厚生労働省の医療情報サイトが検索でヒットしない! なぜ? どうすれば改善できる?【SEO情報まとめ】
厚労省の医療情報ネット「ナビイ」にある情報が、検索エンジンででてこない状況にある。せっかく地方自治体などから良質な情報を集約しても、検索で出てこないのなら存在しないのと同じ!? その原因と重要性を解説する。
ほかにも、「自サイトの全被リンクを否認してみた」「画像読み込み高速化テクニック」「カルーセルやタブの中までユーザーは見に行かない」などなどなど、あなたのSEO力アップに役立つ情報を、今回もまとめている:
- 厚生労働省の医療情報サイトが検索でヒットしない! なぜ? どうすれば改善できる?
- グーグルの否認ツールは効いてる? 効いてない? サイトへの全被リンクを否認してみたが……
- これでサクサク! 画像読み込みを高速化させる4つのテクニック
- SEO業者に依頼したけど成果がない? 確認すべきポイントと対策
- フラグメントURLに関するガイダンスの明確化
- 情報設計の落とし穴: 見えづらいコンテンツをユーザーは見つけてくれない
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厚生労働省の医療情報サイトが検索でヒットしない! なぜ? どうすれば改善できる?
クロールとインデックスを阻害するサイト構成 (SEO研究チャンネル) 国内情報
厚生労働省が運営する医療情報ネット「ナビイ」は、有用な情報を豊富に公開しているサイトだ。にもかかわらず、サイトの構造が検索との相性が非常に悪く、情報を必要としているに人に届いていないそうだ。サイト構造に欠陥があると、CINCの平大志朗氏が指摘している。
平氏の分析によれば、クロールとインデックスを阻害するナビイの構成が、特に重大な欠陥になっている。具体的には次のような問題だ:
- JavaScriptでリンクされており、Googlebotが認識できない
- サイトマップに不備がある
- 意味のない長いパラメータ、多くのパラメータ
- 潜在的な重複コンテンツ
平氏の指摘について、SEO専門家の辻氏は次のようにコメントしている:
厚生労働省の医療情報ネット「ナビイ」 のSEOの問題調査。一般サイトにも参考になる話です。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) July 15, 2024
一般サイトの問題は名指しで出すのは 微妙なことが多いですが、公的機関の問題は国民全体の不利益なので素晴らしい問題指摘と思います。中の人、これを見て改善検討して欲しいなあ。https://t.co/Gf4llWA3h9
この件は、「検索性があればもっと価値を出せた」という話ではなく、各地方自治体が一部は被検索性もある形でネットで発信していたサイトを閉鎖して、被検索性がないナビイに集約してしまったので、ネット上の情報としては後退とも言えるので問題は大きいと思います。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) July 16, 2024
SEO会社無しでも、常識的な能力を持ったWeb制作会社が入れば、常識的な被検索性は保てるはずと思います。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) July 16, 2024
今後、地方自治体のITシステムを共通化する動きがあるそうで、今回のような失敗にならないよう公的機関のWebサービスは要件定義から被検索性を検討して欲しいです。https://t.co/uGPetvOlVW
信頼できる公共機関のサイトだからこそ、検索で確実に見つけてもらえるようにSEOにも配慮する必要がある。
そして、公共機関のサイトを運営しているわけではない人でも、SEOの重要な入り口として、改めて理解しておきたい。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報①
グーグルの否認ツールは効いてる? 効いてない? サイトへの全被リンクを否認してみたが……
何も起きなかった (Zyppy SEO Consulting) 海外情報
SEO専門家のサイラス・シェパード氏が、おもしろい実験を行った。自身のウェブサイトへのすべての被リンクを否認するというものだ。
