SNS運用に役立つ投稿事例&プロが教える企画・アイデアの作り方

SNS投稿の事例&アイデア 4月編――エイプリルフール・入学・入社・桜のシーズン

エイプリルフール、入学、入社、桜など、4月のSNS投稿ネタに役立つ情報をお届け

ソーシャルメディア(SNS)の投稿ネタが思いつかない……

販促やキャンペーン企画と同様、ソーシャルメディアをマーケティングに生かすためには、事前の準備が重要です。そこで、この連載では実際の投稿タイミングを考慮して、2~3か月先のイベントを意識した事例・投稿ネタを紹介します。

今回のテーマは4月。「エイプリルフール」「入学」「入社」「桜」「はじまり」のシーズンに参考にしたいSNS投稿事例とアイデアを紹介します。

4月のSNS投稿に役立つネタ
  • エイプリルフール
  • 入社式
  • 4月の投稿ネタ(一例)
    メートル法公布記念日
    こと座流星群極大
    瀬戸大橋 開通30周年

4月は季節イベントや記念日が盛りだくさん

新年度の始まりである4月はイベントや記念日が多く、比較的投稿ネタに困らない月だといえます。なかでも「エイプリルフール」(4月1日)ネタは鉄板で、企業の面白い投稿としてメディアでの紹介も期待できます。

ただし、エイプリルフールでは多くの企業が“時間”と“予算”をかけ趣向を凝らした投稿を行うのが常です。自社の投稿が埋もれてしまわないよう入念な準備・作りこみを今から始めましょう。

入学や入社といった、新生活のスタートも4月ならではの大きなイベントです。新社会人向けのアイテム紹介といった販促はもちろん、若者に向けた応援メッセージや入社式のスピーチ紹介などを通じて、ブランドを知ってもらうこともできます。

Twitter
ウソだと知ってても食べてみたい!コメダ珈琲店の「コメノワール」

毎年エイプリルフールには、趣向を凝らした投稿がSNS(特にTwitter)にあふれます。「いかにファンを楽しませるか」に徹底的にこだわった投稿が、多くの反応を得ているようです。

次の投稿は、「シロノワール」で有名な喫茶店のコメダ珈琲店が2017年4月にツイートした内容です。

コメダ珈琲店のこの投稿のポイントは、まず「コメダ → コメ(米)だ!」「シロノワール → コメノワール」と、ストレートでわかりやすい「嘘」であること。そして、シズル感あふれるリアルな画像を使ったことです。結果、多数のリツイートと、「食べてみたい」「おいしそう」など好意的な返信が多く寄せられました。

チェックポイント!

エイプリルフールとはいえ、嘘ならなんでもいいというわけではありません。通常のSNS投稿と同様、「誰かを不快にする嘘」「誰かを傷つける危険性のある嘘」などは避けるべきです。くすっと笑えたり、「これが現実だったらいいのに!」と思わせたり。ファンをハッピーな気分にさせるうまい嘘を考えましょう。

Facebook
Hondaの哲学を届ける、ファン育成やインナーブランディング効果も

次の投稿は、4月はじめの入社式からしばらく経った4月20日にHondaがFacebookに投稿した入社式の様子です。

「新入社員も社長も全員が白い作業服を着る」というHondaの入社式の紹介からはじまり、「Hondaの作業着が白である理由」を説明することで、結果的にはHondaの哲学・企業理念の訴求に成功しているといえるでしょう。コメント欄には、Honda関係者やファンからの好意的なコメントが多く寄せられています。

チェックポイント!

入社式の投稿といえば、式典の写真、祝辞を述べる社長の写真、新入社員の写真という先入観は捨てましょう(ダメというわけではありません)。

Instagram
桜+飛行機、春を感じさせる写真の構図がすばらしい

日本人が大好きな花「桜」。毎年このシーズンには「桜」「開花」「花見」などのハッシュタグを付けた数多くの投稿がされ、まさに百花繚乱です。

そのなかでも、日本航空(JAL)が投稿したInstagramは写真の構図がすばらしく、群を抜いていた感があります。

JALでは、Facebookにも桜の投稿をしています。こちらは構図も内容もぐっとフォーマルなものに。各SNSの特徴やユーザー層をよく理解して、投稿内容・画像を使い分けている好例といえるでしょう。

