xxTechの急成長企業を支えるマーケティングの極意!Marketo Marketing Upイベントレポート
こんにちは、岡田です。
急成長中を続ける日本のイケイケスタートアップ。
そんな企業の中の凄腕マーケター達が集まる、完全招待制イベント『Marketo Marketing Up』に、ありがたいことに今回もご招待していただきました。
前回も面白かったのですが、今回もかなり濃い内容で大収穫!
>> 前回の記事:急成長企業のデジマ担当が実際に追うKPIとは?Marketo Marketing Upイベントレポート
今回参加されたのは、下記の企業。非常に豪華な顔ぶれとなっています!
メインとなったのは、『急成長 xxTechのマーケティング』というテーマでのパネルディスカッション。
- アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 徳力基彦 様(CMO)
- 株式会社マネーフォワード 河野佳孝 様(マーケティング部長)
- 株式会社ビズリーチ 冨里晋平 様(プロダクトマネージャー)
- 株式会社メドレー 田中大介 様(マーケティング統括責任者)
フィンテック、HRテック、メディテック。
いま注目されるこの3分野で、トップをつっぱしる企業からの豪華メンバー。どんなお話がきけるんでしょう!? それではレポート、スタートです。
それぞれの企業の概要
人気家計簿アプリマネーフォワードを提供している。今回は、『MFクラウド会計』のマーケティング施策のお話がメインです。
ビズリーチ
即戦力人材にフォーカスした転職サイト『ビズリーチ』を提供している。複雑な要素が絡み合う、人材マッチングというサービスでの施策とは……?
メドレー
PCやスマートフォンで予約や診察、薬や処方せんの配送までを可能とするオンライン診療アプリ『CLINICS』を提供している。遠隔診療は規制緩和によって生み出された新しい領域で、さまざまな手法を組み合わせて積極的に市場を創造していくフェーズです。
“市場創造”のタイミングに、部署の壁をつくってはいけない
本日は、急成長企業ということで、面白い話が聞けると思っています。
早速ですが、みなさんがマーケティングで大事にしている考え方ってありますか?
とにかくブレストで出てきたことは、全部やる。
大企業でマーケティングっていえば、とにかく広告打つみたいなイメージあるんですけど、ぼくらみたいなスタートアップは、ゼロから市場を創っていく必要がありますから、重要視してるのは「自分たちが市場をつくり出すんだ」という視点ですね。
事業立ち上げ期ならではの熱気が必要で、社内にそういう雰囲気を、意図的に作り出しています。
部署関係なく、意見を言う。ですね。
もはや自社の風土・文化みたいになっているんですけれど、
マーケティングとは関係のない部署から、意見が挙がってきたり。
それこそ、エンジニアもマーケティングのことを考えたりとか、よくあります。
みんな首をつっこみたがりというか(笑)
人が増えても、ずっとこの文化は変わってないですね。
このセクションで特にキーワードになったのは市場創造。新規事業発足のタイミングでは、とにかくやれることをやる・意見を出し合うことが大事とのこと。
メドレーでは、マーケターと営業が密に協力する場面も多かったとか。大企業の場合、部署ごとに閉じこもってしまいがちですが、スタートアップではまったく真逆のようです。
マネーフォワード河野さんのお話で印象に残ったのは、「結局マーケティングもエンジニアがいないとスピード感が出ない。だからうちの部には専任のエンジニアがいます」という一言。
あの人たちはマーケだから関係ない、あの人たちは技術屋だから関係ない……という壁をつくらないことが成長の秘訣のようですね。
現場の声を重視し、あらゆるステークホルダーに寄り添う施策を
上手くいったと思えるマーケティングの取り組みについては、いかがでしょう?
