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Step 2-15 運用(コンテンツ更新)計画書の作成

Step 2-15で知ってほしいことは、コンテンツの更新という側面からの運用計画作成ポイントを知ることです。

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クイズ

Webサイトが完成しても、コンテンツ制作に終わりはありません。コンテンツはどんなタイミングで更新すればよいでしょう?

まず考えられるのは、運用開始後に見つかってしまった誤りを正す場合があります。開始前に念入りにチェックしていても、残念ながら「絶対に誤りがない」なんてことはありません。

そして、運用してみたら思うようにアクセス数が伸びなかったり、購入数が伸びなかったり、事前に立てた仮説通りの結果が出ない場合があります。そこで、目標を達成できるようにコンテンツの改善を行う必要が出てきます。

  • 見つかった間違いを修正だけすればよい
  • 目標達成のために改善することも運用計画に入れておく

そこでStep2-15では、コンテンツ更新という側面から、運用計画を考えてみましょう。なお運用には、Webサーバのシステム運用という側面もありますが、ここでは「コンテンツの追加・更新」を中心に運用計画作成のポイントを紹介していきます。

Step 2-15は、Webサイト構築・運用のためのワークフロー中、設計フェーズの「サイト設計」に関わる内容です。

戦略策定フェーズ1. プロジェクトの発足
2. プロジェクトの方向性の決定
3. Web戦略の策定
設計フェーズ4. サイト設計
開発フェーズ5. サイト制作・開発
6. 運用準備・運用開始
運用フェーズ7. 運用・効果測定・改善

運用計画書に書いておきたいこと

これまで、Webサイトの目的、役割を明確にし、それを達成するためのルールや方法をまとめる戦略書、設計書などについて解説してきました。運用体制を記した運用計画書もまた、サイトの目的を達成するために必要なドキュメントです。

サイトの規模や種類によって運用計画書に記載する具体的な内容は異なりますが、次の点は必ず押さえておきましょう。

  • コンテンツの管理体制(費用の管理も含む)
  • コンテンツの更新タイミングとフロー
  • 各更新作業の責任者

まずは、費用の管理、クオリティの管理を含めてコンテンツに対して責任を持つ担当部署・担当者を決め、どのタイミングで更新していくのかなどを決めてドキュメント化し、コンテンツの管理体制を明確にします。

コンテンツ運用計画書サンプルの一部(記事の最後で、全体をダウンロードできます)

コンテンツの更新フローも明確にするわけですが、大きく、次の2種類に分けて考えるとよいでしょう。

  • 通常業務としてのコンテンツ更新
  • 戦略的なコンテンツ改善

通常業務としてのコンテンツ更新

冒頭で紹介したように、コンテンツの更新には、間違いの修正などの通常業務と、戦略的なコンテンツ改善があります。そして前者には、間違いが見つかったり、新しい情報が発生した都度更新と、定期的な更新があります。

  • 不定期更新:間違いの修正やニュースリリースの追加など
  • 定期更新:週1の担当者ブログなど

不定期更新:間違いの修正フロー

コンテンツの担当部署が間違いを見つけたタイミングで、Webページを制作する部署に修正依頼し、次のようなフローで更新を完了するのが一般的です。

間違いの修正フロー例

たとえば、商品Aページの間違いを見つけたら、商品Aマーケチームが修正依頼書を作成し、Web制作チームに依頼。更新後、商品Aマーケチームが確認してこの修正フローは終了となる、という具合です。

ここで大切なのは、間違いを見つけたのが商品Bチームの人であったとしても、修正依頼を作成するのはあくまで商品Aマーケチームという点です。そして、この依頼書が出されたタイミングで更新フローが開始するということです。

つまり、「フローの開始と終了のタイミング」と「各責任者」を明確にすることが重要です。なお、依頼書はあらかじめテンプレートを用意しておくと、抜け漏れがなく、依頼する側も制作する側も楽になります。

