を発信するものでなければならない。
小規模サイトや知名度の低いブランドこそ、ユーザーやジャーナリストが信頼性に関してどのように判断を下すのかを理解し、信頼の向上に努めることで得るものは大きい。
この記事で紹介した戦略と戦術のすべてを必ず実施しろとは言わないけれど、広く知られて良質のリンクを獲得したいと思うなら、いつだって高い信頼性が必要なのだ。
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