アユダンテ つぶやきデスクコラム

企業アカウントもSNSで炎上する! なぜ起こる? “燃え尽きる”のはいつ? どう対処する?【アユダンテ つぶやきデスクコラム】

SNSアカウント運用で避けたい「ネット炎上」について。炎上する原因や影響範囲、起きてしまった際の具体的な対策方法について、つぶやきデスクが解説。

企業としてSNSアカウントを運用していて一番避けたいのが炎上。
その対処法を間違えると、企業のブランド価値を損ない、これまでのファンを失う、ひどい場合には不買運動にまで発展する恐れもあります。
潜在顧客との接点を増やすため、あるいは既存顧客との交流に運用しているSNSアカウントで、その既存顧客すら離れてしまう可能性があるのです。

今回は企業アカウントがSNSで炎上しないために、あるいはその損害を最小限に食い止めるにはどうすればいいのか、解説します。

企業アカウントの炎上、なぜ起こる? その原因

国内における炎上発生件数推移
「国内における炎上発生件数推移」参照:総務省 令和元年版情報通信白書*1

SNS炎上するアカウントとして最も多いのは、実は一般の個人のアカウントです。*2悪ふざけが過ぎて話題となり、やがてニュースにまで発展してしまうケースが多いようです。

一方で、企業アカウントは、自社の製品やサービス、ブランドの認知向上やファン醸成を目的としているはずなのに、なぜ炎上してしまうのでしょうか?

自社製品の不良から

自社製品の不良、食品の異物混入など、製品やサービスに対する消費者のクレームが、昨今ではメーカーの窓口に直接知らされる以外に、SNSに投稿され、拡散されてしまうというケースが見られます。特に、人々の暮らしの安全や安心に関わるものは、ひとたび投稿されてしまうと、短期間に広く拡散します。
こうした消費者からの情報に対し、「放置してしまう」「調査をせずに否定してしまう」など対応に失敗すると、さらにその対応策についても批判され、やがてマスメディアに取り上げられ、炎上へと発展していきます。

キャンペーンや広告、CMから

「働く女性を応援する」というメッセージを込めた企業CMが、その根底に「家事、育児は女性の役割という既成概念がある」と批判にさらされ、炎上し放送中止に追い込まれました。このように企業として伝えたいメッセージが、期待したように伝わらない、想定していなかった視点から批判を受けるという事例は少なくありません。
特に炎上しやすい話題としては、食品・性別・宗教・格差・災害・政治・医療などに関わるものと言われています。こうしたテーマを取り扱う際には細心の注意と配慮が必要です。

運営メディアの内容と信ぴょう性から

オウンドメディアやメディアサイトにおいて、掲載記事の信ぴょう性が厳しく問われています。某医療情報メディアが信ぴょう性の低い記事の作成や、文章や画像の盗用をしていて炎上し、閉鎖に追い込まれた問題は、多くの人の記憶にあるのではないでしょうか?自分たちのメディアはきちんと正しい情報を伝えることができているか、情報が古くなっていないか、情報を発信することだけでなく、その内容の確認や更新などが重要になってきています。

社員・アルバイトの失言・失態・誤爆から

コンビニのアルバイトが店内で行った悪ふざけを写真や動画としてネットに公開し、炎上した結果、閉店に追い込まれ、本部企業による謝罪会見が開かれニュースになるという事例はいくつもありました。SNSでは、担当者が間違えて、企業アカウントで個人的な意見を発信してしまい、内容によっては炎上につながってしまうケースもあります(誤爆ツイート)。企業アカウントでなくとも、企業名をプロフィールに記載している人間が発信した内容により企業が炎上に巻き込まれることもあります。

このように、炎上の火種は企業活動全般に存在しています。

炎上はどこから始まる? 炎上の時系列

炎上のGoogleトレンド
SNS炎上についてのGoogleトレンド

Google Trendsで炎上とSNS名の組み合わせのトレンド状況を見てみます。
代表的なSNSを検索数の多い表記で10年分ほど比較してみました。やはり一番にTwitter、そして次にInstagramやYouTubeが多いことが分かります。

同様にNHKが2016年6月から2017年9月に調査した結果によると、ネット炎上のほとんどのケースにTwitterが介在していたそうです。
そのなかで「企業・営利団体」の炎上は、ネット炎上全体の2割を占めていたと述べられています。*2

SNSから始まり、マスメディアまで…で終わらない

炎上・拡散の仕組み
炎上・拡散力の仕組みについての図

最初はSNSでの一部の騒ぎから始まる炎上は、やがてまとめサイトやネットサイトに取り上げられ、その発端となったSNSをやっていないユーザーもミドルメディアで目にするようになります。
この情報がマスメディアにのれば、インターネットを利用していない人々にまで伝わることとなります。

