コンテンツマーケティングを成功に導く5つのステップ③プロモーション+コンバージョン
コンテンツマーケティングのキャンペーンを企画するときのプロセスを5つのステップで解説しているこの記事も、今回が最後だ。
最終回となる今回は、ステップ4の「プロモーション」とステップ5の「コンバージョンとトラッキング」について見ていこう。
- リサーチとアイデアの創造
- アイデアの評価
- 制作
- プロモーション
- コンバージョン
コンテンツマーケティングを成功に導くステップ4/5
プロモーション
ここで肝要なのは、制作と同じくらいの時間をプロモーションに費やすということだ。デザイン、開発、そしてアイデアそのものに夢中になってしまうのはよくあることだが、その結果、時間の大半を制作に費やしてしまい、プロモーションに十分な時間を割く余裕がないという事態を招いてしまう。
アイラで僕たちが取り組んでいるプロモーションには、「ペイド」「アーンド」「オウンド」3つの異なるタイプが存在する。クライアントによって状況は異なるが、次のすべてのプロモーションに時間を費やすことができれば理想的だ。
この3つを組み合わせることで、できるだけ多くの人々にコンテンツをリーチできるようになる。僕はかつて、従来のリンク構築アウトリーチやデジタルPRなどによる、コンテンツ自体のプロモーションのみに頼っていたが、これだけでは十分でなく、他にある有効な手法を無視することになってしまう場合がある。
ペイドプロモーション
コンテンツの宣伝に費用をかけることは、コンテンツへのトラフィックを獲得し、ひいてはソーシャルシェア(ときにはリンク)を獲得するのにとても役立つ場合がある。ラリー・キム氏は、Search Engine Landの記事でこれに関して詳しく取り上げている。考え方の基本にあるのは、ライターやブロガー、ジャーナリスト、インフルエンサーに目をとめてもらうためにペイドプロモーションを利用できるというものだ。
これにはいくつかの選択肢がある。まず、広いオーディエンスにリーチするなら、Taboola(日本ではYahoo!コンテンツディスカバリー)やOutbrain(日本でもOutbrainとしてサービス提供)といったプラットフォームを利用するといい。これらのプラットフォームは、非常に大規模なオーディエンスにリーチする場合にはきわめて有効だ。ただし、特定のユーザー層にターゲットを絞りたい場合の選択肢は、まだかなり限られたものになる。
ウィル・レイノルズ氏が、この2つを含めた複数のプラットフォームで実験を行っており、これはぜひ見ておく価値がある。
これらのプラットフォームを利用してみた経験から言うと、成果にはかなりばらつきがある。一部のクライアントではとてもうまくいったのに、別のクライアントでは、ターゲットがまったくと言っていいほど絞られていないトラフィックが送信されたりするのだ。したがって、まず小さな規模でスタートし、トラフィックの質を評価してから本格的に予算を投入することをお勧めする。
他の選択肢として考えられるのは、次のようなもっと標準的なソーシャルチャネルだ。
ここで僕が取り上げたいのはFacebookで、そのターゲット設定オプションの数にはちょっとびっくりさせられる。とはいえ、僕たちにとっては役に立つ機能であることは確かだ。たとえば、次のようなオプションを使って対象とするジャーナリストを細かく設定できる。
ここには欲しいリストを何でも追加できる。とはいえ、これについてはもう分かっているはずだ!
