Step 1-4 マーケティングをふまえたWebサイト制作
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クイズ
- 企業にとって「良いサイト」とは、どんなサイトでしょうか?
Step 1-1と同じ質問です。Step 1-1を読んでくれた方なら、「ビジネス目的に基づいた役割を果たすサイト」だと答えてくれるでしょう。そしてその役割を大雑把にいうと、多くの場合、自社商品やサービスを継続して売れるようにすることではないでしょうか。
一般に、「商品やサービスが効率的に売れ続ける」ようにする活動をマーケティングといいます。企業のWebサイトは、マーケティングを行うための1つのツールであるともいえるのです。正しい情報をわかりやすく、キレイに表示しただけのサイトでは良いサイトとはいえません。マーケティングをふまえたサイトの構築・運用を目指しましょう。
- 正しい情報をキレイに表示しただけのWebサイト
- マーケティングをふまえたWebサイト
マーケティングをふまえたWebサイトとは?
さて、マーケティングが「商品やサービスが効率的に売れ続ける」ようにする活動だとすると、広範囲にわたった活動になります。次のように、「事前」「接点」「事後」の3つに分けて考えるとわかりやすいと思います。
- 事前のマーケティング(リサーチ):消費者のニーズを調査する活動。現在、また未来の市場調査や消費者アンケートなど。
- 接点のマーケティング(アクイジション):新規顧客を獲得するための活動。広告やコンテンツの充実など。
- 事後のマーケティング(リテンション):既存顧客を離さないための活動。リピート購入の促進など。
このように分けると、Step 1-2で解説したターゲットユーザーのニーズを明確にする活動は、事前のマーケティングにあたります。このStep 1-4では、接点のマーケティングについて紹介しましょう。
なお、自社の商品やサービスを効率的に売れ続けるようにするには、自社のイメージを向上させ、認知してもらう活動が必須になります。そこで、特に事前・事後のマーケティングでは、自社のイメージを形成するブランディングを意識した活動が大切になります。
トリプルメディア
企業では、役割ごとに次のようなメディアを運用し、ユーザーとの接触を図っています。
- オウンドメディア(Owned Media)
- ペイドメディア(Paid Media)
- アーンドメディア(Earned Media)
この3つをトリプルメディアと呼び、実際にはそれぞれを組み合わせて活用しています。
オウンドメディア
自社で直接運営・発信しているサイトやブログを指します。また、TwitterやInstagram、Facebookなどソーシャルメディアの公式アカウント、自社発信のメルマガなどもオウンドメディアにあたります。
ペイドメディア
お金を出して「知ってもらう」「来てもらう」などをする有料広告を指します。Webサイトに表示される「ディスプレイ広告」、ユーザーが検索するときのキーワードなどに関連した広告を表示する「リスティング広告」、広告を掲載するメディアのデザインや機能に合わせた「ネイティブ広告」、Twitter、Instagram、Facebook、LINEといったソーシャルメディア(SNS)を利用し、その配信面に表示する「SNS広告」などがあります。
アーンドメディア
あなたの会社や製品に関することを、第三者が自発的に発信してくれる場を指します。顧客がSNSにアップしてくれる感想やメディアの記事などがこれにあたります。
こうしたトリプルメディアを組み合わせて見込み顧客や潜在顧客を自社サイトに集客し、ゴールを目指しているわけです。あなたが自社サイトだけの運用担当者であっても、マーケティング戦略の1つを担っていることを意識する必要があります。
- マーケティングをふまえたWebサイト制作が必要
- 企業ではトリプルメディアを組み合わせてユーザーと接触を図っている
ペイドメディア(ネット広告)の活用
さてここで、ユーザーニーズに応えることができるサイトを作ったら、それだけでユーザーは来てくれるのか、もう一度考えてみましょう。必要とされるサイトであれば、きっと知れ渡るはずだと思っている人もいるかもしれません。
しかし、新しいテレビドラマが始まるときの番宣の多さを思い出してみてください。数ある番組の中から選んでもらえるよう、どんなに人気のある俳優が主役でも、番宣はなされます。いや、人気があればあるほど、役者自身が番宣をしているのをみたことがあるのではないでしょうか。