不定期更新:ニュースリリース、新商品追加時の更新フロー

間違いの修正だけでなく、ニュースリリースや新商品発売の際に追加するコンテンツもまた、通常業務として発生する更新です。これらも修正と同じようなフローになります。

たとえばニュースリリースを出す広報部が、Webページを制作する部署にページ作成依頼を出すところから更新フローが始まり、作成されたページの確認を広報部が行うことで終了します。新商品であれば、そのマーケチームが依頼書を書くことになります。

ニュースリリースの更新フロー例
新製品ページ制作依頼書サンプルの一部(記事の最後で、全体をダウンロードできます)

なお、新商品の発売が不定期ではなく、毎週発売される場合は定期更新となります。

定期的な更新フロー

アクセス数を増やす意味でも、Webサイトはできるだけ新しいコンテンツをアップしていくことが重要です。担当者が定期的にブログを更新しているサイトもありますよね。

また、古い情報がそのままになっていることは、サイトの信頼性を損ないます。情報更新を定期的に行うことが、信頼を高めることにつながります。

定期的な更新フローの場合は、原稿制作に入る日時にアラートが出る仕組みを作っておくとよいでしょう。

定期的な更新フロー例
コンテンツ更新の年間スケジュール

戦略的なコンテンツ改善

Webサイトの運用が始まると、仮説通りの成果が出ない場合もあります。もちろん反対に、想定以上の成果をあげる場合もありますが、いずれにしても定期的に成果状況を確認することが大切です。そして、改善が必要な場合はコンテンツを見直します。つまりPDCAを回すわけですが、Webの場合はスピードが必要です。時間がかかり過ぎないよう、新たな仮説のもとにコンテンツを修正し、検証するサイクルを3~6ヶ月の早いピッチで回すことが重要です。

成果の定期的な確認と改善

そこで、成果の確認をどのくらいの頻度で行うのか、誰が分析レポートを作成するのか、定期的に確認する項目は何にするのかなどを、運用計画にあらかじめ入れておきましょう。その際、チェック項目として含めておくべきものがKPIです。

Webサイトの目的・KGI・KPIについては2-4で紹介しましたが、意味があいまいな方は再度読み直してみてください。

KPIの例(2-4より)

上記の例でいえば、先月の客単価が9,000円だったのに今月は7,000円になった場合、どのような要因でそうなったのかを考えます。その上で、「商品詳細に関連商品のリンクを追加すれば、ほかの商品ページの閲覧数が増えるはず」と、単価を上げるためのコンテンツ改善の仮説を立てるのです。

◇◇◇

2-15では、「コンテンツの追加・更新」という側面から運用計画作成のポイントを紹介してきました。2-16では、Web制作に入る前に行っておきたい社内調整について紹介します。

ポイント
2-15「運用(コンテンツ更新)計画書の作成」のポイント
  • コンテンツの管理体制(費用の管理も含む)を明確にする
  • コンテンツの更新タイミングとフローを明記する
  • 各更新作業の責任者を明記する
やってみよう
  • 新しい商品ページをWeb制作担当に依頼する場合、制作依頼書にはどのようなことが書いてあるとよいと思いますか? 依頼書のフォーマットを考えてみましょう。
もっと学び、成長するために
コンテンツ運用計画書のサンプルをダウンロードできます。ダウンロードはこちら
新製品ページ制作依頼書のサンプルをダウンロードできます。ダウンロードはこちら
コンテンツ更新の年間スケジュールのサンプルをダウンロードできます。ダウンロードはこちら
本記事の監修者

白石 裕一朗(しらいし ゆういちろう)

株式会社キノトロープ コンサル部 副部長
ディレクター、コピーライター

25年以上にわたる専門誌の編集業を経て、キノトロープへ入社。
年間で500本以上の「成果に結びつく」コンテンツを監修。
企業セミナー・大型セミナーの講師も務める。

デザイン:三苫慧子
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