また、Facebookのカスタムオーディエンス作成画面にメールアドレスをアップロードすれば、ターゲット設定をさらに1歩進めることができる。
アウトリーチリストをアップロードするのは簡単で、Facebookがメールアドレスに一致するユーザーを見つけられれば、そのユーザーに直接広告を打てるようになる。この機能について詳しく知りたければ、僕が2015年に書いた記事を見てほしい。
アーンドプロモーション
これはおそらく、たいていの人にとって比較的馴染みがあるだろう。なぜなら、ここで説明するのは、従来型のリンク構築アウトリーチとデジタルPRだからだ。
何よりもまず、インフルエンサーのリストを入手して彼らに連絡を取り、僕たちのコンテンツを知ってもらう必要がある。単純な作業に思われるかもしれないが、このプロセスで最も油断ならない部分になりがちだ。というのは、この時点になってアイデアが実際にはさほど素晴らしくないと気づくなどという事態になりかねないからだ。だからこそ、アイデアを評価するプロセスが非常に重要になる。プロモーションがうまくいかない危険性を低くしてくれるからだ。
アウトリーチできる潜在顧客の見つけ方に関する記事はもうすでに何度か書いているため、ここですべてを繰り返し述べるつもりはない。だが、僕が特に気に入っている役にたつ手法をいくつか説明しよう。
既存の潜在顧客のリストを探す
実のところ、僕はリンク構築のためのリサーチを行うときはいつも、次のような検索からスタートする。
[業界]の部分は自分の業界に置き換えてほしい。そうすれば、手にあまるほどたくさんの潜在顧客を見つけることができる。
主要な出版物とジャーナリストを探す
これは、全国紙や主要な出版物に記事を書いているターゲットにまとめてアウトリーチしようという話だ。このようなサイトの多くが、たくさんのトラフィックを送り出す力を持っているため、このようなターゲットは非常に価値が高い。
これを調べるために利用できるツールには、次のようなものがある(ただし、残念ながらほとんどが有料だ)。
もちろん、手作業でリサーチすることも可能だが、上のようなツールを使えば多少速く作業ができるようになる。
オウンドプロモーション
これは、クライアントが何を所有しているかに大きく左右されることになるが、基本的には、彼らがすでに所有している次のようなチャネルを活用する。
- Facebook、Twitter、Instagram、LinkedIn、Pinterestなどのソーシャルチャネル
- クライアントが公開しているブログ
- クライアントのメールマーケティングリスト
これは一見簡単なようだが、僕が仕事をした企業でもときに見られたように、ソーシャルチームがSEOチームやコンテンツチームと別になっている場合があり、そうなると連携して仕事をするのが難しくなりがちだ。ただし、このギャップを埋めることができたなら、コンテンツに注目を集めることはきわめて簡単になる。
コンテンツマーケティングを成功に導くステップ5/5
コンバージョンとトラッキング
さて、ついにプロセスの最後のステップにやって来たが、このステップについては本当に正直に話をするようにしたい。
リンクやソーシャルシェアを獲得するために作ったコンテンツで訪問者をコンバージョンに導くのは、かなり困難になる場合がある。このようなコンテンツは、訪問者に「何かを売り込む」ような作りになっていないことが多いため、メインのウェブサイトや製品ページへ進んでもらうこと(ましてや、購入に進んでもらうこと)が難しいのだ。
もちろん、例外はある。Bellroyのページは、情報を提供しながら製品との関連性も非常に高く保っているコンテンツだ。
とはいえ、一般的にはここまでうまくやることは難しい。では、代わりに何ができるだろうか。
マイクロコンバージョン
来訪者を購入にまでは導けないとすれば、何ができるだろうか。僕たちがクライアントのために行っていることでは、訪問者のメールアドレスを取得し、Facebookやメールマーケティングで彼らをターゲットにできるようにする取り組みがある。また、次に挙げるような方法も考えられるだろう。
- コンテンツにコメントを残してもらえるよう仕向ける(メールアドレスも取得できる)
- コンテンツをシェアしてもらうよう仕向ける
- コンテンツにある程度の時間滞在してもらうよう仕向ける
リターゲティングリストを作る
コンテンツを訪れた人々のリターゲティングリストを作れば、あとで販売促進をかけることができる。これには次の2つの方法がある。
- 製品やサービスを宣伝し、クリックや将来の購入を促す
- これから公開予定のコンテンツを告知する。これはシリーズのもの(同じテーマの続き物のブログ記事など)を公開している場合には、非常に有効になりうる。
ユーザー行動に基づいてリターゲティングリストを作る
これはまた別の日にでも1つの記事にしたいテーマだが、リターゲティングリストを作るときには、コンテンツで行われた操作をベースとしたリストを作れば、ターゲットをより絞れるようになる。
たとえば、来訪者がリンクをクリックしたりオプションを選択したり(コンテンツがインタラクティブな場合)したときに、Facebookのリターゲティングピクセルタグが働くように設定するのもいい。
これによって、ターゲットをかなり限定したリストの作成が可能になり、ユーザー行動に基づいた広告を提供できるようになる。
まとめ
さて、今日の記事はこれで終わりだ。コンテンツマーケティングキャンペーンを手がけるには5つの大きなステップがあり、僕たちは常にこれらのステップを繰り返し行い改善を加えることで、成功のチャンスを拡大させている。
他に道はない。成功が保証されることは決してないが、ここで述べたプロセスであれ別の独自のプロセスであれ、チャンスを拡大するにはプロセスの活用が必須であることは間違いない。
ソーシャルもやってます!