つまりこの図のように炎上はソーシャルメディア<ミドルメディア<マスメディアの順に影響力を増していきます。

そのうえ、マスメディアで取りざたされたら終わりではなく、そうやって広がったマニュースは、再びSNSで拡散されます。

きっかけとなった問題だけでなく、企業としての対応に問題があれば、またそれが炎上の材料となり(燃料投下とも言われます)、次の話題が出るまで、人々が飽きるまで、燃え続けます。

つまり、炎上対策は、初期対応が極めて重要なのです。

企業アカウントを持たないことがリスクになる時代に

提供するような情報がない、リソースがなく運用できないと、企業アカウントを開設・運用を見送っている企業もあると思います。しかし、それは、こと炎上においては、初期対応の遅れとなり、取り返しのつかない事態になる可能性もあるのです。

もはや企業がSNSアカウントを「持たないことがリスクになりうる」時代になりつつあります。

もちろん、企業アカウントを開設していようがいまいが、炎上が起きる時は起きるものです。ですが、事が起きたときに、早期発見、早期対応するには企業アカウントを持っていた方が有利です。
日頃から運用し、ファンと交流を持っておくことで、時にはそのファンが味方をしてくれたり、いち早く問題の発言について教えてくれたりすることもあります。

何より、企業の公式HPで情報提供するよりもスピーディに、企業のメッセージを伝えることができます。

炎上を拡大させない企業アカウントのリスクマネジメント

炎上は企業の信用、ブランドを失墜させるため、ソーシャルリスクと呼ばれます。
企業アカウントを運用する上で、リスクを回避するために、どういったことを意識し、準備しておけばよいでしょうか。

早期発見のためのソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングとは、「現在のトレンドは?」「自社のサービス、ブランド周りでどのようなことが話されているのか?」「ユーザー感情はどうか?」といった、SNS上のユーザーの声に耳を傾け、次の施策に活かすことを目的としたマーケティング施策ですが、炎上のきっかけとなる動きがあった際に、状況の早期発見や、問題のポイントを知るためにも、欠かせません。
リスクマネジメントの最初のプロセス「状況の把握」は、SNS上のリスクマネジメントにおいても同様です。

「 担当者まかせ 」ではなくスピーディに対応できる組織体制

企業アカウントの運用を、SNSに慣れている担当個人に任せる方法は、「アカウントの人となり」「中の人感」を持たせ、フォロワーに親近感を持ってもらいやすく、フォロワー数を獲得しやすい運用の仕方です。

しかし、何か問題が起きたとき、ユーザーの視点は、担当者個人を超え、「企業」としての回答、姿勢が求められます。

運用担当者だけでは対応できない事態になった際に、どこに情報を共有するか、誰が判断を下し、各部門に展開するか。会社の方針としての発言をどう取りまとめるか。

例えば、先に上げたような異物混入などの事態が発覚した際は、事実確認のために、製品担当者、品質管理部門、事実だとした場合の補償を検討するために法務部門、確認できた事実をどう発表するかを判断する広報部門など、事実確認と分析、対応策を検討するために、組織的にあたる必要があります。

事が起きたときに慌てて、各方面に調整をかけていては、対応が遅れてしまいます。ソーシャルリスクが発生したときの、確認指示系統を、準備しておくことで、いざという時のスピード対応が可能になります。

SNSメディアポリシー、ガイドラインを設ける

企業アカウントを運用するにあたっては、ソーシャルメディアポリシーや、運用ガイドラインを設けておくことも大切です。

事前にSNS運用に対する企業の姿勢を明らかにしておくことで、取るべき責任範囲が明確になります。
と同時に、運用する担当者、所属する社員に対して企業アカウントのあり方、個人のSNSアカウントでの行動規範となります。
こうしたポリシーや、ガイドラインは設定するだけではなく、必ず社内に周知し、教育を行う必要があります。

複数の担当者による、配信前のチェック体制

運用上で発生するトラブルを減らすために、投稿する内容については、投稿前に複数名のスタッフの目でチェックをしておくと安心です。
先に述べたように、意図しない受け止められ方をする可能性がないか?は一人の人間でチェックしても、判断が難しいものです。

リソースが少ない中での運用で、なかなか難しいかもしれませんが、少なくとも運用担当者が投稿する対象のSNSのノリや温度感、どういった投稿がユーザー感情を逆なでする危険性があるのか?といった知見がつくまでは、チェックすることをおすすめします。