シェパード氏は、自身のウェブサイトへのリンクをSearch ConsoleとAhrefsで調べ、そのすべてをグーグルの否認ツールを使って否認するという実験を行った。否認したリンクには、高評価サイトを含む1,473の独自ドメイン名からの1万以上のリンクが含まれていた。実験の目的は、否認ツールの影響をテストすることだった(否認ツールは、本来は「不自然なリンクによる手動ペナルティからサイトを回復させるため」のもの)。
驚くべきことに、約2か月後、この否認はウェブサイトのトラフィックにほとんど影響を与えなかった。否認を送信した直後にトラフィックがわずかに増加したが、全体的にサイトのパフォーマンスはほとんど影響を受けなかった。唯一の顕著な変化は、Search Consoleで報告されたリンク数の一時的な減少だったが、これは後にグーグルのレポーティングシステムのバグによるものと判明した。
シェパード氏は、影響がなかった理由について3つの仮説を挙げている:
[仮説1] グーグルは否認ファイルに信頼を置いていない ―― グーグルは否認ファイルを信頼せず、命令ではなく提案として扱っている(問題がある否認ファイルは処理しない場合がある)
[仮説2] 否認の効果が発揮されるまでには時間がかかる ―― 否認の効果が現れるにはさらに時間が必要で、最大2か月~3か月かかる可能性がある
[仮説3] 否認したリンク数が不十分だった ―― 測定可能な差を生むほど十分なリンクが否認されなかった。
これらの結果を受けて、シェパード氏は2回目の、ターゲットをより絞った否認ファイルを送信した。2回目は「全リンク」ではなく「低品質なリンク、スクレイピングサイト、スパム」を対象とした。この新しい否認ファイルをより長期間保持する予定とのことだ。
また、シェパード氏は、将来的に否認ツールが完全に削除される可能性をジョン・ミューラー氏が示唆したことも言及している。だが、サイト所有者に検索パフォーマンスに対する一定の制御手段を与えるため、このツールが利用可能なままであることをシェパード氏自身は望んでいる。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
これでサクサク! 画像読み込みを高速化させる4つのテクニック
「SEOなんて簡単」動画シリーズのセカンドシーズン開始 (SEO Made Easy on YouTube) 海外情報
グーグルのマーティン・スプリット氏が出演するYouTube動画シリーズ「SEO Made Easy(SEOなんて難しくない)」の新しいシーズンが始まった。新シーズンでは、よくある質問を中心にスプリット氏が解説する。
第1回のトピックは、ウェブサイトの画像の読み込みを速くする4つのテクニックだ。以前のシーズンとは異なり、日本語字幕が付いていないので主要点をまとめる。
テクニック① 画像フォーマット選択
1つ目のテクニックは適切な画像フォーマットの使用だ。画像にはさまざまなフォーマットがある。代表的な画像フォーマットは次のようなものだ:
- JPEG
- PNG
- GIF
- WebP
- AVIF
それぞれのフォーマットには長所と短所がある。たとえば、JPEGは写真に向いているが、PNGはロゴのようなシャープなエッジを持つ画像に向いている。「Squoosh(スクーシュ)」のようなツールを使えば、いろいろなフォーマットを試して、最も小さいファイルサイズで高画質を保てるフォーマットを見つけられる。
テクニック② 画質の圧縮
2つ目のテクニックは画質の圧縮だ。不可逆圧縮形式の画像フォーマットでは、圧縮を高くすれば画像のファイルサイズを縮小し、読み込みを高速化できる。しかし、圧縮しすぎると画質が劣化してしまう。いくつかの圧縮設定を試して、見た目の品質とファイルサイズのバランスを見つけることが重要だ。
テクニック③ レスポンシブ画像
3つ目のテクニックはレスポンシブ画像(レスポンシブ サイジング)を使うことだ。レスポンシブ画像とは、デバイスごとに異なるサイズの画像を使うことだ。たとえば、スマートフォンには小さい画像、パソコンには大きい画像を使うことができる。これにより、あらゆるデバイスでウェブサイトの読み込み速度を向上させることができる。
テクニック④ 遅延読み込み
4つ目のテクニックは遅延読み込み(lazy loading)の利用だ。遅延読み込みとは、画像がスクロールされて表示される直前まで読み込まれないようにすることである。特に画像が多いページで、ウェブサイトの読み込み速度を向上させるのに役立つ