世の中にはWebサイトがたくさんあります。絶対にユーザーに必要とされるサイトだ!と自信をもてるサイトを作り、その上で多くの人にあなたのサイトを知らせましょう。
- Webサイトは作るだけでなく、来てもらう施策が必要
その方法としては、ペイドメディアであるネット広告が比較的早く効果をあげることができるため、企業の多くに利用されています。
ただしネット広告は、広告をどこにどのように表示するか、どのように料金を支払うか、表示するのはテキストか画像か動画かなど、さまざまな区別があり、運用には経験が必要です。規模によっては、専属の人間の配置も必要になるため、外注している会社も多いでしょう。
そこでここでは、広告やその運用について詳細に解説するのではなく、一般的によく使われているディスプレイ広告の基礎について解説します。なお、アーンドメディアについては、Step 4で紹介する予定です。
ディスプレイ広告
Webサイトやアプリの広告枠に表示されるものをディスプレイ広告といいます。バナー広告はこのディスプレイ広告の1つで、画像や簡単なアニメーションを広告枠に表示し、自分のサイトのページにリンクを貼るものです。Web広告ときいてまず思い浮かぶのがこの広告かもしれません。
バナー広告
バナーにも次の2種類があります。
- 純広告型
- 運用型
純広告型は、特定メディアの広告枠を買う方法です。一方で、特定メディアではなく、運用型バナー広告の広告枠をもっているメディアにランダムに表示される方法があります。そうした運用型バナー広告枠を買うのが運用型です。そしてこの運用型サービスの代表的なものがGDN(Googleディスプレイネットワーク)とYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)です。
リッチメディア広告
画像中心のバナーのほかに、動画や音楽を用いた広告もみかけると思いますが、それをリッチメディア広告といいます。ユーザーがクリックすると広告枠が大きくなったり、ゲームで遊ぶことができるようになるものもあり、より注目を集め、記憶に残りやすい効果が期待できます。自社イメージを認知してもらうことに利用されることが多い手法です。
テキスト広告
リッチメディア広告がある一方で、テキスト(文字)にリンクを貼っただけの広告もあります。バナー広告やリッチメディア広告よりも比較的安価で、表現の工夫によってはユーザーの心をつかむことができる広告です。自社のユーザーがどのようなキーワードで検索するかを意識することで、直接的な集客が可能になります。
このように、ディスプレイ広告も3つに分類することができ、広告にかけることができる予算や、その効果を考えながら組み合わせて運用しています。そして、広告用のテキスト、画像などの制作も重要ですが、広告をクリックすると表示されるページの制作にも工夫が必要です。広告の運用部門と連携しながら、広告の目的に合ったページを作ることが大切です。
ビジネス目的に沿った、マーケティングツールの1つであるWebサイトを作るには、広告部門だけでなく、事業部門や広報、情報システムなど、会社の中の多くの部門と連携をとる必要があります。
そこで1-5では、実際にサイトを構築(リニューアル)することを前提に、さまざまな部門が集まったサイト構築プロジェクトについて解説していきます。
- ポイント
- 1-4「ビジネスとWebサイトの目的」のポイント
- マーケティングをふまえたWebサイト制作が必要
- 企業ではトリプルメディアを組み合わせてユーザーと接触を図っている
- Webサイトは作るだけでなく、来てもらう施策が必要
復習ミニテスト
Q1-4-1 マーケティングとは?(単一選択)
- 1. 世界の状況や日本の市場などを調査すること
- 2. 販売のこと
- 3. 売れ続けるようにする活動のこと
3. 売れ続けるようにする活動のこと
Q1-4-2 Webマーケティングにおけるトリプルメディアとは?
(単一選択)
- 1. 新聞、テレビ、週刊誌のこと
- 2. オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディア
- 3. 事前のマーケティング、接点のマーケティング、事後のマーケティング
2. オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディア
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