炎上してしまった場合、企業はどうすべきか

どんなに気を付けていても炎上を防げない時はあります。
その際にどう対応すべきか。一般的には下記のような流れで対応していきます。

状況把握・社内通達

運用担当者は問題の発端となった投稿を見つけ、上長、あるいはソーシャルリスクのマネジメント部門に報告。
企業としての対応策と行動方針を決定します。

認識報告・調査分析

運用担当者は、企業としての対応策と行動方針に則り、投稿実施。
状況を把握していること、調査を進めていることを報告することが一般的です。
いきなり否定するのは論外ですが、過失が明確な場合以外は、いきなり謝罪することも逆効果になる場合もあるので、注意が必要です。

経緯報告・結果報告

調査した結果を報告。この際は特に、複数の目で投稿文を確認。内容が明確か、誤解を招く表現がないかなど、充分に注意して投稿する必要があります。

実際に過失があった場合は、発端となった投稿者に対し、直接真摯な態度で謝罪を重ねること、他のユーザーについては、騒がせたことについて謝罪を行います。
実際に瑕疵がなかった場合は、調査結果の報告を行います。
また、一連の事実と結果報告について、自社のホームページ上に掲載します。

ユーザーや情報を管理統制することはできない

気をつけたいのは、発端となった投稿者を懐柔する、あるいは削除させてなかったことにしようとするアクションです。
こうした行動は、高確率で二次炎上につながります。

事実無根の批判投稿などについて、削除を求める場合も、調査をした結果を報告しつつ、事実無根であることが明らかとなったため、結果として投稿者に削除いただいた、という流れを説明しておくと誤解による炎上を防げます。

今や全世代の6割の人がスマートフォンを持ち、 80代以下の約85%の人がインターネットを利用している時代*3
SNSの普及で、情報を受け取るだけでなく、誰もが発信者になりえます。そしてその発言、投稿を一企業が統制することは不可能です。

事が起きたときに
冷静かつ迅速に、そして真摯な態度で透明性のある行動をとる。
炎上が発生したときの、企業対応の鉄則です。

企業のソーシャルリスク対応をサポート

企業のSNS運用を支援するツール「つぶやきデスク」は、2010年から多くの企業にご利用いただいており、上記に述べたような、炎上対策にも役立つ機能を搭載しています。

特定語句のツイート流量トレンド計測

設定した特定の語句(キーワード)が、Twitter上でどのくらいツイートされているかの数量を計測できます。企業名、ブランド・サービス名などを登録しておき、通常時の状況を把握しておきます。本来は、キャンペーンCMやニュースなどを配信した後に、その影響を見るための機能ですが、思い当たるアクション等がないのに、急激にツイート量が増えるようであれば、その原因を早期に確認する必要があります。

検索フォルダ機能

登録しているKWを含む投稿をまとめてみられる機能です。
企業名やブランド、商品名などを登録しておき、どういった内容がつぶやかれているかまとめて確認することができます。
登録しているKWを含む投稿が急増した場合は、設定しておいたメールアドレスにメールで通知が送られます。SNS上で急激に話題になっているときに、何が起きているかを確認でき、早期対応を可能にします。

アクティブサポートで不満を解消

企業やサービスに対してネガティブな発言をしている、あるいは不満を発信しているユーザーアカウントがある場合、モニター専用リストに登録し、登録したキーワードを含む発言があった際に、設定してあるメールアドレス宛にメールでアラートメッセージを発信します。どういった不満や問題があるのかを確認し、炎上に発展する前に解決策を検討、提示することができます。
何がきっかけで、炎上は発生するかは誰にもわかりません。
ですが、早期発見、対応することで、被害を最小限にとどめることを、運用担当者、企業は目指していく必要があります。

承認投稿機能

担当者が、アカウントの投稿を登録した後、責任者が内容を確認したうえで投稿できる機能です。運用担当者が不慣れなうちや、複数部門の担当者が投稿を行っている時など、企業のソーシャルメディアポリシーや、ガイドラインに即しているか、最終確認を行った上で、アカウントの投稿が可能になります。

参照元:

「つぶやきデスクコラム」掲載のオリジナル版はこちら企業アカウントがSNS炎上しないための対策

本コラムでは、チームでTwitterやFacebookを運用するのに便利な機能を取り揃えた企業向けSNS管理ツール「つぶやきデスク」(提供:アユダンテ)のスタッフが、企業のSNSマーケティング担当者に向けてさまざまなノウハウをお伝えします。

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