MFクラウド会計での、休眠ユーザー復帰施策ですね。
もともと休眠復帰の施策に懐疑的だったんですが、
カスタマーサポートの部から「こういうコンテンツあればいいんじゃない?」という
声があがり、それをMarketoで配信しました。
結果、瞬間的な復帰だけじゃなく、ユーザーはその後きちんと定着しました。
会計サービスは確定申告に合わせて、1〜2月頃に復帰ユーザーが多いんですが、
そういったユーザーは「復帰したけど、何すればいいんだっけ?」という状態の方多いので、そういった方たちに向けたピンポイントなコンテンツをつくったんです。
我々は、採用企業様・求職者様の両方の声をきける立場にあるのですが、それぞれのお客様のリアルな行動に寄り添った施策は、うまくいきました。
以前は企業様側と求職者様側、それぞれチームに分かれて施策を考えていて、
求職者様側のチームは主にスカウトの返信数をKPIとして追っていたんですが、求職者様の立場になってみると、返信するにもまずはスカウトが来ないことには始まりません。
そこで、企業様側と求職者様側のチームで連携し、企業様側がより幅広い求職者様にスカウトを送りやすい状態をつくりました。一部の求職者様にスカウトが集中しすぎないようにすることで、求職者様がスカウトに返信してくださる数が増えたんです。
また求職者様に対しても、『企業様側からあなたのレジュメをどんなキーワードで検索しているか』といったレポートをメールで送ることにより、希望のスカウトが受けやすくなるようなサポートも行っています。
どちらも、ユーザーに寄り添い考えたからこそ生まれた効果。
とくにカスタマーサポートといった、顧客と実際に触れ合ってる現場の意見が反映されるのは素晴らしいです!
これまで意識していなかったところにフォーカスして、丁寧に向き合う。こういったところにも打開策は眠っているかもしれませんね。
失敗・苦しい期間から、逃げてはいけない
面白い施策ばかりですね。
一方で、マーケティングで参考にしている企業はありますか?
人材サービスはよく見ています。
新たな転職系のサービスがリリースされるとすぐに登録して、登録導線や実際にどんなスカウトが自分に届くのか確認しています。
なかでも、LinkedInは有料プランもあり、求職者の属性も近いため意識しています。
UIを参考にしたこともありますが、それだけでははあまり大きな変化はみられませんでした。
SNSなのかクローズドなのかサービスの成り立ちが違いますし、
単純にUIを参考にするだけでなく、そこからビズリーチ独自の体験を作るべきだと学びましたね。
参考企業ではないんですが、うちはキャズム理論を丁寧に追っていこうかなと。
CLINICSは理解してもらうのがまだまだ難しい分野なので、事例こそが最大のマーケティング材料になるんですね。
事例が出るまでは仮説検証を繰り返して、自分たちに賛同してくれる初期ユーザー様を必死に獲得する必要がありますが、お客様の数がある地点まで到達すれば圧倒的な強みを持てる。
「IT化が遅れている医療という業界をいかにITの力で変えていくことができるのか??」
それが私たちが常に追い続けている目標ですね。
新しい技術・サービスが、ロジャースの普及曲線におけるイノベーター、アーリーアダプターまでの普及を超えると、以降は爆発的に普及しだすという理論。
失敗や苦しい期間も恐れず、施策を試し続けようという姿勢…… 我々も見習いたいです。
自分たちのプロダクトを信じられるからこそ、できることですね。
市場創造のためのマーケ施策から感じたのは、風通しの良さとチームワーク!
今回も、先鋭スタートアップ企業から濃厚なお話を聞けたMarketo Marketing Up。
さまざまな施策はあれど、どの企業からも感じたのは、風通しの良さとチームワークの良さです。やはりこの部分が欠けていては、どの施策も実行できなかったはず。
今回のパネルディスカッションで、個人的に重要だと思ったポイントをまとめると下記3つ。
- 壁をとっぱらって、意見交換する
- 現場の意見を反映する
- 失敗を恐れず突き進む
これらを意識して、デジマラボも成長をより加速させていきたい……!
ノウハウ盛りだくさんのMarketoコミュニティイベント、今後もウォッチしていきたいです。
ではまたー!
「BITA デジマラボ」掲載のオリジナル版はこちらxxTechの急成長企業を支えるマーケティングの極意!Marketo Marketing Upイベントレポート2017/06/08
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