これらの4つのテクニックに従うことで、ウェブサイトの画像の読み込みを高速化し、訪問者のユーザー体験を向上させることができるとスプリット氏は締めくくっている。
- サイトの高速化がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- 技術がわかる人に伝えましょう
SEO業者に依頼したけど成果がない? 確認すべきポイントと対策
コメント (Google SEO office-hours) 海外情報
オーガニック検索のSEO業者に月額で依頼しているのですが、実際に作業が行われているかを確認する方法を教えてください。ここ数年、サイトが最適化されていないのではないかと疑っています。
英語版グーグルSEOオフィスアワーの2024年7月版で取り上げられたこの質問に、ジョン・ミューラー氏が次のように回答した。
いい質問だ。
グーグルが検索セントラルの一部のコンテンツに関してSEO業者に協力してもらったときには、次のようにした:
- 定期的なミーティングを実施した
- ミーティングでは、作業内容や進捗状況を確認した
- ミーティングではさらに、今後の作業について話し合った
SEO業者と我々の双方にとって、多少なりとも時間を要したが、非常に有益だと感じた。
業者がどのような作業を行うかを軽く理解しておくことで、期待どおりの作業が行われているかを確認できる。それでも、ある程度の信頼関係は必要だ。
参考になる情報がグーグルのドキュメントにも掲載されているので、参考にしてほしい:
SEO業界の方々からも、クライアントに対して作業内容をどのように説明しているか、コメントをもらえると嬉しい。
そもそも、SEO業者と契約する時点で、最低でも次の2点を質問者は明確にしておくべきだったのではないだろうか?
- どんな作業に対して料金を支払うのか
- その作業の結果をどのようにして評価、報告するのか
さらに、SEO業者が適切な施策を行っているかどうかを質問者自身が判断できないことも問題だ。業者に丸投げするのではなく、依頼する側にも根本的なSEOの知識が必要だ。
SEO業者を利用するなら、ミューラー氏が示した「SEO業者の利用を検討する」ページや「SEOスターターガイド」は確実に読んでおくべきだ。
- SEOを外注するすべてのWeb担当者 必見!
フラグメントURLに関するガイダンスの明確化
#付きURLはSEOに不向き (グーグル検索セントラル) 国内情報
グーグルは、URL構造に関するドキュメントでフラグメントURLに関するガイダンスを明確にした。
「フラグメント」とは、URLのなかで「#」の後にある部分を指す用語。
たとえば、次のURLがあるとする:
https://webtan.impress.co.jp/e/2024/07/12/47359?page=1#part_kaigaiseo
この場合、最初の「#」に続く「part_kaigaiseo」がフラグメントだ。
ちなみに、最初の「?
」に続く部分でフラグメントを除く部分「page=1」は、一般的に「パラメータ」と呼ばれることが多いが、技術的には「クエリ」とされている(わかりやすさのために「URLクエリ」とすることも多い)。
→ 参考
フラグメント付きURLに関するガイドラインは、以前はJavaScriptとモバイルサイトのドキュメントにしか記載されていなかった。しかし今回、URL構造のドキュメントにも追加して見つけやすくした。
フラグメントによって内容が変わるURLはグーグルとしては非推奨として、次のようにドキュメントに加わっている。
Google は通常フラグメント URL をサポートしていないため、ページのコンテンツを変えるためにフラグメントを使用しないでください。JavaScript を使用してコンテンツを変える場合は、代わりに History API を使用してください。
🚫非推奨: フラグメント URL:
https://example.com/#/potatoes
グーグル検索でサポートされていないため、フラグメントURLがSEOに不向きな理由はずっと以前にこのコラムで説明したことがある。
古いタイプのSPA(シングルページアプリケーション)ではフラグメントでコンテンツを切り替えているかもしれない。しかし今はHistory APIを使ってURL自体を変えられるようになっている。グーグルにインデックスしてほしければ、仕組みを変えることを検討しよう。
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