チェックポイント

同じテーマの投稿であっても、各SNSの特徴にあわせてテキスト・画像を工夫することが、ファンからの反応(エンゲージメント)向上につながります。

4月の投稿ネタ(一例)
「メートル法公布記念日」「こと座流星群極大」「瀬戸大橋 開通30周年」

ここまで、4月の大きなイベントに絡めた投稿事例を紹介してきました。ここからは、その他の季節イベントや記念日の投稿ネタを考えるときのコツをいくつか紹介します。国民の祝日のように法律で定められた記念日以外にも、日々、何かしらの記念日があるものです。そうした記念日を投稿のヒントにします。

また、その時期に発生するイベント(祭り、スポーツイベント、政治外交関係、天文宇宙関係など)のほか、歴史や未来をひもといて「●年前のその日」「●年後のその日」をヒントにする方法もあります。

ここで気をつけていただきたいのは、こうした「ネタ」だけで投稿を作らず、必ず自社の「会社情報」「商品情報」「サービス」「キャンペーン」「イベント」などの情報と絡めた投稿にするということです。

面白さやトレンドだけを追求した投稿は、ファンからの反応が一過性のものになりがちです。たとえ運よくバズったとしても、「これって、どこの会社の投稿だっけ?」と思われてしまっては、ファンとのより良い関係構築にも役立ちません。

「ファンを楽しませる投稿」=「ネタ」×「自社情報」が大切だと覚えておきましょう。

メートル法公布記念日(1921年4月11日)

たとえば、4月11日は「メートル法公布記念日」とされています。

記念日になった由来を紹介するのもいいですし、「メートル以前に日本で使われていた長さの単位は?」とクイズにして、正解発表でトリビアを紹介するのもいいでしょう。

「●●は何メートルあるでしょう?」と、意外と知らない長さ(生物の体長や、建物の高さなど)を問いかけるのも面白い投稿になりそうです。

測定器を扱うメーカーや建築業界などであれば、会社の事業と絡めながら、普段とは違うユーザー層にアプローチしたり、会話を生んだりするきっかけにもできそうです。

こと座流星群極大(見ごろは4月23日未明)

毎年4月にやってくる天文イベントの1つが「こと座流星群」。2018年の見ごろは4月23日未明で、1時間に10個程度は見られるそうです(東京の星空・カレンダー・惑星)。

「流れ星に関するトリビア」投稿や、「どんな願いごとをしますか」という問いかけ投稿、観測時にオススメの服装を紹介する投稿など、いろいろな切り口で投稿できそうです。

●周年! を探そう

2018年4月に訪れる「有名人の生誕・没後●周年」や「あの出来事から●周年」を探してみましょう。投稿ネタに使えそうなものが見つかるはずです。たとえば、次のような記念日はいかがでしょうか。

  • ヘルベルト・フォン・カラヤン生誕110年(2018年4月5日)
    ※20世紀を代表する著名な指揮者
  • 瀬戸大橋 開通30周年(2018年4月10日)
    ※本州と四国をつなぐ連絡橋の1つ目として30年前に開通

「ネタ」×「自社情報」が企画の基本

連載第1回はいかがだったでしょうか。大事なことなので繰り返しますが、どんなに面白くてトレンドに乗ったネタを企画したとしても、そのネタだけで投稿すべきではありません。

「ファンを楽しませる投稿」=「ネタ」×「自社情報」

これが企画の基本です。SNS運用担当者のみなさんには、常にこの方程式を頭に置いて、良い投稿案を練り上げていただきたいものです。

また、4月といえば人事異動の季節、SNS運用担当者が交代される会社もあるでしょう。投稿案を練るだけでなく、担当者が替わってもSNSを問題なく運用していけるように情報共有や引継ぎをお忘れなく。

たとえば、次のようなドキュメント類が整えられていると安心です。

  • 運用体制図(担当者一覧)
  • 運用フロー
  • 運用スケジュール
  • コンテンツ(投稿案)作成ルール
  • 緊急時のエスカレーションフロー
  • 想定問答集

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